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第39話 桜林祭 prologue

修学旅行から帰ると期末テストが待っていて 期末が終わると選抜水泳大会 それが終わると、高校生活最後の夏休みに突入する 期末テストも無事終わり、康太はかなり成績も上がっていた やはり教える人間良いと…上がるものなのかと納得していた テストも終わり、四悪童は空いた教室に集まっていた 悠太に置き土産をする為に、集まっていた 「康太は何が考えがあって、悠太に置き土産をしてやんよ!って台詞を吐いたんだろうな?」 一生が無計画男、飛鳥井康太を問い質した 「いや…なんとなく…」 一生は机に突っ伏した やっぱりかよぉ~ 「って言うのは嘘だ!安心しろ一生」 康太は何かを秘めた瞳で、仲間を見た 「兵藤貴史を引き摺り出す!」 康太の言葉に、3人の瞳が輝いた 「で、何をする?」 一生はワクワクしながら聞いてきた 「桜林祭の中、高、合同桜林祭」 四宮が康太の意図に気が付いた 「康太の最後の置き土産 僕は命を賭してでも、成功させます」 四宮が康太に意思を伝える 康太は四宮の言葉を笑って応えた 「何時やるんだよ!」 一条が、康太に問う 「今日これから オレは貴史の所へ行く!」 「俺等はお前と共にある 好きな所へ逝けば良い」 一生はニカッと笑って親指を立てた 飛鳥井康太は、3年A組のドアをガラッと開けると、兵藤貴史の席の前に行き、机を指先で叩いた コンコンと指でノックされ 肘を着いて寝ていた兵藤は、目を醒ました 目の前に康太がいて…兵藤は驚いていた 「顔を貸せ貴史」 康太が言うと兵藤は笑った 「俺の顔は高いぜ康太」 康太は、ハンと鼻で笑って、 「出世払いでどうだ?」 と、聞いた この先も、お前とは切れる縁じゃないだろう!…と、言わんばかりの台詞に、大爆笑した 「乗った!貸してやるよ顔を!」 兵藤貴史は、立ち上がり歩き始めた 清家は慌てて兵藤に声をかける 「兵藤会長、どちらへ!」 清家の言葉に、兵藤は 「知りたいなら着いて来い!」と言い捨てた 教室から出ると兵藤は、何処へ行く気だ? と、問い掛けた 康太は立ち止まる事なく兵藤に伝えた 「中等部の橋を渡る 9月の桜林祭は、中、高合同にしろ!」 突拍子もない言い分に、兵藤は本気か?と問い掛けた 「あぁ本気だ! 来年高等部に来る奴等に、オレは置き土産をしてやるつもりだ! オレ等、高等部の力を解らせてやる! だから、お前が必要なんだ」 「桜林祭に俺を引き摺り出す気か?」 「あぁ!最後くらい仕事しやがれ!」 そう言い康太は兵藤を前に歩かせ、止まると蹴りを入れた 「さっさと歩け!」 康太が怒ると 「嫌だ!お前の前を行くとろくな事がねぇ! ぜってぇに嫌だ!」 と、兵藤が喚いた 「そんな事はねぇ!だから歩け!」 康太は蹴り上げた すると兵藤は康太に噛みつく 「てめぇー忘れちゃいねぇだろうな! 小学校の時てめぇが柿を盗んだのに! 前を歩いていた俺が、近所のジジィに頭を叩かれたのを、よもや忘れちゃいねぇだろうな!」 だから、いー、やー、だー、と兵藤が駄々をゴネた 康太は仕方なく、先の約束をしてやる 「近所のよしみでお前が国会に出る時は、惜しみなく協力してやんよ! それで手を打て貴史!」 康太がそう言うと、兵藤はニャッと笑った 「ぜってぇだな康太!」 「あぁ、だから前を歩け! そしてオレを中等部の執行部に連れて行きやがれ!」 康太が怒鳴ると、兵藤は風を切って歩き出した 後を追った生徒会と執行部は、2人の漫才ばりのやり取りに爆笑していた 笑うことすら知らない人形… 兵藤貴史を人間にするのは、飛鳥井康太しかいない 彼等は…そうしてこれからも生きて行くのだ…ろうと。 中等部の橋を渡ると、直ぐに地響きがした 中等部 科学教師 佐野春彦が、康太目掛けて突進して来た 康太は兵藤を壁にした……! すると突進して来た佐野は、兵藤に抱き着き、すりすりした… 「ギョェェェェェ~」 兵藤の声が虚しく響く 「やっぱし……てめぇの前は歩くもんじゃねぇ!」 佐野を振り払い、兵藤は康太に文句を言った 康太は大爆笑で、腹を抱えて笑ってた 「康太、今日は何しに来たんだ!」 佐野が嬉しそうに聞いてくる 「中等部に、デカい置き土産をする為に来た」 そりゃぁまた楽しめるな!と、佐野は康太へ着いて逝くことにした 中等部執行部の中に入ると、生徒の気配はなかった 「弛んでるやん、中等部!」 兵藤が唸った まぁまぁ…と中央の席に座らせた その兵藤の後ろには生徒会役員が並んだ 壮絶な光景に、中等部は震え上がるだろうな 兵藤の横に康太が座った その後ろに、一生と四宮と一条が控えた 康太の横に榊原伊織が座る その後ろに執行部役員が並んだ 兵藤は、「ドアを開けたら…チビるな」 と大爆笑 康太は、「顔面蒼白程度だろ」 と、暢気に返した いやいや…チビりますって… と、心の中で全員が思ったのは言うまでもない 「さぁ、役者は揃った!」 兵藤の言葉に康太は、風はこっちに吹いてる!と、勝機を告げた 中等部生徒会、執行部役員はドアを開けて………驚いた 驚きすぎて、フリーズ 誰も動ける者はいなかった 「おら!早く入って席に着け!」 兵藤貴史の檄が飛ぶ その声に正気になり、席に着く 悠太は、康太が何故、奇跡の世代と謂われたメンバーと共にいるのか… 真意が解らなかった… 中等部生徒会と執行部は高等部の面々の前に座った 康太は悠太の横に、殴りかかろうとした生徒を見る 「葛西茂樹、こっち来い!」 康太が名指しで呼ぶ 葛西は、康太に名前を呼ばれて信じられない想いで一杯だった 「来い!」 中々来ない葛西を呼び付けた 葛西は慌てて康太の横に向かった 「耳を貸せ」と、言われて腰を落とした 康太が何やらボソボソ言うと、葛西は「御意」と頭を下げた 「さてと、兵藤貴史高等部生徒会長 始めて下さい!」 と、康太は兵藤に押しつけた 兵藤は、嫌だ!お前が!と、康太に押しつけた 「てめぇ!」 康太が唸るが、知らん顔 仕方なく康太は口を開いた 「中等部の諸君 今年の桜林祭は、中、高合同を持ち掛けに来た これは高等部からの挑戦状であり、高等部へ来年来るお前らへの、置き土産だ! 受け取りやがれ!」 挑発的に言いニカッと笑った 悠太は、これが康太の言う置き土産だと言うのか…と、納得した だが……メンバーが凄すぎる 「我等高等部生徒会と執行部は、異存なしだ! 飛鳥井康太に賛同する! どうだ?この挑戦状受け取るのか? 辞退するのか? ハッキリしやがれ中等部!」 兵藤貴史は、楽しそうに笑ってそう言った 笑って康太とタッチして、決めポーズしていた 「中等部は、その挑戦状を受け取ります!」 中等部生徒会長が、答えた 葛西茂樹が、生徒会長に何やらボソボソ言ってたと思ったら…これかよ 康太の言う事を葛西は飲み、会長を懐柔したのだ……この男は! 「葛西、康兄に何を謂われた?」 悠太は問い掛けたが、葛西は笑って言わなかった 「中等部執行部部長は不服の様だ 困ったな康太? てめぇの身内だ!何とかしろ」 兵藤が康太にポイ投げした 「オレの身内が反対なんてする訳ねぇ! これはオレが魅せる置き土産なんだぜ? 拒む筈はねぇ!」 康太は足を組み、不敵に笑った 「悠太、受け取れ!」 飛鳥井悠太は立ち上がり、康太に頭を下げた 「確かに、受け取りました!」……と 「お前らは来年高等部に来る だがオレ等はいねぇ だから、その目玉開きまくってオレ等を見やがれ!」 康太が言うと、兵藤は、話は着いたな…とほくそ笑んだ 「9月20日から3日間 桜林祭をやる! 1日目は、種目別の選抜で高等部と対戦するチームをトーナメント方式で撰べ! 2日目に中等部で対戦する 生徒は全員中等部の橋を渡る 3日目は去年好評だった女装大会を高等部でやる 高等部VS中等部だ 互いに手は抜かねぇ! それぞれの面子を賭けて対戦だ 後夜祭はそのまま高等部で一緒にやって解散の流れになる!それで良いか?」 中等部は「異議なし!」と全面的に了承した 兵藤は、満足げに康太を見た 康太の頬に手をやり「満足か?」と問い掛けた 康太はニカッと笑い、兵藤の胸を拳で軽く叩いた 「そりゃぁ良かった 康太、お前等は俺の後ろで総てを見届けろ! お前が言い出しっぺだからな!」 兵藤の言い草に、康太は「おぅ!」と、答えた 「さてと、高等部に帰るか!」 立ち上がろうとする康太に、悠太は声をかけた だが「高等部の食堂に来い!」と、言い捨てた 来るなら葛西を連れて来い と、片手を上げて、康太は中等部執行部の部屋を出て行った 高等部へ渡る橋の上で、兵藤は文句をたれる 「康太明日の昼飯奢れや 今日の労力に値しねぇ」 兵藤は、文句を言う 「仕方ねぇな じぁ11時に食堂に来いよ! 奢ってやんよ」 「副校長の緑茶も飲みてぇし、明日な」 「おぅ!今日は助かった」 「おめぇは何時も突然だ」 康太は笑った 笑って兵藤の肩を叩いた 兵藤は、康太の頭をくしゃくしゃと掻き回した 高等部の橋を渡ると、康太はじゃあな!と片手を上げて去って行った 兵藤は、康太の姿を瞳に綴じ込め役員に号令をかけた 「生徒会行くぞ! とんでもねぇ事を吹っ掛けられたからよ 失敗出来ねぇ!会議を開くぞ」 生徒会と執行部は、生徒会室へと歩を向けた 高等部生徒会長一団が去った後 悠太は葛西に文句を言った 「康兄になんて言われたんだよ?」 何時になく悠太は葛西に食らいついた 「生徒会長を、懐柔しろ…と そうしたら、悠太は無力だ…と やっぱ……あの人は凄いな」 葛西は、康太のファンだった… 「悠太、俺はあんなに間近であの人と話が出来るとは思わなかった… あの人の言うことなら、命を投げ出してでも遂行する」 悠太は、葛西…と名前を呼んだ 「悠太…あの人はお前に兵藤貴史のポジションを獲れと…言ってらっしやるんだ あのポジションに居るなら…お前は今日のようなごり押しはされない…と」 葛西は、瞳に闘志を秘めて悠太を見た 「お前を兵藤貴史のポジションに着ける お前を担ぎ出す御輿に、俺も乗る あの人の見果てぬ瞳に映るお前を見届ける」 葛西の宣言にも似た言葉に、悠太は溜め息をついた 「康兄には榊原伊織がいる それでもか?それでも、お前は康兄を想い続けるのか?」 悠太の言葉に葛西は笑った 「あの人の唯一無二になれるとは、思ってはいない 唯…追い掛けて行きたいだけだ……」 悠太は葛西の肩を叩き、食堂へ行くぞ…と誘った 高等部の食堂に行くと、康太は何時もの席に座っていた 「悠太、おばちゃんにお前らの分頼んどいたから取りに行けよ」 食堂に入って直ぐに、康太に言われ、2人は食堂のカウンターに向かった そして声をかけると、夕食の乗ったトレーを渡してくれた 悠太と葛西は康太の前に座った 「すげぇ大きな置き土産で、俺はチビる所だった」 悠太がボヤいた そんな悠太は無視して、康太は葛西に 「今日は言う事を聞いてくれて、助かったよ」 と微笑んだ 葛西は、頭を下げ 「何故俺の名前を御存知でした? そして何故俺だったんです?」 康太は葛西の顔を真摯に見た 「オレを殴ろうとした人間の名前は調べる」 康太は言い捨てた 「葛西茂樹 お前が悠太を執行部部長に引き摺り出し、行く行くは生徒会長の座に据えようと想っているだろ? だが悠太は生徒会長の器にはならねぇ 解ってて…何故悠太を御輿に乗せた?」 「悠太なら、出来ると思ったからです」 「何処までも行くか? 共に行く気はあるのか?」 問う康太の真摯な瞳を、葛西は反らす事なく見詰めた 「行ける場所まで、共に歩む所存です」 「ならばお前が貴史の椅子を狙え!」 「はい!その御輿に乗るので、今度の桜林祭は失敗出来ませぬ」 「ならば、二人で切磋琢磨して難局を乗り越えて……伝説を作れ!」 「はい。少し良いですか? 貴方の目には、悠太はどう映るっているのですか?」 葛西は逆に康太に問う 「悠太はオレが育て教えた子だ 支えられて、それに乗ってる馬鹿ではない 今は眠っているが、オレが起こしてやる 飛鳥井の血を呼び覚ます そうすると…お前の手には余るぞ そしたらどうする?捨てて逃げるか?」 「そしたら、俺は前に立ちます 悠太は俺の後ろを任せます 俺等は共に歩むと決めた決意は翻さない!」 「ならば、お前が前を行け そしてもう後ろは振り向くな 後ろは悠太が守る 振り向いたら隙が出来る そこに踏み込まれたら、お前は負ける 命を預けろ 前を進み続けるなら、後ろのコイツにお前の命を託せ!」 葛西は、康太の意図を理解した 「策に嵌まると足を掬われる 適材適所、配置をを間違えるば…総てはそこで終わるしかねぇ! 絶対の信頼と、互いを信頼しなければ…目の前に壁が出来る 見極めろ葛西 お前の器は中等部の今の生徒会長より上だ!」 「俺は進まねばならないのですね?」 康太は「あぁ!それしか道はねぇ!」と言った この2人なら、凝固の生徒会と執行部を築ける 共に歩む、歩き方が問題だったのだ だから、回らず、暴動が起きる 康太はもう話はないとばかりに、沢庵をポリポリ食べ出して話す事はなかった 「なぁ…康兄…」 悠太が康太に 「高等部の生徒会長と、康兄って絶縁してるんじゃなかったの?」 と、とんでもない質問をして来た 「切れねぇ縁もあんだよ悠太」 康太の瞳が翳る 悠太は話題を変えた 「康兄、俺は康兄の置き土産目に焼き付けて奮い立つよ 飛鳥井の血を呼び覚ますよ 何となく俺の道は見えて来た 足元が見えなかった…だからイライラして康兄に八つ当たりした でも今日、康兄が俺の道を照らしてくれた 俺はもう間違えないよ そしてこの男と共に闘うよ この男は、康兄の目に叶ったんだろ?」 康太は頷いた 「なら安心だ 共に闘う友がいるなら、命を懸けれる 葛西、お前が俺の前を行け 俺はお前の後ろは守る!」 葛西は嗤った 仕方ないな…と肩を竦め、悠太に手を差し出した 悠太は、その手を握った 「お前らは、表裏一体 使い方を間違えると共倒れだ 共に行くんじゃない 己の道を共にするんだ そしたらお前らは、伝説を作れる…時代になれる」 康太の言葉に悠太は涙ぐんど 葛西は、康太に積年の想いを少しだけ叶えてもらうべく…言葉にした 「飛鳥井康太さん…貴方を…少しだけ抱き締めても…良いですか?」 康太は葛西を見詰めた 「それでお前が乗り越えて行けるなら……」 康太は席を立ち、葛西の前に立った 葛西は震える腕を伸ばし、康太を抱き締めた 葛西は康太の強く抱き締め………離した そして深々と頭を下げた その瞳には…一筋の涙が流れた 悠太は友の想いに、覚えておこうと、目に留めた 食事も終わり、悠太は帰る事にした 悠太は、最近の言動を康太に謝った 康太は笑って許して、悠太と葛西を見送った 一生は、康太の軌道修正を見届けて 「やっぱ葛西は康太一筋だったか……」 と、葛西の辛い胸のうちを察した 四宮は「また、次の世代の生徒会と執行部は、伝説を作りますね! あの2人なら…楽しみですね…」と想いを馳せた 一条は、「葛西は兵藤と、同じ器か…」 と、妙に納得していた そしてまた………榊原が清家を伴い、食堂へやって来た 康太の前に当然に座ると、榊原は仕方なく夕食を取りに行った 清家の珈琲と共に… 「今そこで飛鳥井悠太に逢いました 化けてましたね 貴方が動くのはアレの為か?」 清家は単刀直入、言い出した 「違う! アレだけの為だけに非ず! 今の中等部は、このままじゃ破綻する 悠太を見ていて思った ならば置き土産を置いて置くのも我等の努め! だから貴史を引き摺り出した 最後位、生徒会長の名を絶対のモノにしなければ…歴代の会長より劣る!」 清家は驚愕して康太を見た 「兵藤貴史は、オレの見届ける者! 見劣りしては、オレの名折れ! 有終の美を飾って不動になる 見届けろ清家 伝説は今年で完結する アレを歴代の随一の会長にしろ清家!」 清家は、この人の狙いはやはりそこか… と、納得した 兵藤貴史を人間にする唯一無二の存在は 兵藤貴史を伝説にすると言う 伝説は人が織り成す者! 飛鳥井康太は、兵藤貴史を人にして伝説を作らせるつもりなのだ 笑いもしない、コンピューターと威名をとる兵藤貴史を人にして 伝説を作る…と! ならば我等は、それに乗るしかない 歴代随一の生徒会長、兵藤貴史の名を刻む為に動くしかない 飛鳥井康太は、既に動ている 運命はもう回り始めているのだ…誰も…もう止められない だったら従うのみ 「清家静流、最後まで兵藤貴史を見届けましょう! この身を賭したとしても遂行致します」 清家は康太に宣言した 康太は何も言わなかった 「康太、部屋に帰りますか?」 榊原が言うと、康太はトレーを持ち立ち上がった そのトレーを榊原は、片付けに行き2人して食堂を後にした 残った清家は愚痴った 「緑川、お前の大将の所為でボク等は夏休み返上の勢いだ…」 そんな清家に一生も呟いた 「飛鳥井康太の動きを止められるのは、この世で2人 俺等はアレと共に行く 飛鳥井康太が動き出したら、時代も動く 運命には逆らえねぇ!」 一生の言葉に清家は笑った 「止めれる人間の一人は榊原伊織 後の一人は?」 「飛鳥井瑛太!康太の兄だ」 清家は目を見張った 「伝説のフィクサー、飛鳥井瑛太 ………そうか……彼は兄でしたね」 と、今更ながらの事実に納得していた 「緑川、どちらも飛鳥井康太を止める気は0だろ? ならば逝かねばなりません!」 清家は一生に手を差し出した 一生は、清家の手を取りその手に接吻した 「我等も共に行きましょう!」……と。 清家は嗤った 「お前も見届けるのか?」 一生は、違う!……と答えた 「我等は共に在る! 康太の運命の中に在る!」 清家はほほぅ…と、納得した 「緑川一生! お前は本当に先の見える男だ!」 清家は一頻り話して帰って行った

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