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第4話
途中にあるスーパーでレトルトのお粥やらリンゴ、蓮の好きなものを調達し、蓮の家のインターホンを押す。
しばらくの間のあと、鍵が開くガチャリという音とともに、パジャマ姿の蓮が顔を出した。熱が高いのか頬が少し上気し、切れ長の目が潤んでいる。呼吸も少し苦しそうだ。
「蓮! 大丈夫?」
支えるように蓮の体に触れると、ものすごく熱い。
「熱、何度あるの?」
「あー、計ってないから分かんねー」
「もう! 薬箱はどこ?」
リビングのソファへ蓮を座らせ、探し出した体温計で熱を図る。
ピピピッという音とともに体温計が示しだしたのは三十八度六分。かなり高い。
「蓮、お医者さん行った方がいいよ? 八度超えると肺炎になる心配があるってきいたことあるから」
「大丈夫。あと一晩でもゆっくり休めば治る」
「でも……」
「それに綾人の顔見たら、なんか元気出て来たし。医者よりなにより、綾人が俺の薬だよ」
そんなふうに言われて、こんなときだというのに、なんだか口説かれているような気持ちになってしまう。
「れ、蓮、おなか減ってない? 色々と買ってきたんだけど。なんか食べる? お粥とかリンゴとか、ゼリーとか」
「うーん……。お粥かな。昨夜からなにも食ってないし、綾人が作ってくれるお粥なら食べれそう」
「レ、レトルトだよ?」
なんだか今日の蓮は少し変?
「上等。ここでおまえが作ってるところ見てていい?」
やっぱ、ちょっと変だ。甘えん坊さんっていうか……蓮らしくない。
「ベッドで横になっていなくてもいいの?」
「横になっているのにも飽きたし」
俺は蓮の家のキッチンに立ち、まずはお湯を沸かした。レトルトなので、このまま温めればそれでいいのだが、少しでもおいしく食べて欲しいので、冷蔵庫を物色させてもらう。
卵は……うん、まだ新しいし。あ、ネギも新鮮だ。これを加えて少しだけ出汁を入れたら、口当たりも良くなるし、栄養もつくだろう。
できあがったお粥を椀に盛り、蓮の前のテーブルに置く。
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