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第11話 愛する時
康太をベットに押し倒す
あぁっ…やっと康太を僕のものに出来る
榊原は感極まり、死にそうだった
「康太…」
接吻しようと顔を近付ける
と、その時ムードをぶち壊す音が響いた
「ぐぅぅぅ~」
と康太のお腹が鳴った
榊原と康太は顔を見合わせる
康太は、カァァッと顔を真っ赤にした
なんて愛しい子なんだ
榊原は楽しそうに笑って、頬に接吻した
「食堂に行きますか?」
「うん。ゴメン榊原」
「許してあげますが、恋人同士になったんですから」
榊原は康太の耳に息を吹き掛け
「伊織…と、名前で呼んで」
と囁いた
康太は耳元を押さえ涙目になる
「今夜は帰しません!
ご実家には(総てを堪能した後に)送って差し上げます」
この時康太は自分が美味しく調理されるなんて思いもしなかった
食堂に行くと、そこは四宮と一生と一条が座っていた
「よぉ康太」
康太の姿を見つけ、一条隼人が声をかける
「隼人ぉ何時帰って来たんだよ」
康太が、駆け寄る
…もう帰国して一週間は経つんですけど
全員思うんだけど…口に出さなかった
桜林の四悪童勢揃いに榊原は嫌な予感を感じる
「隼人…土産は?」
康太が隼人に駆け寄る
人の顔を見るなり…それですか?
だが何時もの事なのか、皆は笑っていた
少し元気になった康太の瞳に光を確認する
元気になった原因はこれか…
隼人は康太な首筋の紅い痕を見つけ微笑む
「土産買う時間なかった位スケジュールがキツかったわ…
でも康太のはマネージャーに頼んで用意しとたのだ」
一条がポケットから箱を取り出す
「ほらなのだ!」
箱は綺麗な放物線を描き、康太の手に収まった
「これって約束のか?」
「あぁそうなのだ!開けてみるのだ」
康太は宝物でも扱う様に、そっと箱を開ける
榊原と四宮と一生は箱に中身を覗き込んだ
箱の中には、ゴロゴロと石が入っていた
「これは何なんだ?」
一生が摘まもうとする
その手を叩き、一条に向き直る
「隼人有難う!」
一生は少しムッとして
「これは何なんだよ!」と問い掛けた
「ハワイに隼人が行くって言ってたから、石を土産にくれって頼んだんだ
じぃちゃんにやるんだ
ハワイには珍しい石があるってTVでやってたからさ…頼んだんだ」
そう言えば、やってたよな…と榊原は思い出す
「どんな石だって良いから土産にくれって頼んだんだ」
ニコニコ笑いながら康太が話す
一生は榊原と四宮に耳打ちする
「あれ…ただの石かと思うか?」
榊原と四宮は首をふる
「だよな…」
そんな外野の困惑は他所に康太は喜び勇んでいた
康太は一条に何もねだらない
今まで一条の側にいた人間は、見返りを求めた
押し付けがましい愛と言う物を要求するか、お金を求めた
そんな人間にウンザリしていた
だけど、康太は見返りを求めない
モデルの一条隼人じゃなく、何もない高校生の一条隼人の側にいてくれる
友達でいてくれる
思い付く限りの悪さを試した
毎日が楽しくて充実していた
そんな一条隼人の変化にいち早く気付き、学業優先を打ち出したのは、マネージャーだった
この今の経験は貴方を人間らしく輝かせてくれる宝物になるでしょうね
喜ばしい変化にマネージャーは康太や一生、四宮の存在を歓迎した
その康太のおねだりだから、マネージャーは見事に お土産をゲットすべく奔放して手に入れた逸品だった
だが、値段は一条にも知らせない
おみやげの値段なんて知らなくて良いから
一条は多分何かしてやりたかったのだ
普段は何一つ欲しがらない康太が、TVでみた石をじぃちゃんにブレスレットに加工してやりたい!って言って来た以上は、忘れる事なく康太に渡したかった
そしてマネージャーは、楽しそうに話す一条の気持ちも汲みたかったのだ
康太は土産で買える程度の石を欲しがった
だからマネージャーは何も言わず日本に着いた時に、箱を渡した
まぁ必要経費で落とすつもりで、他の石も購入済みなんだけど…
「隼人…幾らしたんだ?」
高価な品なら受け取らないつもりだったから
「知らないのだ
マネージャーが安く上がったって言ってたから、安いと想うのだ…」
ほっと胸を撫で下ろす
「悪かったな隼人、無理言ってゴメン」
「気にしなくて良いのだ…それよりそれ、ブレスレットにすんのか?その石?」
「うん。蒼兄の知り合いに、こう言うのを加工してくれる人がいんだよ
だから家に帰ったら持っていって、じぃちゃんの誕生日に渡すつもりなんだ」
「お前のじいちゃんは幸せなのだ」
一条は羨ましくさえ思う
一条の家は芸能一家で、両親や兄や妹も芸能人だった
芸能一家の子として一条隼人は生まれて、何の疑問も抱く事なく親と同じ仕事をする様になっていた
それもその筈、一条は子供の頃に今の事務所に預けられ仕事をするようになってからは家族には逢ってさえいなかった
もう長い間家族の顔を見た事もなかった
謂われるままに仕事をして過ごした日々は一条隼人の心に大きな影を落とし‥‥
次第に人間としての感情さえ、なくなってしまっていた…
そんな何もない自分の事を考えていると本当に‥‥自分が情けなくなって来ていた
そんな落ち込んでいる隼人に康太は
「隼人はオレが育ててやんからな」と優しく謂った
榊原は育てられてる…の間違いじゃなく?その台詞に疑問を感じて首を傾げた
「じゃあ榊原がパパなのだ…
どう考えても、康太は躾が厳しい母親だ」
「あれは、隼人が行儀悪いから…」
榊原は目眩がしていた
それより、初夜はどうした!
美味しそう康太を食べるつもりだったのに…初夜ぁぁ
食堂から一条の部屋に場所を移し朝方まで騒ぎまくった
一条の部屋は寮の一番上にあり、執行部や生徒会の人間は介入出来ない治外法権だった為、榊原は初めてペイントハウスに足を踏み入れた
桜林の四悪童は寮では必ず監視役が着いた
緑川一生の監視役は、楡崎明良
四宮聡一郎には、高槻和真と言う執行部の人間がついていた
たから、康太が、入寮する時、執行部と言う役名を利用した
だが、一条隼人には誰も監視をしてはいけない
そうお達しがあって、誰も一条隼人を束縛出来る人間はいなかった
朝方まで騒ぎまくった康太達は、夜が白む頃部屋に戻った
「はぁ‥疲れた‥‥」
康太は半分眠っている
眠っているのを良いことに、榊原は康太と一緒にベットに入った
ベットに入ると眠気が襲った
榊原も意識を手放した…
ぐっすり眠った榊原が目を醒ました時には、陽は高く昇っていた
眠ってスッキリした
さてと、初夜を始めますか
まぁ夜じゃないから初夜とは呼べないか
自嘲する
「康太…」
まだ目覚めぬ康太に接吻をした
榊原は…康太の服を脱がしにかかった
もう邪魔物もお預けもゴメンだった
康太は怯えるかな…
榊原に不安はあった
だけど、康太が欲しかった
うかうかしていたら獲られる
その前に早く自分のにしたかった
榊原にだって不安はある
好きな子は苦しめたくない…だけど自分は康太と繋がりたい
康太の奥深くまで
隙間もない位、繋がりたい
だけど、それがどれだけ康太の体に負担になるか解っていても…
自分が押さえられない
康太…
接吻を深くする
康太の口腔を犯す
指は康太の肌を弄ぶ
康太は息苦しさに目を醒ました
「さっ…榊原」
榊原は康太の耳を舐める
「伊織…呼んで」
「ひゃぉり…」
顎から唾液が流れて、康太は扇情的だった
首に自分の印を刻む
どんだけ独占欲が強いんだ…と、自嘲するが、止まらない
「ゃめ…」
痛みに康太が足掻く
「無理だって…」
ツンと尖った乳首を舐める
榊原は康太の下半身に指を這わす
そこはすでに濡れて勃ち上がっていた
「やぁ…」
体を捩る
「康太…感じてる?」
「きっ…聞くな…」
プィとそっぽを向く
「機嫌を直して」
僕も一緒だから…と腰を密着させる
榊原は康太の手を掴み、自分のモノを持たせる
「ゃぁ…」
手を引こうとしても掴まれた手はびくともしない
手の中の熱い塊は脈を打ち暴れていた
「これが…入る…君と1つに繋がります」
愛撫を施し囁く
康太は蒼白だった
「無理ぃぃぃ~絶対に無理ぃぃぃ!!」
体が逃げる
でも直ぐ様榊原に戻され、乗し掛かられる
「痛くない様に解すから…」
榊原はとんでもない場所に指を刺し込む
「らめぇ…」
バタバタ暴れる
榊原はその都度康太に深い接吻けをする
「あんまり暴れないで…萎えてしまう…」
嘘をつけ…嘘を!!
榊原は、舐めたら怒られるかな…
と、心の隅で思ったが、解すならやつぱ指と舌しかない…と舐め始めた
うつ伏せにされ腰を高く開かされ、指と舌が入口を解す
明らかに榊原の趣味
榊原は楽しげに解ぐれるまで時間をかける
舌を差し込み、指の本数を増やす
その頃には康太はぐったりして抵抗する気力も残っていなかった
いい加減に体の力が抜け、榊原は康太を仰向けに寝かす
腰に枕を差し込まれ足を抱えられる
「康太…」
榊原は時間をかけて康太の中に身を忍ばせた
「痛い?」
唇に接吻け聞く
瞼の端に涙をためた康太が首をふる
「ゃあ…榊原…またデカくなってる…キツいって」
「仕方がないでしょ…康太の中のが気持ち良すぎ…っぅ…康太緩めて」
「オレにぃうなっ…」
榊原は、康太の下肢に手を伸ばし動かす
クライマックスは近い…
榊原は腰を揺すった
二人だけの世界に行く為に
二人だけしか味わえない世界
一分でも長く康太と繋がっていたい
康太の中を犯したい
熱に魘されたように名前を呼んだ
「ぁ…っ…」
二人は重なり合い、熱を吐き出す
その夜…
榊原の熱は冷めることを知らなかった
何度も求める榊原に
ぎぇぇぇぇ~
辟易した康太の声が響 渡る…
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