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使っていいと言われた部屋はイヌや猫の人形で溢れていた。 来たことないはずなのになぜか懐かしいと思った。 この部屋も匂いも… ベットの上の人形達も… ゲストルームかと思ったけど誰かが使っていた感じがある。本棚には俺が好きそうな本が並んでた。一冊の本を取ってパラパラと読む。すると、本の隙間に一枚の写真があった。そこには楽しそうな俺と久慈が写っていた。見た瞬間、条件反射でパンっと本を閉じた。 「ありえない。未来の俺って久慈と仲良しなのか!?それ以上だったりする!?意味わかんない!!」 深呼吸して辺りを見渡すと見覚えある私物がある。この部屋は俺が使っていた部屋かもしれない。記憶の手がかりを探すため、色々探ると棚の後ろから一冊の日記が見つかった。 えっ…三日坊主なのに日記を書くのか?1週間で終わってそう… ページを捲ると日にちは飛ぶが隙間なく書かれていた。そこには兄さんと喧嘩したことや雨の婚約破談などが書かれていた。知らない内容ばかりで読む内に分かったことは半分以上、久慈のことが書かれていた。今までの経緯が細かく書かれていて、久慈は兄さんのことが好きで邪魔するのが俺の日課らしい。でも完璧そうに見えて危うい久慈がほっとけなくて気になっている…とか…すき…とか… 「なんだよ、この日記!恋日記かよ!恥ずかしいだろ!」 正直見てられない内容もあるが見なければ記憶を取り戻せない。いや、このまま封印して、思い出さなくていいかもしれない…はぁ… 嫌々ながら日記を読み続け、部屋の中を探していたらあっという間に時間が過ぎていた。 美味しそうな匂いが漂った頃、ノック音が聞こえた。ドアの隙間から久慈が覗いていた。 「ご飯できたぞ、早く来い」 「うん」 読みかけの本を閉じて、久慈を追って大部屋に行くとテーブルの上には既に料理が並べられていた。 「座って食べろ」 先に座っていた久慈の向かい側に座って、手を合わせた。 「いただきます」 「いただきます…」 お互い会話はなく、黙々と食べた。 ご飯は美味しいが気まずい空気で長く居たくないと思い、急いでご飯を掻き込んだ。 「ごちそうさま。皿洗っとく」 雨は使った食器を持って流しへ向かう。 久慈にそのまま置いとけって言われたけど自分の使ったものは洗う。 やったことないが食器洗いなら出来ると思ってスポンジを泡立て、洗おうするが手が滑って皿を落とした。 「あっ…やばっ…」 割れてしまい、違うものを洗おうとするがまた、割れた。 割れる音を聞いた久慈が呆れた顔で来て、雨は台所から追い出された。 「片付けるから大人しくテレビ見てろ、バカ」 「…いや、部屋を戻る」 「あとでお前の好きなブリュレあるぞ?食べないのか?」 ぐっ…なぜ、大好物を知っている。 知ってるのは兄さんだけなのに!! 「…っ、部屋で食べる」 「食べ終わった後、片付けないから部屋で食べるの禁止だ」 「わかった…」 ブリュレのため部屋に戻るのは諦めて、大人しくテレビを見ることにした。

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