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第33話 四悪童INHawaii2日目
修学旅行 2日目
この日は、市内の探索
「とにかく、歩こうぜ!」
と、言う康太の提案で市内を歩いて回る
「あれ?こんな所に、うちのじぃちゃんが何で立ってんだよ!」
康太が駆け寄り、すりすりした
一条も「どうしていんだよ!康太のじぃちゃん」と、駆け寄りすりすり
あんた…それ………
カメハメハ大王…なんですけど………
四宮は、心で呟いた
「写真を撮るぞ!」
の、一生の掛け声で康太のじぃちゃんの像の前で(違う…)記念撮影
デジカメにハンディカムで撮影する
一生に一度だから、画像と映像で残す
「しっかしぃ似てんなぁ!
うちのじぃちゃんに…」
康太はスマホで撮影して、飛鳥井瑛太に送信した
「ハワイで、うちのじぃちゃん発見!」…と。
飛鳥井建設の副社長室に、笑いが鳴り響き
その後、飛鳥井の家族に見せたら大爆笑の渦に飲まれた
「さぁ、コナ・コーヒー飲みに行きましょう」
と、四宮が言う
康太の耳には、「粉コーヒー」と聞こえ
隼人に「お前ぇ、粉のコーヒーなんぞ飲みてぇか?」と問い掛けた
一条は、ふるふる首をふった
「オレ様は、粉のコーヒーは飲みたくないのだ」
四宮の額には怒りマークが…
「何でハワイに来て、粉のコーヒーを飲みましょう!なんて言いますか!」
四宮が怒った
一生も、粉のコーヒーって聞こえてて
「言わなくて良かったぜ」と胸を撫で下ろした
UCCハワイコーヒー直営所でコナ・コーヒーを飲む事にした
ハワイにしかないコーヒーなんですよ
と、四宮が満足げに微笑んで言った
あっちこっちを探索して、ホテルに帰り、ディナーを取る
この日、康太は一生を部屋に連れて帰った
部屋に入ると榊原が、ベットの背もたれに凭れ掛かっていた
康太は一生をベットに座らせると
窓辺に座り、一生の方を見た
反らせない視線
「一生…オレはお前に過酷な事を宣言するのにハワイの地を選んだ…
オレを憎んで良い
殴っても良い…
だからオレの話を聞いてくれ!」
康太の言葉に一生は驚愕した…
出来る筈などない
一生が康太に憎む事など…
出来はしない…なのに何故?
康太がいるから…今の自分があるのに?
康太の真意が計りかねていると、康太は重い口を開いた
「一生…戸浪海里の妹の亜沙美さんと、何も言わず別れてやってくれないか?」
一生は、康太の顔を驚愕の瞳で見た
何故…それを、康太に言われる?
何故…それを、康太が知ってる?
トナミ海運から派遣された経営アナリストと、緑川一生は……
越えてはならない一線を越えた
牧場の経営の立て直しに派遣された…経営アナリストは若く美しかった
牧場の息子は若く逞しく、背が高く顔も良い好青年だった
若い男女が必要以上の時間を共にする
すると…互いをもっと知りたくなり……
求め合うのは、止められない事なのかも知れない…
だが…彼女には家庭があった…
そして優秀な経営アナリストとしての、手腕をトナミ海運で奮っていた
トナミの懐刀の彼女を戸浪海里は、離す筈はないのだ
二人が幾ら愛し合っていても…破綻はする
彼女には家庭がある
仕事もあるのだから…
康太は、戸浪にこの話を一ヶ月前に聞いた
戸浪海里に呼び出されホテルで、彼女に逢った
「緑川一生は、私の懐刀を傷付けた
君には罪はないが、私は恩を仇なす輩は嫌いでね
排除するのは簡単だ
だが…それをすると、君の顔を潰す
だから私はこうして時間を作った」
だから、こっちの要望を飲め…と
「オレは何をしたら、良いんでしょうか?」
戸浪は、刹那い瞳で康太を見た
「恋愛は双方の問題だが、彼女には家庭があった」
康太は愕然とした…
家庭がある女性を…一生は…?
「彼女は私の妹だ
馬鹿な妹だ
家庭を壊してでも…子供を産むと言っている
そんな…覚悟を見せられたら…
産ませるしかない…
子供を産み落としたら、海外に立たせる
彼女がトナミの懐刀なのはこの先も変わらない
もう話は着いている
君にはそれを彼に伝えて下さい
もう逢わせないように……」
一生が身を引けば、それで終わらせてやる
だが違えるなら出る所に出る…と
ばかりの口調に、康太は現実を飲み込めなかった
だが、これは真実だ…
「子供は…貴方が…?」
女性は、俯いて康太を見なかった
「嫌…彼女には子供は育てさせない
それが、家庭を壊した代償だ
産まれたら里子に出す
今度は幸せな結婚をさせるつもりだ
子供は要らない」
「じゃあオレが、その子を貰おう
オレが育てる」
戸浪は康太を見た…
冗談半分で言っている様には見えない
「本気ですか?康太くん」
「あぁ本気だ!
その子はオレがもらって実子として育てる」
「君の子として?」
「そう!どの道一生の最初の子供はもらうつもりだった
少し早まっただけだ
飛鳥井康太の子供として育てる
良いかな?若旦那」
戸浪は真摯な瞳で見る…飛鳥井康太に託そうと思った
知らない人間に渡す位なら……
彼に渡して飛鳥井の子供として育ててもらいたい
その為の支援なら、惜しみなくしよう…
飛鳥井康太と……子供の果てを見守る人間になろう…戸浪は決意した
「君には渡そう
2月になったら産まれる
そしたら君に託そう」
……戸浪は、了承してくれた
その話し合いが一ヶ月前にそれた
だが康太は中々…一生に伝えれなかった
だから今度は、修学旅行で話そうと決めた
哀しみは…見知らぬ土地に置いていけば良い…
そして今、話をしたのだ…
「嫌だ…喩えお前の言うことでも……
こればかりは…聞けねぇ」
一生の肩が震えていた
「経営アナリストは、もう来ない
お前は戸浪の信頼も裏切った
だがお前には手を出させない
だから引け
もう彼女はお前の前に現れない…
引かなかったら戸浪はどんな事をしてでもお前を潰す
戸浪なら簡単な事だ…お前は引くしかないんだ」
過酷な事実を告げねばならない…
康太の胸もギリギリ痛んだ
「何故だ?
何故…あの女性しか要らないのに…」
一生が康太を睨んだ…
その瞳には涙を流しながら…
「出逢うのが遅かったんだよ…
あの女性は…違う伴侶を選んでいる
お前のしているのは…不倫だ…」
若く美しい女性には家庭があった…
遅すぎたのか…
出逢ってはいけなかったのか…
「あの女性はお前の子を宿している…
お前は父になるつもりだったのか…?
牧場を捨てて?
彼女はアナリストを捨てて?
行くつもりだったのか?
一生は…オレ等を捨てて………
オレ等のいない場所で生きて行くつもりだったのか?」
一生の苦悩を、言葉にする
一生にとって…康太や四悪童の皆は大切な友人だ
捨ててなど行ける筈がない…
捨てられないのだ…この場所を…
それでも…魂を悪魔に売り渡しても良いから………
行きたかった
あの女性と、共に生きたかった…
「総てを捨てて行ける筈などない…
だけど…あの女性といたかった…
俺の子を産んで欲しかった…」
「あの女性は家庭を1つ壊した
一生、お前があの女性の家庭を壊したんだあの女性は家庭を壊してお腹の子供を産む選択をした」
なら別れる必用なと…一生の唇がそう語る
家庭を壊して…一人で子供を産むの…?
何故自分の側には戻って来ない…?
「一生、その子供はオレがもらう
お前には生涯…父親を、名乗らせない
それがお前の贖罪だ
あの女性は、子供を産むまで働く
その後、海外に渡りトナミ海運の海外戦略の経営アナリストになる
もう逢うことなない
それがあの女性が下したケジメだ!」
康太の言葉を一生は、静かに聞いていた
まるで死刑宣告された囚人の様に…
「俺はどうしたら、あの女性に償える?」
一生は、泣き崩れた
それでも康太は一生の側へは来ない
多分…一生の最初の本気の愛だったのだ…
一生は康太の為なら四宮同様、誰とでも寝る
その一生が…駆け引きも無しに求めた愛を、康太も守ってやりたかった
だが…相手が…悪すぎる
「一生、次に愛する人を手に入れたら…絶対に離すな…」
一生は、何も言わない
「オレを恨め…一生
オレはお前に引導を……渡した
オレを恨んで生きていけ
お前の子供なのに、お前を父とは呼ばさせないオレを恨め…」
一生はベットから飛び出し、康太の胸ぐらを掴んだ
「俺がお前を恨める訳ないじゃねぇか!
お前がそれを引き受けなかったら……
俺はお前が救ってくれた牧場もなくすんだろ?
潰されるんだろ…?
俺は潰されるしかねぇ…
何の力も持ってねぇ無力な男でしかないからな……」
一生は康太に縋り着いて、泣いた…
「力を持て一生
潰されねぇ位の力を持て…
オレはお前の為に何もしてやれねぇ…
すまない…一生」
「忘れる…あの女性の事は忘れる…
戸浪さんの支援を裏切る事になって申し訳なかったと…伝えてくれ…」
連絡のつかない日々に一生の苦悩を垣間見る
連絡のつかない女性を、どんな気持ちで待った…
毎日…毎日…携帯を淋しそうに見ていた一生を知っていた
誰からの連絡を待っているか知っていた
淋しそうに携帯を見た後、一生はおどけて騒ぎだす
まるで忘れるかのように…
「一生…忘れよう
お前の哀しみは、このハワイに落としていこう」
「康太…次に愛した奴は、絶対に離さない…
だから、俺を見ててくれ…」
康太に抱き着き、一生は涙した
「見ててやんよ
だから、お前も自分の子供から……目を反らすな」
「あぁ…反らさない…」
康太は一生に口付けをした
「お前を地獄に突き落とした…お詫びに、癒してやるから…こっちに来い」
一生の手を引き、ベットに上がる
「一生…抱いてやんよ
………お前を
だから…忘れろ」
意味を解りかねた一生が、問う…
「何をするつもりですか?」…と
「忘れるには誰かと寝るのが一番って昔言ってたやん
だから、死刑宣告したオレが責任を持って抱いてやんよ
伊織の承諾も取ってあるから、浮気じゃねぇよ」
ベットに凭れて座ってた榊原が、一生を羽交い締めにした
康太が一生の服を脱がし始めた
「本気か…康太…」
「本気!これでお前が吹っ切れてくれるんなら…やってやるよ!」
釦を外し服を脱がす…
そんな康太に、一生は焦った
「旦那……おめぇは……良いのかよ!」
「………良いです
それで君が死なないでいてくれるなら…
僕は構わない
康太の言葉を聞いた後で一人にしたら……
君は死ぬでしょう?
死ぬ気でしょう?
君をこの世に引き留める為に…
康太は必死だ
その為なら僕も協力する」
康太の唇が一生に重なり、舌が忍び込む
手慣れた接吻に……翻弄される舌に……
脳髄まで痺れさせられる……
キス…上手すぎですよぉ…康太さん…
羽交い締めにしてる榊原の指が、下半身に忍び込んだ
腰を浮かしてズボンを下着ごと引き抜くと、ベットに押し倒した
康太の舌が、愛撫を散らす
躊躇う事なく、一生の性器を咥え弄ぶ
榊原の指が、康太の襞を掻き回した
康太が一生に愛撫を施す最中、榊原は康太の体に愛撫を施し散らす
康太の唾液で濡れた指が、一生の秘肛に挿し込まれる
襞を撫でる様に動かす…口には一生を咥え…淫靡だ
視界で犯され、指で犯される
準備が整うと、康太は一生を起こした
「オレの中に来い…一生
そして、後ろから伊織が入れる
忘れろ一生…オレがお前の想いを引き受けるから………
オレの中に吐き出せ
オレもお前の為に身を呈して引き受ける」
寝そべる康太の中へ入れる…
その後ろから榊原に犯された
2人の愛に挟まれて…一生は泣きながら康太を抱いた
果てても…何度も…康太の中へ出した…
康太はそれを少しも取り残す事なく引き受けた
気を失った康太を、榊原は風呂に入れ綺麗にした
シーツを替えると、そこに寝かせた
その後に榊原と、一生は風呂に入り
出た後窓枠に座り、水を飲んだ
「良く…許したな…こんな事を…」
一生は少し恨み言を言う
「戸浪から連絡が来て事情を知った日から……康太は悩んでいた
君に死刑宣告を言い渡す様なもんだから…
何時告げようかって悩んでいた
だから…仕方がなかった
吹っ切れましたか?」
「康太が引き受けてくれたから…
胸に閉まった
もう大丈夫だ……生きていける…」
「次はないですからね…
もう君には貸しません」
榊原は笑った
「もう借りなくても大丈夫だ!
我等四悪童は飛鳥井康太と共に在る!
今までも、これからも‥‥それは変わる事はねぇ!だからそれで良い‥‥」
「君…死ぬ気だったでしょう?」
一生は驚いて榊原を見た
そして観念して瞳を瞑った
「あぁ…この部屋を出たら…飛び降りようと…思ってた…」
「康太はそれが解っていた……
だから君に身を任せた
僕はそれを許した
君達の絆は壊せないから…
生きなさい…緑川
康太の為に…生きて下さい…」
一生は涙を流し…頷いた
胸の痛みなんか……
康太の想いに比べたら………
榊原が幾ら許したと言っても、親友に身を任せるのは抵抗があるに決まってる
恋人の目の前で………
恋人以外の男と繋がるのに………
抵抗がない筈ない
それでも身を投げ出してくれた
一生が死なない為に…
「旦那…すまなかった…本当にすまなかった」
「寝ましょう……君の傷を癒す為に…」
「あぁ…目が醒めたら、俺は総てを忘れる
このハワイの地に総てを捨てて行く…
それが康太の望みだから…」
「彼女は…戸浪海里の妹なんです
戸浪は本当に懐刀を出して下さったんです…
彼女は…家庭を崩壊しても…
子供を産む選択をした…
愛してたんですよ君を……
それだけは…忘れないで下さい」
「ありがとう…旦那…
康太の伴侶がお前の様な男で良かった…」
愛した女の想いは…心の奥に閉まっておこう…
君が投げ出してくれた
想いと共に
閉まっておこう…
友の存在を嬉しく思う
自分はこんなにも…
想われてる
康太と共に生きよう
康太の馬を育てた父の様に…
康太の夢を手助け出来るように…
生きて行こう…
その夜、一生は康太を抱き締めて眠った…
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