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第5話
確かに好きにしていいと言った。
何だってやってやると思った。
こんな衣装で接客するような店だし、軽いボディータッチくらいは仕方ないとも思っていた。
しかし、まさか勢いで言ったセリフがこんな風に捉えられるとは思ってもみなかった和久は、男のとんでもない要求に大混乱をおこしていた。
「何だ?好きにしていいんじゃなかったのか、紅花 」
硬直する和久の目の前で男が準備万端といった感じで両足を広げ、こちらを見ている。
「早くしろ。俺はあまり気が長い方じゃない」
柔らかな口調だがやはり目が穏便ではない。
「っぅ…はい…」
和久は緊張しながらもたもたとヒールを脱いだ。
「雰囲気くらいは作ってやろう」
動きの鈍い和久に業を煮やしたのか、男が突然後頭部を引き寄せてきた。
「な…っ…んんっ!?」
気がつくと唇が塞がれていて、和久はますますパニックに陥る。
色事に縁のない人生を送ってきた和久は、誰かと唇を重ねる事はかなり久しぶりだった。
呆然とした和久の唇の隙間からぬるりとした肉厚な舌が侵入してくる。
男のキスはかなり巧みだった。
経験の乏しいため比較対象は少ないのだが、こんなにぐずぐずにされる口づけは初めてだった。
キスというものはこんなに脳を蕩かせるものなのだろうか。
ぼーっとそんな事を考えていると唇を離された距離で低く命じられる。
「テーブルの上に座って足をこちらに向けろ。3秒以内にやらないと突っ込む」
何をどこに突っ込むのかわからないが、和久はビクビクとしながらも従った。
和久が命じられたのは、男の陰茎を足で奉仕する…いわゆる足コキというものだった。
当然ながらそんなプレイ今まで経験したことがない。
和久と対面するようにソファに座り、前を寛げた男が足をむんずと掴んでくる。
そしてそのまま自分の性器へと導いた。
足裏が触れた瞬間、男の逸物がグンと質量を増す。
その瞬間自分のものもそうなっているような錯覚に陥った。
「そのまま擦れ」
命じられて、和久は恐る恐る上下に足を動かす。
肉棒を足の間で捏ねくり回すと和久の足の間で性器が生き物のようにビクビクと脈打った。
男の性器に触れているというだけでも普通ではないのに、それを足でやっているという光景は次第に和久を妙な気持ちにさせていく。
「いいぞ、もっと強くしろ…」
男が色っぽく息を吐きながら日本語で命じてくる。
和久はぎゅっと目を瞑ると、男のものを挟んだ両足に力を入れた。
何度か上下に擦り、先端を足裏で撫でると剛直が一気に膨らむ。
感じているのか鈴口からは粘液が溢れ、和久が足を動かす度にヌルヌルとしたものが足の裏と砲身全体を濡らした。
次第に男の息が上がりはじめ、僅かだがその眉間に皺が寄っていく。
和久は思わずその表情に魅入ってしまった。
今、この悪人の急所である場所を支配して、こんな表情にさせているのは紛れもなく和久で。
それがなんとも言えない感覚を生み出していく。
和久はいつしかこれが任務だという事も忘れて男のものを夢中になって扱いていた。
チャイナドレスの下でしっかりと自分のものも濡らしながら。
「あぁ…いいぞ紅花 …っ」
男が切羽詰まった声を出すと突然覆い被さってきた。
剥き出しの太腿に生温かいものがぱたぱたと降りかかる。
「気に入ったぞ紅花 明日からお前は俺専用のホストだ。毎日しっかり奉仕しろ」
満足げな男の声を聞きながら、和久は熱い吐息を吐く。
白い精液とカウパーで汚れた自分の足を見つめながら、密かに和久も達してしまったのだった。
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