31 / 85
喧嘩中のあの子♡3
あれから一週間。
さぶちゃんからの音沙汰無し。
学校でも、話しかけてこない。
「むぅ...」
俺は不貞腐れていた。
うん、見事にいじけてるよ。
俺さ、普段チャラチャラしてるけどさ、怒ると無表情になるんだよね。
それで、今まで熱くなってたのも、一気に冷めちゃう。
さぶちゃんに対する思いが、冷えてきてるのが分かった。
そんな事を思ってまた一週間。
放課後、さぶちゃんが俺に話しかけてきた。
控えめに制服の袖を引っ張って。
泣きそうな顔をして。
だけど、俺はそんなさぶちゃんの手を振り払った。
「玲ちゃん...」
「なに」
冷たく返せば、ますます泣きそうになる。
そして、震える声で呟いた。
「僕のこと、もう、嫌い....?」
「.......」
なにも答えない俺に、さぶちゃんは抱きついてきた。
離すまいと、制服のブレザーをぎゅうっと握る。
「嫌いになっちゃやだぁ...!玲ちゃんが、好きなのっ...」
ともだちにシェアしよう!