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喧嘩中のあの子♡3

あれから一週間。 さぶちゃんからの音沙汰無し。 学校でも、話しかけてこない。 「むぅ...」 俺は不貞腐れていた。 うん、見事にいじけてるよ。 俺さ、普段チャラチャラしてるけどさ、怒ると無表情になるんだよね。 それで、今まで熱くなってたのも、一気に冷めちゃう。 さぶちゃんに対する思いが、冷えてきてるのが分かった。 そんな事を思ってまた一週間。 放課後、さぶちゃんが俺に話しかけてきた。 控えめに制服の袖を引っ張って。 泣きそうな顔をして。 だけど、俺はそんなさぶちゃんの手を振り払った。 「玲ちゃん...」 「なに」 冷たく返せば、ますます泣きそうになる。 そして、震える声で呟いた。 「僕のこと、もう、嫌い....?」 「.......」 なにも答えない俺に、さぶちゃんは抱きついてきた。 離すまいと、制服のブレザーをぎゅうっと握る。 「嫌いになっちゃやだぁ...!玲ちゃんが、好きなのっ...」

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