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喧嘩中のあの子♡2
「玲ちゃん、ぁの。あの、ね...」
どうしたの。やっぱり女の子がいいの。
そんな言葉は出したくても出せない。
「告白、どうしたの?」
「っあ、えと、考えさせてって」
「なんで。恋人いるのに、なんで断らないの?」
さぶちゃんはビクリと体を強張らせた。
「玲ちゃん、怒っちゃ、ゃだぁっ...!」
怒っちゃやだって言われたって。
俺はため息をついて、さぶちゃんに手を差し出した。
「ケータイ。連絡先登録するから」
そういえばさぶちゃんはいそいそとスマホを出して俺の手の上に乗せた。
素早く登録して、さぶちゃんに返す。
「.....片がついたら連絡してね」
「え、玲ちゃ、やだ..」
「俺の方が、嫌だ」
そう言ってさぶちゃんに背をむけた。
最後に見たさぶちゃんの口が、寂しいって動いた気がした。
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