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第4話 寮生活開始

康太と榊原は、長年の蟠りをなくすかのように、沢山話をした 2年間、同室者として、生活するには蟠りは取り除いた方が良い まだぎこちないが、何とか同室者として、やって行く覚悟が出来た でも、康太の一番のネックが、ホモの生存率高いんだよな…この寮…だった 対策を練るにも、情報が少なすぎる。康太は一生に聞きに行こうと思った 「あのさ、榊原…オレ、緑川んとこ行ってくるわ」 そう言うと榊原は、机の上のカードキーを渡してくれた 「ありがとう…」 康太は部屋に出て、一生の部屋へ向かった 一生の部屋は109号室…康太の部屋の2つ先 一生も四悪童として、執行部の監視が着いていた 総監の部屋に近い部屋は執行部が占めているんだっけ この寮は5階立てで、全部屋300室近くあるって書いてあったな 康太は取り敢えず109号室のドアを叩いた 109号室のドアをノックすると、待たされる事なくドアが開いたら 「おおっ康太!!どうしたんだ」 一生は康太が来るのを予知していたかのように、歓迎して招き入れるとドアを閉めた 一生の同室者の楡崎明良が康太に椅子を出してくれた 座ると一生はベットに腰掛け…何だか楽しそうだ… 「榊原とどうなったんだ♪」 喧嘩して来たのかと思ってるのかよ… 康太は眉を顰めた 一生は、康太が榊原を好きなのを薄々気付いていた 「榊原とは話し合って誤解は解けた… それよりオレ…幼稚舎から通っててホモの生存に何故気付かなかったか…疑問だわ」 康太がそう言うと、一生はベッドの上で笑い転げている 「お前…この学園に染まってないからな」 腹を押さえ一生が言う 「あのさ、ちょっと良いか?」 楡崎が割り込んで来る 「良いよ。何だよ」 「飛鳥井は幼稚舎からいるんだよな?」 ムカッ「そうだよ!!」 「お前…天然か?」 この日2度目の天然か…だ 「訳わかんねぇ…」 康太は椅子から立ち上がった 訳の解らないのを聞きに来たのに、余計解らないつーの 「ちょ…ちょっと待て康太!!楡崎!!余計な事言うな!」 一生に押さえられ…康太は堪えきれず泣き出した 自分の回りには不可解に事が多すぎる 解らないのは恐怖だ 「なっ…泣くな康太」 「オレ…訳わかんねぇ こんなんで2年間やってけるか…不安だわ」 うるうるの瞳で一生を見る康太に、楡崎は下半身に直撃の衝撃を食らう 楡崎はあまりの無防備さに口を押さえた 嫌…鼻か… 「おい緑川、教えといた方が身のためかもな… この寮で生きてく為には、これでは…駄目だ」 「ああっ…そうかもな」 意を決意した一生が康太を椅子に押さつける 楡崎が、入り口を封鎖する 「よく聞け康太!!」 康太は頷いた 一生は、康太がこの学園でいかに人気者で、ファンクラブもある……とか、この学園は榊原が言った様にホモの生存率が高いんだとか… 学校では守れたけど、寮までは無理だから、自分の身は自分で守れ…との事… 多分、榊原が同室なのは、総監の苦肉の策なんだそうだ 康太は額を押さえた…あぁ…人間不信になりそう… 「康太、お前、自分の事、凄く平凡で普通の人間だって思ってるだろ?」 うん!うん!と康太は頷ずく 「そりゃあ、お前の家族から見たら、お前は地味かも知れないが…… 普通に考えてみろや…自分の姿を! お前はお袋さんや親父さんの血を引いてるんだから普通にはならないんだよ」 一生は頭を掻く 諭す様に、優しく、噛み砕いて康太に教える でも康太はそんな事聞いてはいなかった この寮のホモの生存に、この目の前の二人が該当するのか…考えていた 「あのさ、この寮がホモの生存率が高いなら、一生と楡崎もホモなのか?」 と、爆弾発言を仕出かした 「「失礼な!!」」 一生と楡崎の声が重なる 「えっ??ホモじゃないのか?」 ホッと康太は胸を撫で下ろす ずっと一緒にいたのに…自分だけ蚊帳の外みたいなのは、嫌なのだ 一生と楡崎は 俺らは「バイだ!!」とハモりながら言った バイ… あ…そうですか がっくし肩を落とす康太に一生は、ニャつきながら、最後の隠し玉を出す 「康太ぁ!お前の下駄箱には、毎朝ラブレターがすげぇんだぜ」 ラブレター??? 見たことないんだけど… えっ…って顔をしたら 「執行部の奴ら…と、言うか、榊原が頑張って処分しまくってるからな… 榊原は朝早くから忙しいみたいだよ」 えっ…榊原が? 何で…?????さっぱり見えて来なかった 「交際を申し込もうって奴は、まぁ俺達が寄り付かない様にしてやってるんだけどな♪」 「そうそう!友情に感謝だぞ♪」 ……康太はこの先、この寮で…生きて行けるのか心配だった どっと疲れて部屋に戻ると、榊原は机に向かって勉強していた バタン…とドアを閉めると、榊原は表情を曇らせた 「どうしました?何かありましたか?」 優しいんだな榊原って 「オレ…知らない事多すぎだった」 「まぁ…それが君ですからね…」 榊原は困った顔をして 「落ち込むな……通学ならなんとかなったんですが… 寮は密室になる分、危険度が上がりますからね、自覚してもらわないと…」 「オレ…平凡で普通の人間なんだけど… ずっとずっと…そう思ってた オレなんかの何処が良いのかな」 榊原は康太の頭を叩いた!! ペシッと叩きやがったんだ 「痛てぇな!!何で叩くんだよ」 「落ち込んではいけません!元気が取り柄の康太君!」 ぞぞっ 「キモいんですが…」 「君は考えて行動するタイプじゃない 直感でヤバい臭いがしたら、逃げなさい!」 「それってバカって事かよ」 「違います…」 アハハハハッ 笑って誤魔化す 何だか…濃い1日だったな… 康太はベットの上で携帯でゲームをしながら、何時の間にか瞳が閉じていた その日、康太は夕食を食べる事なく眠ってしまったみたいだ 康太は朝早くに、空腹で目が醒めた 夕食食ってないんだもん当たり前か… 康太はイタズラ心が沸き上がり、榊原のベットに上がり、榊原に跨がった そして顔をペシペシ叩いた 「なぁなぁ榊原ぁ…腹へったんだけど」 榊原を揺する 榊原は面倒臭そうに目を開け 「寝込み襲うとは…大胆ですね。飛鳥井」 ニャッと口の端が上がる イタズラ心が沸いたのは認めるけど、寝込みは襲ってない…ってば!康太は慌てた 「ご…誤解だぁ…なぁなぁ榊原腹減ったんだ、飯食いに行こうよ」 「…支度するから待て……って言うか、僕から降りなさい」 康太は全く聞いてない。榊原の顔を見つめて 「榊原って睫毛長いんだな」等と宣った 「なっ!!」 榊原は驚愕した目で康太を見る… 康太は何をやったのか…理解は出来ていなかった 「飛鳥井…今すぐ退かなかったら、犯しますよ」 ギャー まさか榊原の口からそんな台詞が溢れようとは… 「さっ…榊原もホモなのか?」 ホモの生存率が高いもんなぁ… 榊原は目を丸くして康太を見るた 「ホモだとしても…飛鳥井じゃあ勃たないかも…」 その台詞に康太は酷く傷付いた瞳をした 榊原の胸が痛む位の瞳… でも、次の瞬間には元に戻っていた 「別にオレに勃たんでもいいけど… オレ以外だと勃つんだな…ホモなんだな…」 納得している康太の頭を叩く 「キスしますよ!」 榊原の顔が近付く 「わぁぁー!!ごめん」 康太は慌てて榊原の上から降りた 食堂に向かう廊下で康太はボヤく 「朝から人の頭をベシベシ叩くかなぁ! バカになったらどうしてくれるんだよ」 頭をサスサス撫でる康太を一瞥し 「それ以上バカにはならないと思いますよ?」 と、非道な言葉を吐き出す 「煩い!」 プリプリ怒り乍ら歩くと、あっちこっちから声がかかる 「飛鳥井 おはよー」とか 「おおぉっ来たな寮に」 「康太」 「飛鳥井」 様々なかけ声がかかる 声はかかるが、近くに来る奴はいなかった 鬼の執行部役員が横にいたら、気安く声かけて来る奴はいないみたいだ 何だか…先行き不安な感じはするが、まぁ何とかなるでしょう 食堂に行くと康太の姿を見つけ側に来ようとする奴がいるが、榊原を見つけ方向転換する 絶対に榊原と目を会わせようとはしない 榊原の姿を見ると、逃げるように走り去る 榊原…お前どんだけ恐れられてるんだよ 「鬼の執行部役員 榊原伊織 恐怖の大魔王…」 榊原の威名は伊達じゃないんだな 呟くと睨まれた ……怖い 絶対に逆らわないようにしょうと康太は心に誓った 飛鳥井の家の朝は和食で始まる 朝食は寮に入っても、和食を選び食べてると、頭上から声がかかった 「康太…朝から和食かよ… よく食えるよな…そんなに」 康太のトレーの上の、ご飯と味噌汁と納豆、そして、緑茶が乗ってる 朝から見るには重すぎる、朝食に一生は目眉を顰める 一生はトレーにサラダと紅茶 少なすぎない?と言う康太の言葉を無視して、怠そうに野菜を突っつく そんなんじゃ昼まで持たないって言うの 食事を終え部屋に戻ろうとすると、前から四悪童の一人が怒りに満ちた顔をしてやって来た 「酷いですよ康太、昨夜はずっと待ってたんですよ! 何で一生ん所に行って、僕の所には来ないんですか! 君って本当に薄情な奴なんですね」 怒りのオーラを背負った奴は、姓を四宮、名を聡一郎と言う 康太とは幼稚舎からの腐れ縁で 四悪童と呼ばれる一人だった 聡一郎なんて名前は和風だが 顔や容姿はハーフで、フランス人形の様に綺麗だった 康太は最初、四宮と話すのが嫌だった 何故なら英語喋れないし… 康太が何か話そうとしたら、榊原が四宮に話しかけて来た 「四宮、彼は昨夜は珍しく夕飯も取らず寝ってしまったんですよ 僕は何度も起こしましたが、全く起きず、朝早くお腹がすいて目が醒めたんですよ… 天然なお子様には、少しショックが大きかったみたいです」 康太が答えようと思っていたのに… 榊原の言葉に四宮は驚く 「食い意地がはった康太が!? 夕飯も食べずにですか!明日は雨かな‥‥」 「いや…雷雨かも」 「雷雨かぁーデートは中止にしないとですね」 「あぁその方が賢明だと想う‥‥」 ムカッ 康太は、オレで遊んでやがる…と膨れる 「なぁなぁ聡一郎♪」 オレはホモの生存率が高いなら、コイツはどうなんだよ?って好奇心がわいてきた 「あんだよ、康太?」 「お前ってホモ?」 聡一郎は驚いた顔をしたが、直ぐ様笑い飛ばした 「いや違います!」 「そうだよな。そうそうホモなんていないよな」 「僕を愛するハニー達がいる限り、僕は分け隔てなく愛を分け与えないと喧嘩になっちゃうからね だから女性とか男性とか性別で決められないんだよ 僕って何って罪な男なんだろ 僕が美しすぎるのがいけないんだね…」 聡一郎は自分に酔ってる時は捨てておくに限る こんなんでやってけるのオレ ああっ…目眩が ……

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