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第35話 修学旅行INHawaii 始まりの緋

修学旅行 4日目 朝起きてロビーに降りると、康太はもう来ていて元気だった 「隼人、眠れたか?」 声をかけると一条は、康太の側に駆け寄って来た 「昨日は一生が添い寝してくれたのだ でも一生は、抱き着くと蹴り落としたのだ アイツはオレ様を蹴り落としたのだ……」 一条は、かなりご立腹 「一生…」 康太が避難がましい目を向けると、慌てて 「隼人は熱いんだから仕方ねぇじゃん」 と一生は言った その言葉で康太は首を傾げた ん…??熱い…?? 「一生…熱いって…隼人熱出してんじゃねぇのか…?」 康太は慌てて一条の額に手を当てると……かなり熱かった 「発熱してるやん…」 一生は気付かなかった…と、頭を抱えた 榊原はフロントに行き、医者の手配を頼みに行った そして一条を、自分達の部屋のベットに寝かせる事にした 暫くすると医者がやって来て、一条の診察をしてくれた 榊原と、なんやら話をして医者は帰って行った 医者が帰ると、康太は榊原に飛び付いた 「伊織…隼人は…?」 ドキドキ… 「疲労…らしいです…」 すると意外な言葉が… えっ… 聞き間違えじゃねぇよな… 一条 × 過労=無縁 なんじゃねぇのかよ… 「疲労…何か疲れる事したっけ…」 康太は冷たい目をして一生を見た 一生は、ふるふる首をふる 俺は何もしてねぇし…無実だぁぁぁ 「隼人は神経質だから…知らない人間との同室が堪えたんでしょうね…」 榊原は助け船をだした 「仕方ねぇ…今日は部屋で過ごすしかねぇな丁度良い…全員で過ごそうぜ」 康太はニャッと笑った そして榊原を呼ぶと、チョイチョイとしゃがめと合図する 榊原が康太のサイズまでしゃがむと…耳でコソコソ…ヒソヒソ…ボソボソ… そして顎で…やれと指示 榊原は一生の耳に…コソコソ…ヒソヒソ…ボソボソ… そして顎で…やれと指示 一生は、自分を指差した 康太と榊原は頷いた トホホ…な気分で、一生は幸村の横に座った 「幸村の髪って…綺麗だね」 一生は幸村の髪を掬い……接吻を落とした 幸村の顎を上げて、優しく口説く 「幸村…好きだ」 真摯な瞳で幸村を見て口説く一生の台詞に… 四宮が驚愕の顔になった 「緑川…ボクは君の事など…んっ…」 幸村は抵抗しょうとしたが… 一生は、強引に幸村に接吻… 舌を差し入れて…幸村の動きを封じる 四宮は…一生と、幸村の姿を見ていられなくなり… 思わず…幸村の上の一生の首根っこを掴むと、幸村から引き離した そして一生の上に跨がって、一生を思いっきり殴った 許せなかった 許したくなかった… 止めてくれ…と言う思いで一生を殴った もう一回殴ろうとした所を、康太が腕を掴んだ 「康太…」 榊原が一生を救出して、頬を冷やしてやった 丁度良い氷嚢がなかったから… 一条の氷嚢をす抜いて、一生を冷やした 「お前…隼人が部屋に行った時に喧嘩してたんだって? 旅行中もギスギスして… だからオレが一生に頼んだんだよ どんな事しても良いから幸村を口説け…ってお前の反応を見たかった」 康太は座れ…と言った 座らない四宮を座らせ、横には幸村を座らせた 「聡一郎…お前、本気の恋をしろよ もう聖との事は気持ちにケリ着けたんだろ? なのに何故…ギスギスしてんだよ」 四宮はくしゅん…と身を縮めた 「康太…お前さぁ自分の顔より綺麗な奴にキスされたいですか?」 四宮は康太に迫りながら質問をした 思わず康太は逃げ腰になる 康太を後ろに下げ、一生は四宮の肩を掴んだ 「別に俺は気にならない 好きなら気にしない 聡一郎…お前はそいつが好きなんだろ…だったら離すなよ!」 一生が…胸が痛むように吐き出した 一生の言葉に誰もが言葉を失った 「愛していても…結ばれない愛だってある…求めたって……… 手に入らない愛だって…あるんだ! お前は違うだろ? だったら手を伸ばせよ 掴めよ…その手を…!」 榊原は、一生の頭を引き寄せ 「もう良いから…」と、止めた 「聡一郎、好きなら…その手を取れ 取らないなら…幸村には帰ってもらう お前が決めろ」 「えっ…」 四宮が、戸惑った 「そろそろ、ケリ着けろや聡一郎」 康太は幸村の胸ぐら掴むと 「お前は本気で聡一郎が欲しいか!答えろ!」 と、問う 幸村は、康太の瞳を真摯に見て 「本気で死ぬ気で、ボクは聡一郎が欲しい!」 …と、答えた 「じゃあさ幸村 君、部屋に持って行きなさい 聡一郎が抵抗したら…」 うんうん!と、幸村は真剣に聞く 「その時は…」 うんうん! ジャラ…と、言う鉄の塊を掴むと それを幸村に握らせた 「この手錠で、ベットに縛り付け」 幸村は手の中の手錠を見る 「犯しなさい」 幸村の瞳がキラーンと光った 「良いのか?」 「お前も男だ!ビシッと決めて犯るもんよー」 目の前でドナドナされるのを、唖然と見ていた 「ボクは死ぬ気で頑張ります!」 ズリズリ…と四宮を引っ張って幸村は部屋を後にした バタン…と扉が閉めると、康太は笑いまくった 「ったく…人に変な役割させんなよ」 一生がボヤいた 「だって…伊織にやらせたくなかったんだもん 役でも伊織が誰かを口説くのは見たくないもんよー」 はい、はい……そうですか…。 一生はがっくし肩を落とした 「しかし…あの手錠はどうしたんだよ?」 一生が疑問を口にする 「アレか?アレは…伊織でも繋いでやろうか…って言うのは、嘘だが… 土産屋で見付けたから、聡一郎の本心を聞いたら幸村にやるつもりで買った」 あ~ぁ 四宮は拘束されて、好き放題されちゃうのね… 可哀想に… 一生は一応、拝んでおいた この夜…四宮は夕飯にも現れなかった 修学旅行 5日目 残り2日、適当に過ごそうぜ…的な感じです過ごす この日は一条も元気になり、四宮も出て来ていた 康太は四宮を見るなり、ニャッと笑った 「聡一郎、愛されまくったか?」 四宮は恨みがましい瞳を、康太に向けた 「聡一郎…一生は愛する人と引き離された…」 四宮は康太を凝視した 「オレが引き裂いた 死のうとする程…愛していたのに… それをオレは引き裂き、死刑宣告したも同様に…諦めさせた…」 四宮は昨夜の一生の、魂が締め付けられる様な言葉を思い出した 「康太…一生は…大丈夫なんですか…?」 「解らない…でもアイツは死ぬ気だった… オレの部屋を出たら…アイツは死ぬ気でいた… 愛してたんだよ…悪魔に魂を売っても良い…程に…… オレ等を捨てて…行きたい程に…」 康太は離れた所で一条の世話をする一生を見詰め…四宮に話した 四悪童である、四宮と、一条には話すと決めていた 共に生きていく上でフェアじゃない…から 四宮は涙を流し康太を見た 「一生が、誰かを待ってたのは知ってました そして…来ないのを確認すると、おどけて演じてた…一生を… でも僕は聞けなかった 康太…話してくれますね 僕も四悪童として、話を聞かなければ…いけないと、想ってます…」 康太は目を伏せ…あぁ…だから話してる…と言った 「一生の牧場に、お前もいたんだよな?」 「はい!いました」 「その時、トナミから経営アナリストが来てたろ?」 四宮は、美しい女性を思い描いた 「はい!来てました……」 「一生は…その女性を愛したんだよ」 四宮は言葉を失った… だって…あの女性の薬指には指輪が… 「一生は、彼女を愛した 彼女も一生を愛した だが彼女には家庭があった」 康太は辛そうに言い、拳を強く握った 「戸浪は激怒した 1つの家庭を一生は壊したんだから…当たり前だ だが戸浪はオレの顔を立てて、一生や牧場に何かする事はなくオレに‥‥妹と別れる事を納得させて下さい、そうすれば牧場への融資は変わりなく続けましょう、と条件を出した 本当なれば‥‥妹の家庭を壊した怒りでどんな手を使ってでも報復したいであろう‥‥に、だ 一生が引けば手は出さないと、条件を出された オレはその条件を飲むしかなかった 今のオレには‥‥戸浪を敵に回して立ち回る力はねぇかんな‥‥ だから一生に彼女と別れろ…と死刑宣告した それしか…今のアイツを守れる術はなかったから…」 四宮は康太の口から紡ぎ出される…… 一生の辛い現実を…震えながら聞いた 一生の気持ちを思えば…言葉なんか見付からない 「オレは…アイツを死なせない為に…アイツと寝たよ それしか…アイツをこの世に留めておける方法は見付からなかった…」 康太… 康太の榊原への愛は…人生の果てをかけていて 愛する人がいるのに… 愛する友の為に… その身を投げ出したと… 言うのか… なんと言う現実 なんと言う思い 康太の受けるダメージは相当だ 「お前は…知るべきだろ? お前は…一生の悲しみを知るべきだ」 一生の悲しみと… 康太の想い 「死刑宣告した、オレがアイツを部屋から出さない様にするには…それしか方法がなかった オレはアイツの全てを体で受け止めるつもりでいた…」 「伊織は…知ってるんですか?」 「あぁ…伊織もその場にいた」 なんと言う… 恋人の目の前で…康太は一生に抱かれたと言うのか… 「アイツの子供はオレがもらう オレの子供として育てる だけど…一生には父親だと名乗らせねぇ… それが、オレが下した、一生への贖罪だ 彼女は家庭を壊して子供を産む…オレはその子供をもらう」 一生の苦しみと…… 康太の想いが…… 交差して…… 先に繋がるには…… その方法しか…… なかったのだとしても…… あまりにも辛い…… 現実…… 「だから、お前は…覚えておいてやれ 今のアイツの姿を……」 目を反らすな…と康太は言っているのだ 目を反らしたら…見えないものが出てしまうと… 「覚えておきます でも康太…その前に貴方を抱き締めさせて…」 四宮は康太に腕を伸ばし、抱き締めた この体は…辛い現実から逃げる事なく戦う 風を切って歩く…貴方が一番傷付くのは…知っていたのに… 「康太は…もっと楽な選択をしても良いのに…」 康太は、四宮の背中を撫でながら 「目を反らしたら…消えるなら…… 我が身を投げ出すしかねぇじゃねぇか…」 ……それがオレだ…と呟いた 解っている そんなの痛い位に解っている 飛鳥井康太は、自分に逃げ道を作らない…から 康太と共に生きようと思った時から、康太は何時も真っ直ぐだ 言い訳も、逃げ道も、用意しない……… 真剣に全てに向き直り…挑んでいく その道を通ると……… 無傷では終われないと解っていても… 康太は真っ直ぐに行く 共にあろう…… 康太とこれからも…共にあろう 康太の果てを…見れる場所にいる 辛くても目は反らさないで 君を…見ていこう 一生と一条は、四宮と康太を見ていた 「何かあっただろ?一生…」 一条が、中々鋭い突っ込みをしてくる 「あったよ…… でもそれは……康太から聞け……」 一生は、それ以上何も言わなかった 「一生…」 一条は一生に抱き着いた 誰よりも臭覚は効く一条は何かを嗅ぎ分けたのかも知れない… 「一生…お前の肩の荷は、オレ様も引き受けるのだ……」 友の存在の有り難さ…… 「隼人は康太の為なら…じゃねぇのかよ」 一生が茶化した 「オレ様はお前らが大好きだ お前らと居られる時間が少なくなったから…… そう考えるとオレ様は怖かった…… 時間が止まれば良いのにって思った…… そう思っていたのだ……」 一条の刹那い胸のうちを、思わず聞く 「ずっといられる時間は限られてる… それが怖かった… でも康太はずっといてやる…って、言ってくれたのだ」 「俺もいてやるよ 隼人の側に望めば何時だっている 俺等はこの先も…そうして生きて行くんだよ隼人」 一条の腕が一生を掻き抱く 康太から離れた四宮は、もう何時もの四宮だった 暑苦しく抱き着く一条の、首根っこを持ち上げると「ご飯要らないんですか?」と、囁いた 耳にご飯の言葉に、一条は要る!と飛び付いた 「さてと、飯食いに行くもんよー」 康太が歩き出すと、3人も動く 見守る榊原は笑顔だった 幸村は微笑み 楡崎は、疲れていた…… とにかく早く終わってくれ! 修学旅行は当日合わせて後2日 楡崎は、生きて日本の地を踏めるか…不安だった 修学旅行 6日目 6泊7日の修学旅行も今晩で最後の日 明日の昼にはハワイを立ち、7時間後には日本に到着する この日は夕方まで部屋で寝て、夜は浜辺で寝そべりながら夜空を見る予定だった 康太は榊原の膝の上にいた 明るい日差しを浴び…窓から風が入っていて 爽やかな午前の気怠さを含んでいた 康太の舌が榊原を誘う 深くなる接吻は、光に照らされ淫靡だ 「愛してる…伊織」 吐き出す言葉は魂を絞り出す如く刹那い 「僕も愛しています!康太」 抱き締めた体は……伊織だけのものだと康太は言った 「少し寝ましょうか? 怠惰に寝尽くし、夜空を見ましょう」 康太は首をふった 「オレは隼人に逢ってくる」 榊原は、静かに康太を離した 「伊織、日本に着いたら…… オレは瑛兄と共に帰る その足でトナミに行く お前は…清四郎さんに電話しといたから一緒に帰れ…」 「康太は一人で行くの?」 「瑛兄と逝く トナミは飛鳥井の母体を揺るがす存在だ 捨てておけねぇ…… オレの所為で飛鳥井を危険に晒せねぇ」 「終わったら…呼んで 迎えに行くから… 何時でも…地獄の果てでも、僕は君を迎えに行くから……」 康太の瞳が涙で揺れる 「オレを泣かせて…」 榊原は、康太の頬に優しく手を添えた 「康太を泣かせるのは…僕だけでしょう?」 康太はどんなに辛くても泣かない 自分の唇を噛み切ってでも堪えるから… 康太が泣くのは、飛鳥井瑛太と、榊原伊織の前でだけ 「君は前を進みなさい 僕も皆も、何時でも君の後ろにいますから‥」 飛鳥井瑛太と同じ言葉を投げ掛けられる 「伊織…オレは、進む オレの果てには伊織が居るから…オレは立ち止まらねぇ」 康太の瞳に映る果てに、自分がいるなら…康太と共に生きていける 康太は一人で部屋を出た そして…一条の部屋をノックした 部屋を開けたのは、一条だった 一生が、一条を出させたのだ 「来い!」 康太は一条の腕を掴んで歩き出した ホテル内にあるプールサイド横のテラスに座ると、片手を挙げてオーダーを頼んだ 青いプルメリアの浮かんだジュースが、テーブルに置かれると、康太は口を開いた 康太は淡々と語った 一生の事… そして…一生と寝た事を… そして…子供の事を… 「オレが一人で背負うには荷が重い お前も背負え…オレと共に…生きて行け…」 康太の言葉は辛すぎた 知らないうちに…一条は泣いていた 「バカ…泣く奴があるか…」 康太の優しい手が一条の頭を撫でた 「オレ様は忘れないのだ 康太の辛さも…一生の悲しみも…背負う 4人で背負えば…康太の苦しみも、一生の絶望も4等分なのだ…」 一条は笑った…涙で濡れた顔で… 「4等分か…隼人は大人になったな…」 「康太が、育てた オレ様は康太に育てられた 何も詰まってない…オレ様に、康太は中身を詰めてくれた 今のオレ様を造ったのは…康太だ」 「もっと詰めてやんよ オレ等は、まだまだ終わらねぇ… 来年の夏も…再来年の夏も… 10年後の夏も…死ぬまで一緒だ」 「オレ様は、康太と共に生きる オレ様を拾ったんだから…責任を取れ…康太」 「取ってやんよ オレは最初から出来ねぇ事はやらねぇ 知ってんだろ隼人?」 一条は、微笑んだ その笑みは、幸せそうで…一人で見るには惜しかった 「隼人今日は沢山、写真を取ってやんよ」 カメラを向けて康太が、言う 一条は、ベーっと舌を出した 子供みたいな顔をした顔… 康太はパシャッと写した 「あーっ、てめぇオレ様の変顔を撮りやがったな」 「お前の顔なら総て撮ってやんよ 今の顔を残してやりてぇかんな!」 一条は、笑った 絶対の信頼の笑顔を向けて… 康太は、カメラを向け続けた 「泳いで来い!」 泳ぐ一条を撮る 犬みたいに、ぶるぶるする姿をムービーで撮る 着替えて、市内探索に出る一条の出で立ちは、白いポロシャツに白いチノパンツと軽装だった サングラスをして、ちょい悪顔 犬を撫でて…かじられ怒る 大人げない姿も総て撮った 夕陽が沈む 紅く染まる一条の横顔は 大人でなく… 子供でもない その綺麗な横顔をカメラに収めた 撮られて、振り向き笑顔になる 人懐っこい、その笑顔を… 康太は瞳にも、カメラにも収めた ホテルに帰って来た康太は、すやすやと眠る榊原に接吻… だが…起きる気配はない 寝ている榊原を、康太は服を脱がせ襲った 寝てるのを良いことに口腔を犯し…… 服を脱がし…聳え立つ性器に愛撫を施した 「康太…目が醒めたら…凄いことになってて……驚きました…」 榊原がそう言うと、康太は榊原の目の前で、焦らすようにゆっくり、服を脱いた 「キスしても起きない伊織が悪い」 「僕を一人にして出て行ったのは康太なのに…?」 「だから…今、埋め合わせをする」 服を脱いだ康太は、榊原の性器の上に秘肛をあてて……受け入れる様に腰を落とした 「ぁ…康太…」 寝惚けた頭に、快感が突き抜ける 体が着いていけない 「伊織…」 誘う様に呼ばれる名前… 榊原は、康太の腰に腕をかけると激しく揺さぶった 「伊織…オレのだ…」 康太の腕が榊原を抱く 「康太のですよ……全部君のです…」 康太の中に…熱い白濁を吐き出す 熱は冷めず、再び互いを求めた… 熱い体をシャワーで冷やし、汚れを流した 「待ちくだびれました… 知らないうちに寝てしまいました」 「ごめん…伊織…」 良いですよ…と、榊原は康太の体を洗った 「修学旅行…無事終わったな 今夜が最後だ……」 「悲しみも…苦しみも…この地に捨てて行けば良い 僕はそれを見届けました」 「伊織がいなかったら…オレは壊れてた」 「君を総てのモノから守ってあげます」 康太は逞しい体に腕を回した 「逆上せてしまいますよ?」 康太を促し、バスルームから出る 服を着て、ロビーに出ると… 黒のスーツに身を包み、黒いサングラスをした………緑川一生と一条隼人がいた 「お前ら…ギャングみてぇ…」 すると、一条は写真写真!と撮ってくれとせがんだ 康太はカメラ、四宮はハンディカムで二人を撮影 一頻り撮影すると、部屋に帰って着替えて来た 「今のはなんだったんだよ…?」 康太は呟いた 四宮と幸村は……プルプルと首をふった 榊原はやはり最後まで気が抜けない…… だから疲れが出たんだろうな…と心の中で思った 楡崎は…やっと明日には帰れる… それしかなかった 夕食を済ませ、全員でビーチの砂浜に寝っ転がる 降って来そうな満点の星空… 掴めそうな…星が瞬いていた 空に近いな… 「卒業前に皆で…天国に一番近い島に行きたいな」 康太が、ボソッと呟く 「ニューカレドニアですか…良いですね!」 榊原は嬉しそうに答えた 「行こうぜ!想いっきり楽しもうぜ!」 一生が、賛同し 「オレ様はも絶対に行くのだ」 一条は言い切った 「次は個人で楽しむんですね 良いですね!」 四宮も想いを馳せる ワイワイ語り尽くして 空が白むと、起き上がった 水平線の彼方から、強烈な光を纏い陽が昇る 飛鳥井建設で見た朝陽より、明るく大きい 榊原はあの日、康太が聖に投げ掛けた言葉を口にした 榊原は、朝陽に指を指した 「康太、一生、君達は今日、この時間に生まれ変わりました 君達の生まれ変わった日の、この朝陽の紅さを忘れないで下さい……」 康太は朝陽を目に焼き付けた 一生も…今日のこの朝陽を忘れないように…心に刻んだ

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