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第58話 修復①
白馬に着くと康太は飛鳥井のホテルで停まってくれ…と頼んだ
「伊織…この分だと…一生と聡一郎にも脅える…
二人にはこのホテルに残らせる
どっち道、じぃちゃんの別荘はこの上だ
歩いても来れる
少し言ってくるかんな」
榊原は、一条を抱き締めた
一条が体を離すと康太は車を降り…ホテルに入って行った
宿泊しているホテルの部屋へ戻ると
一生と聡一郎は応接室のソファーに座っていた
康太の姿を見ると一生は、掴みかからんばかりに飛び付いた
「康太!隼人は!」
「一生…隼人は全身打撲と怪我をおってる
怪我より…
心の傷が大きい…此処へは連れて来ねぇ…
裏に別荘があるから、そっちに連れてく
一生と聡一郎は、後で伊織が迎えに来るから待っててくれ……」
心の傷…
一生と聡一郎は……言葉をなくした
「震えて毛布に潜り込んでた隼人は…
最初…口も聞けなかった…
だから…少し堪えてくれ…
様子を見ながら…逢ってやってくれ…」
康太の言葉に…一生と四宮は、怒りが込み上げてきた
「一生、聡一郎…これがターゲットだ
情報を集め戦略と策を練ってくれ!
何故…今回の暴行が起きたのかも…調べてくれ」
康太は小鳥遊から渡された書類を二人に渡した
一生と四宮の瞳に怒りの炎がともる
「今回は伊織も含めてくれ…
入れねぇと無理矢理くるかんな…」
「旦那も怒るわな…
お前の宝を傷付けた…
全員でキッチリとカタを取れるように…考えるさ」
「じゃあ、後で伊織を迎えに行かす」
康太は部屋を出て行った
車に戻ると…隼人は康太に抱き着いて来た
「どうした…?」
榊原に聞くと…人が横を通ったから……怯えた…と。
ホテルの奥の山道を登って直ぐの場所に
飛鳥井源右衛門の別荘があった
この家は…体が弱かった源右衛門の為に、建てられた家だった…
今は別荘として残してあった
白い洒落た洋館の横に駐車場があり、車を停めると康太は一条に
「此処はホテルと違って人の出入りがない
もう怖い事はないから…行くぞ」と、告げた
康太が一条に手を貸し、車から降ろす
玄関の前に行くと、康太はドアの鍵を差し込み
玄関を開けドアを開いた
ホテルの従業員が定期的に掃除に入っているから、部屋の中は荒れてなく、普通に使える状態だった
康太はこの別荘で一番見晴らしの良い部屋を選び、隼人を案内した
「神野さんと小鳥遊さんは、どうするんですか?
泊まるなら好きな部屋をどうぞ
その前に食い物を調達して来てください
ホテルに、行って四宮聡一郎を連れて行けば、人間コンピューターの威名を、持ってるアイツが、道案内します
伊織…プリン買って来てくれ
後オレに食いもんを
オレは朝から何も食ってねぇんだ!」
榊原は笑って…君の好きなのを買ってきます…と、言った
小鳥遊は「泊まって良いと仰るのなら…泊まらせて戴きます。社長はどうします?」と、神野に聞いた
社長は「泊まらせてもらうつもりで来た」と、答えた
「なら、伊織…食料を調達して来るもんよー
オレは腹が減ってんだ…昨日からマトモなもん食ってねぇかんな…」
康太は一条をベットに座らせると
「隼人の着替えは?」と小鳥遊に聞いた
小鳥遊は…何一つ持ってきてない事を告げた
康太は「なら一生も連れて行け」と告げた
榊原は、買い物に出ますから…と告げ、小鳥遊と神野を連れて外に出た
康太は一条のズボンを脱がすと、寝かせた
「怖いか?隼人?」
康太が聞くと一条は首をふった
「オレ様にとって…康太は特別な存在なのだ
康太は、怖くない…
康太が来てくれて、オレ様は救われたのだ」
康太は一条の唇にキスした
「壊れてしまったお前を…オレは再生してやる
壊れたパーツを拾って…オレはお前を作り直してやる」
一条の顔の傷をなぞる
「隼人、一度折れた骨はな、折れる前より強靭な強さを持つようになる
お前の壊れた心は…壊れる前より強靭になる
お前は…オレの宝だ!輝いていろ」
康太は一条を、抱き締めたまま眠っていた
髪を撫でられる感触で…康太は目を醒ました
目の前には榊原がいた
康太は榊原に腕を伸ばし抱き着いた
「康太…寝惚けてる?」
「んっ…寝惚けてる…」と、榊原の口に接吻を落とした
康太の舌が…榊原の口内に滑り込むと…
舌が絡み合い…深い接吻になった…
唇を離すと、榊原は一生と四宮が来てます…と告げた
「伊織…」
榊原は、呼ばれ康太の顔を見る
「伊織…愛してる…。
お前だけを愛してる…」
と、康太が刹那げに榊原に告げた
榊原は康太を抱き寄せ…耳元で
「此処に隼人がいなければ…服を脱がしてます…
康太の愛の囁きは…胯間に直撃なんですよ…」
と、囁き…康太の手を榊原の下半身に導いた
そこは…熱を持ち…鎌首をもたげていた
「伊織…一生と聡一郎が来てんだよな?」
「そうです…だから…しません。
でも何日も…お預けは…嫌ですよ」
康太は頷いた
榊原は、立ち上がり深呼吸した
物凄い欲望を無理矢理押し留め…ストイックにたち振る舞う
その精神力に…瑛太を垣間見る
「伊織…ごめん…」
榊原は「気にしなくて良いです、愛してるって言われて怒る人はいませんよ
況してや君から…言われたら…大変ですがね」苦笑した
「伊織…一生と聡一郎を呼んできてくれ…」
康太が言うと榊原は部屋を出て行った
ドアの前にいたのか…一生と、四宮は、直ぐに部屋に入ってきた
一条が寝ているから…静かに部屋に入る
ベッドに近寄ると一条の顔を見た
顔は…サンドバック同然に殴られた様子が伺えれた
康太は服を脱がすと…一生の顔が…歪んだ
「隼人…」
悔しそうに唇を噛む…一生の瞳から涙が流れた
体も顔同様に…鬱血が酷く…痛々しかった
「一生、体は治る……
だけど…心は簡単には…治らねぇ…」
康太が呟いた
康太以外の声がして、一条は目を醒ました
目を醒ますなり…一条は康太に抱き着いた
ビクビクと脅える…一生を見る
「一生…ごめん…」
一生に脅えた事を…一条は気にしていた…
まさか…友に脅えるとは…
一生は、敢えてベッドの上に乗り一条の頭を撫でた
「気にするな、隼人
プリンを買ってきたぞ
食うか?食うなら、俺が食わしてやる」
一生は、一条を抱き締め…背中を撫でた
一生…一生…と、一条は、確認するように一生の名を呼んだ
そして四宮を探す
聡一郎…聡一郎…と手を伸ばすと…四宮は、その手を取った
「隼人…僕は怖くないですか?
怖かったら無理しなくて良いですよ」
四宮が言うと、一条は、今は怖くない…と、言った
眠ると…恐怖が蘇りパニックになるからだ…
一生が、一条を抱っこした状態でプリンを食べさせる
その間に四宮は、康太にお弁当を買って来たので、食べる様に進めた
「伊織も食べなさい
食べないと君が介護されてしまうでしょ」
四宮は最近、榊原の事を名前で呼ぶ
他人行儀な扱いでなく…康太の伴侶と認め
名前で呼ぶようになっていた
康太はソファーに座ると…物凄い勢いで弁当に食らい付いた
そして四宮が買ってきてくれた沢庵をポリポリ食べる
一生は、それを見て安心していた
そして一生は買い物の時の精算は、総て神野がしたと告げた
康太は……えっ…となる
神野と小鳥遊もソファーに座り弁当を食べていた
この人達も…ろくに食っていなかったのが伺えれた
「神野さん…経費で弁当は、落ちませんよ」
康太が言うと爆笑し
「隼人を病院やホテルに住まわせる事を考えたら…これ位…なんて事ないさ」と答えた
神野の、言葉を受け小鳥遊は
「要るものがあったら言ってください。
買いにいきますから」と、告げた
康太は弁当を食い終わると、榊原にプリンを渡された
康太は榊原に、上蓋を剥いてもらうと、スプンでプリンを掬った
美味しそうに食べる康太を…榊原は見ているのが好きだった
その夜…康太と榊原は、一条を挟み…抱き締めるように寝た…
夜中に何度も悪夢で魘される一条を………
康太は落ち着かせ…眠りについた
昼間、榊原は一生に夜中の一条の状態を話をした
一日中…ずっと側に着いていたら…
康太は…その内に倒れる…と、一生に話した
「旦那の我慢も…あるしな。
目の前に康太が寝ていて…お預けではな…
昼間…アレを連れていって…俺等が見る形にするしかねぇわな…」
良く話の解る男なんだが…
「康太のいない数時間を…
見てられますか?」
「じゃあ旦那は我慢する?
隼人の心は何時治るやら解らねぇ間…
お預け…でも良いと言うなら…」
一生が言いかけるのを止めさせる様な勢いで…榊原が首をふる
「旦那が煮詰まると…康太が困る
その内看護疲れで倒れられたら…
何の為に俺等がいるの…?
…………って事になる。違うか?旦那」
「……すまない…一生」
「なら、俺等が来たら、ホテルに帰る
隼人にも…康太以外に慣らさせとかなきゃな…怖いからって…ずっとこのままじゃいられねぇ
と、言うことで、毎日午後2時位まで休んできなはれ。」
榊原は、頷いた
「なら、俺は隼人の所へ行くから、旦那は康太を連れて行け」
一生が隼人に近寄る
やはり…最初は…体がビクつく…が一生を確かめ、一生に抱き着く
一生は、康太に榊原とホテルに行き、仮眠を取れと告げた
康太は頷き…榊原の側に行った
連れだって別荘を出て…ホテルに戻る
榊原は、ホテルの自室に入ると鍵をかった
そっと康太に抱き着く
康太は見上げ…キスをねだる
するとヒョイと抱き上げられ…ベットへ運ばれた
康太をベットに放ると、榊原は服を脱ぎだした
「伊織…オレは…ここ2日程、お風呂に入ってねぇ…」
康太が言うと榊原は、「バスルームが所望ならそこでも構いませんよ」と、笑った
「バスルームは…逆上せる…でも、汚ないぞ」
榊原は、康太の上に重なり…「もう遅い…」…と投げ掛けた
噛みつく様な接吻に口内を犯される
康太が仰け反る首筋に…榊原は吸い付いた
榊原の指が器用に康太の服を脱がし…全裸にする
目の前の康太は…今日も美味しそうに…榊原の目の前にあった
滑らかな肌を触る…指で……舌で…確かめる様に…弄る
「康太の中へ…入りたい…」
榊原が康太の耳元で囁く
康太も…奥に欲しかった…入れて掻き回してもらわないと…熱に魘されたように…
榊原が欲しくて…狂う…
康太の穴に…榊原の指が挿ってくる
蕩けて熱く蠢く肉壁に…榊原も康太の欲望を知る…
「康太…ローションがないから…一度イッちゃいなさい」
榊原が康太のぺニスを擦ろうとすると…
康太は嫌だと告げた
イクなら…一緒が良い…と。
仕方なく…榊原は…冷蔵庫から…蜂蜜を取り出した
「たまには甘い康太を味わいますか…」
康太の穴に…蜂蜜を垂らす…
「ゃ…伊織…な…何…した…」
冷たい感触に康太は身を竦める
次の瞬間…榊原は康太を貫いた
蜂蜜の滑りを借りて…康太の中へ…押し入る
「ぁ…あぁ…伊織…ひど…」
榊原の体が激しく……康太の奥へと入り込み
…一足遅く…康太の肉壁が…榊原のカタチに絡み付き蠢く
ヌチャ…ヌチャ…と言う卑猥な音を立てて…
穴が緩む…
康太は…榊原に抱き着き…イッた
榊原も…康太の奥へ…精子を流し込んだ
部屋に荒い息が響き渡る
「康太…」
榊原は、康太の奥で息を吹き返す
「伊織…また…硬い…」
「君が育てたんだよ…君の中が…僕を離さないから…」
「伊織…また来る…ゃ…おかしくなる…」
「おかしくなっちゃいなさい…
僕なんかとっくの昔に…君に狂ってます…」
ドクドクッと、脈打つ肉棒に…肉壁が絡み付き蠢く
締め上げ育てた榊原のぺニスが…動いてくれないから…康太は思わず…腰を揺らした
「康太…腰が揺れてる…欲しいの?」
刺激を欲して動く腰は…止まらない
「伊織…突いてぇ…奥を突いて…」
吐息で吐き出す声は…刹那げで…妖艶だった
「僕はまだ君の中にいたかったのに…
誘うのが…上手くなりましたね…っ…」
榊原は腰をグランドさせると、康太は刹那げに鳴いた
榊原は、康太の中を擦り上げる
奥へ…奥へ…肉棒が擦り上げる…
奥へ…行くと、突き当たりる場所が…康太のイイ場所で…
そこの引っ掛かる場所を…榊原の肉棒で擦りあげられるのが…
堪らなく感じてしまうポイントだった
ベットで…3回…抜かずに交わった…
康太の中から抜け落ちた榊原のぺニスは…
やっと熱が引き…力をなくしていた
「康太…大丈夫ですか?」
一応…好き勝手した自覚はあるが…聞いてみる
「蜂蜜で調理されるとは…思ってなかったもんよー」
ベットの横に転がる蜂蜜の容器…
何に使ったの…と、聞かれたら…
顔が赤くなる…
「しかも…オレは風呂に入ってねぇぞ…って言ったのに…」
康太は嘆く
「僕は康太に触ると…止まらない…
康太は違うの…?」
なんて聞かれたら…惚れた弱みで何も言えなくなる
「違わない…でも…伊織には…綺麗なオレを触ってて欲しいんだもんよー」
胸の康太を更に強く抱き締める
「僕に取ったら…どんな康太でも…愛せてしまう
例え1ヶ月風呂に入ってなくとも…抱けますよ僕は 」
「伊織…1ヶ月は、相当匂う…」
康太は榊原の胸の中で可愛く笑った
「そんなに可愛い顔してると…またローターを挿れて見たくなります…」
榊原の発言に…康太は青褪める
ローターを榊原のぺニスで奥に入れ…
ぺニスだけ引き抜き…ローターを残されて過ごした日は…最悪だった
急に…榊原が、スイッチを入れ…
体の奥に…虫みたいな振動が肉壁を刺激して…康太は蹲った
乳首のピアスも痛い程敏感になり……
全身に汗が噴き上げる程…だったのに
榊原は、立ち上がって歩け…と言った
僕が欲しいなら…来なさい…と。
立ち上がり…榊原の所へ行くのに…凄い時間を要し……
悩まされた…ローターは、聞くだけで…体が反応してしまう
「康太…目が潤んでる…。
思い出しちゃった…?」
「伊織…意地悪すんな…。」
榊原は、康太の口に接吻を、落とし笑った
「ったく…こんなに可愛くて…僕を狂わすんだから…」
「伊織…嫌い…?」
上目遣いで見てくる姿は…下半身に直撃となる
「康太…四回目…良いですか?」
「ゃ…冗談…」
熱くなって血管が浮き出たぺニスを康太に擦り付ける
「今度…下のお口にアイスを食べさせてあげます。
君のお口が美味しそうに食べる所を見せてください」
榊原は、とんでもない事をサラッと言い
康太を持ち上げ、榊原の体の上に乗せた
肉棒が康太の穴の中に…埋まって行く…
康太は…再び襲う熱に…榊原に抱き着いた
ベットで4回…バスルームで1回
榊原は…康太を抱き潰した
ベットに寝かせる頃には…康太は意識を失っていた
榊原は、そんな康太を抱き締め…眠った
疲れた体は…眠りに誘う…
榊原は、康太と…夢の中へダイブした
一頻り眠り、起きる頃には昼を回っていた
榊原は、康太を起こした
康太に服を着せ部屋、自分も着替えると掃除をし、シーツをリネンの籠に入れ、替えた
そして、下のレストランで軽食を取り、別荘に戻った
榊原のやけにスッキリした顔に…
康太の果てしなく疲れた顔で…
一生は如何に榊原が煮詰まっていたかを知った
榊原は、顔にも態度にも出さない
その服の下には…どれだけの想いを秘めて過ごしているのか…
何時もストイックに振る舞う榊原からは…推し量る事は…出来ない…
神野は…ホテルから戻った康太を見て驚いた
首には…榊原の欲望の数だけ…吸われた後があったから…
康太はそれを、隠さない
隠さないから…見ている方には一目瞭然
神野は…一条の前に寄り添う二人に…
同級生の面影を見た
康太の後ろに立ち…康太を抱き締める男の姿は…高校時代の…悪友に似ていた
総ての欲望も感情も…服の下に隠し…
何時もストイックに振る舞う…悪友に…
そして榊原の前に立つ…康太の姿…
彼こそがオリジナルなのだと…思い知る
ならば…悪友は…どれだけの想いを…
服の下に隠して…
今も生きているのか…
神野の胸がキリキリ痛んだ
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