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第10話 夏休み

終業式も終わり、康太は実家に戻るべく荷造りをしていた あぁっ…汗ばむ体が気持ち悪い 三上に触られて以来…神経質になっていた 康太はシャワー室に入り…吐いた あぁっ気持ち悪い 嫌だ嫌だ… ざわつく感触を体が覚えている 一心不乱に体を擦る 取れない 取れない オレは汚い 汚い 汚い 誰か助けて… 榊原は誰もいない部屋に戻って来ていた 康太とは保健室の一件以来…避けられている 触ろうとすると、微妙に体が逃げて行く 話しかけようとしたら、用を作って逃げられる 何故あんなにもかなくなに避けられるのか…嫌われてしまったのか… 榊原は悩み…動けないでいた それが益々二人の距離を広げて行ってしまった 誰もいないと思っていたら…微かな水音が聞こえる 「まだ帰ってなかったんだ」 だったら少しは話せる 何があって避けられているのか…話がしたかった 榊原は康太を待った そして、長すぎる入浴に、浴室の康太か倒れてたりしないか不安になった コンコンコンッ 浴室のドアを叩く ………しーん と水音しか聞こえない 榊原は浴室のドアを開けた 浴室には一心不乱に洗う康太がいた 皮膚は赤く血が出ている所も… 榊原は眉を顰めた 「康太…」 名前を呼んでも気付かず洗っている 「康太…康太」 榊原は濡れるのも構わず康太を止めた 何で…こんな事を… 腕に抱き締めようとすると康太は暴れた 「触んな!」 触るな!と異常なまでの抵抗 榊原は尋常じゃない康太の姿に、康太の腕を掴み、叫んだ 「康太!康太…どうしてこんな事を…」 変わってしまった康太の瞳を見つめる 焦点の合ってない瞳が、空間をさ迷う 榊原は康太を揺すった、正気になってくれと…必死に康太に訴えた ふと康太の褐色の素肌が目に入り、榊原はクラっとなる 極めの細かい健康的な肌 鎖骨の窪みに噛みつきたい衝動に駈られる ツンと尖った乳首に、榊原の理性は風前の灯だった 「康太…」 榊原は有無を言わせず康太に接吻する 舌を入れると康太の舌が逃げた キスに慣れてない康太… 榊原は愛しくて、康太の舌を追いかけた 口内で逃げる舌… 逃がす気ないし… 榊原は更に接吻を深くした 暫く康太の口腔を味わっていたら、康太がクタッと倒れた 「康太!」 榊原は慌ててシャワーを切り、康太を抱き上げた 浴室の外に出ると康太を椅子に座らせ、康太の体をバスタオルで巻き付けた 少しの猶予とばかりに、榊原は濡れた自分の服を脱ぎ、バスローブを羽織り、康太の体を拭いた 榊原の理性はグラグラと揺れる こんな美味しそうな康太がいるのに、触れないなんて… でも、そんな事は言ってられない 冷蔵庫から水を取り出すと、康太に渡す ……だが方針状態の康太は、水を取る事もない 榊原は、水を口に含むと、康太に接吻けて、水を流し込む 無理矢理流し込まれた水を、康太はゴクリと飲んだ 榊原は名残惜しそうに唇 を離した 「まだ要りますか?」 榊原が聞くと康太は驚愕して目を開く その瞳に光が点ったのを確認して榊原は口を開く 「康太…怪我してるじゃないですか…どうしてこんな事してるんだ? 今日こそ話を聞かせて貰いますから!」 榊原の真摯な一歩も引く気がない瞳を見て、諦めたように頷いた 榊原が触ろうとすると、スルッと康太の体は逃げる 流石の榊原も自信がなくなる 「康太…康太は僕が嫌いなんですか?」 榊原は一番聞きたかった事を聞く 嫌いじゃなかったら可能性はある 可能性があったら離す気は、更々ない 地獄に堕ちるなら一緒に堕ちてやる 追いかけて 掴まえて 自分の場所まで引き摺り下ろす 絶対に離さない この身が引き裂かれようとも、康太を離す気はない 「オレ…榊原の事好きになる資格なんてない」 その言葉に榊原は康太を睨み付ける 「意味が解らないんですが…資格ってなんですか?」 「オ…オレ…汚いんだ…」 目の前の康太は美味しそうに輝いてる 「汚くなんかないですよ」 そう言うと康太は興奮して 「汚いんだ!」と叫んだ 榊原は美味しそうな康太を胸に抱いた 「康太…一人で苦しまないで…僕に話して…僕も康太と一緒に苦しむから…康太」 抱いた背中がピクリと動く 康太は観念したかのように口を開いた 「ほ…保健室でアイツに触られた時…凄く気持ち悪かったんだ…」 榊原の胸に擦り寄る ああっ神様のいぢわる 康太が胸にいるのに… 康太から擦り寄ってくれているのに… 「あれ以来、アイツの手の感触が消えないんだ… 気持ち悪くて、何度も吐くんだ…そしたら、自分が汚く思えて…」 康太は号 泣する アイツ!許せない!! やっぱ殺っとくべきだった 自分を悔やむ それよりも、手の中の愛しい生き物を何とかしないと… 「康太は…僕に触られるのは…嫌? 気持ち悪い?」 康太は首をふる 「さっ…榊原に触られるのは……ない」 聞こえないんですけど… 「聞こえないですよ…康太」 「嫌じゃない…榊原が触るとワケわかんなくなるけど…嫌じゃない」 神様ぁありがと! 榊原は立ち直りが早かった 「あんな奴の感触…忘れさせて差し上げます」 榊原は康太を抱き上げると、ベットに横たえた 榊原はブロンズの様にしなやかで、鋼の様な弾力を楽しむかのように、康太の健康的な肌に手を滑らせた しっとりと手に馴染む肌は、ずっと榊原の為にあったかのように、そこに横たわっていた 榊原は、鎖骨の窪みに舌を這わせた Гやっ…」 康太の抵抗を押さえつけ、キスマークを付ける 褐色の肌に咲く紅い花 綺麗な鎖骨に…食らい付きたい衝動に駈られる 噛みついたら…怖がるだろうな…と グッと堪える…、全てが康太を怖がらせないよう… ツンと立ち上がった、ピンク色の乳首に舌を這わせようとすると… Гさっ…榊原…やめ…」 康太が激しく抵抗する Г僕に触られるのは嫌?」 そう声かけると康太は泣きそう顔をした 何故こんな顔をするのか… こんな顔させたい訳じゃないのに… Гど…同情してくれるのは…有り難いけど… こう言う事をオレとするのは、榊原の恋人に悪い…」 康太は胸の上の榊原を押し退ける Г恋人??誰の事言ってるんです?」 天然なのは知っていたけど…何か誤解が大きいみたいだ Г榊原は執行部の清家静流さんと…こっ恋人なんだろ!だったら清家さんに悪い…」 はいぃぃぃぃぃ????? 僕が誰と恋人同士だってぇ???? Г康太…話をしましょう 逃げないって約束してくれますか?」 康太は「うん。」っと頷いた 榊原の頭の中はマグマが煮えたぎっていた 冗談は止めてくれ サドで残忍な清家と恋人同士だって… 顔は歌舞伎の家に産まれただけあって優しげだが、アイツはサドだ… 端正な顔が整い過ぎて人形の様だが、あんなに性格の悪い悪魔と恋人だなんて… 冗談にも程がある 榊原は艶々な康太から離れ、タオルケットで包んだ 見ていたら理性が持たないから Г康太は僕が君に同情して、触ったと思ってるんですか?」 聞くと康太は頷いた Г僕は君を愛しています」 鈍い康太相手では単刀直入に言わないと、ややこしくなるから単刀直入に言う Г僕はずっと君が好きでした 好き過ぎて壊してしまいそうな位… 君が好きなんです」 康太が信じられないって顔をする Гオレじゃあ勃たないって言った」 Гじゃあ入寮した日に、君だけを愛しています…って言ったら信じてくれましたか?」 康太は豪快にブンブン首をふる Гずっと好きだったんですよ 初めて逢った時から好きでした その好きが僕を暴走させてしまうと‥ゝ自覚したのは中学の頃でした… 君は無邪気に僕に接していたその時に… 僕は頭の中で君を犯しまくっていました タガが外れたら君を犯してしまいそうで、君が名前で笑ったのを利用して離れたんです…」 榊原は苦笑した Гだけど、君が寮に入るって聞いた時… 誰かと同室になる君を想像するだけで、狂いそうになりました…」 狂気を孕んだ瞳に写るのは康太の姿だけ Г君は日に日に可愛くなり人気がありました 僕は君の下駄箱のラブレターを根こそぎ捨てました どれか1つでも君の目に止まらぬように… 執行部と言う役職を盾に君に近づく害虫は駆除しまくりました 四宮と緑川は、そんな僕を知っていて、手助けしてくれたのです…」 Г嘘…」 Г本当ですよ…… こんな僕には愛想が尽きますか?」 康太は首をふるった 「でも…でも…噂では榊原は清家とカップルだって…」 榊原の顔が引き吊るのが解る 「康太…清家は厳つい強靭な肉体の男が趣味なんですよ… そう言う男を泣かせるのが堪らないと…言う奴なんですよ! 冗談は止めとかないと、今すぐ犯しますよ」 「恋人じゃないのか…でも榊原は1年とか3年に……ぅんっ…」 悪事がバレすぎ… 榊原は強引に康太に接吻けた 「中学(出逢った時)から、好きでした…って言わなかった?」 そんな事言われても信じられない 「榊原はオレが好きなの?」 「愛しています」 康太を、腕の中に包み込む 「恋人になって下さい。康太」 両手で康太の顔を持ち、上向ける 「今まで誰とも付き合わなかったとは言いません…… 君に似た姿をしているならと関係を持った事もあります… 心も体も康太を求めるけど… 手に入らないから…似たのを探した… だけど紛い物は本物にはなれません 君を見ると色褪せて…終わった…こんな汚い僕は嫌ですか?」 康太はプルプル首をふった 「本当にオレが好きなのか? オレだけを見てくれるのか?」 誰かの変わりは嫌なのだ 「康太が好きです 康太だけを見てます 今も…昔も。康太が僕を受け入れてくれるなら、僕は康太だけのものになります」 「嘘…お前、冷たかったもんよぉー 同室になったオレに、突き放す様に冷たかった…」 それを言われるとぐうの音も出ない榊原だった 「冷たくしないと暴走しそうだったんです 僕も煮詰まってたんです 許してくれますか?」 康太の手を取り、自分の頬に触らせる 「康太だけのものですよ…触って…… 僕の全ては康太のものです」 康太は夢みたいな気持ちで、榊原の指の感触を感じていた 「康太に僕の全てを捧げます」 榊原は康太の人差し指に犬歯を当て噛んだ 「っ…」 康太は痛さに眉を顰めた 榊原の口の中に、康太の血が流れる じわっと鉄の味を味わいながら 「僕の命をあげるから…康太の全てを下さい」 鉄分の広がった口で接吻ける 「康太を…僕のものにする」 康太…康太 熱に魘されたように名前を呼ぶ

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