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第61話 反撃の夜②
「瑛兄、花火をやるもんよー」
アロハと、カーゴの短パン姿の康太が元気に駆けてくる
その、足に…輝くアンクレットを隠しもせずに…。
「神野も来い!
ジジィみたいに二人で飲むのは半世紀早いぜ!」
康太がケラケラ笑う
その康太の体に榊原の腕が絡まる
「伊織、バケツの水を一生に持って越させるかんな!」
もう持って行ってますよ。と榊原は康太を抱き寄せた
「なら外に行くもんよー!
伊織、線香花火は全部悠太に渡せ
何であぁもアイツはジジィ臭いんだよ」
康太は庭に駆けて行く
庭には一条も出ていた
「隼人、花火をやるもんよー!」
康太の笑顔に一条も顔が綻ぶ
一生が康太に近寄り
「清四郎さんが来る途中で打ち上げ花火を買ってきてくれてた
これから上げるみたいだそ
上げるのは笙さんだが…」と、康太を呼びに来た
笙の手元を見ると、デカい花火が地面に置かれていた
火を着けると…ヒュルヒュル…パァァ~ンと、夜空に花が散った
一条は見上げていた
四宮が一条に近寄り「綺麗でしょ」と声をかける
一条は、夜空を見上げたまま……うん。と答えた
康太は外の蒸し暑さに…アロハの釦を外した
オレにも花火を寄越せ~と、奪い…花火を手にした
榊原がポケットからライターを出して、火を着けてくれる
火が着くまで持っていた花火を…榊原に渡した
榊原の瞳が…良いんですか?と尋ねる
「オレは背が低ぃんだよ…
だから火の粉が足に直撃の確率が高ねぇんだよ」
康太が不貞腐れて言う
榊原は笑って、康太の前で花火を着ける
パチパチ弾ける花火の光が…康太の体のピアスを輝かせ
康太は隠す気もないのか、胸をはだけて騒いでいた
突然…一生が花火を振り回し始めた
「一生ぃ、振り回すなぁ…」
康太が一生の暴挙にあい逃げまどう
悠太は、静かに線香花火をやっているのに…
騒ぐから…落ちる…
「伊織ぃ助けろぉ~」
康太が逃げる…逃げて榊原に抱き着く
「あぁ暑苦しい!
えぇぇぃこうしてやる」
康太の足元にネズミ花火を放り投げた
「ぎぇぇぇぇぇ~伊織ぃ」
康太が榊原にしがみつき…騒ぐ
榊原は康太を片手で抱き上げると、首にしがみついた
「一生…康太を苛めない…」
榊原に、たしなめられる…
一生は、笑って蛇を康太に放った
農園育ちの一生は蛇は平気で
横浜育ちの康太は…長いのは…ダメだった
「やだやだ伊織…噛まれたら死ぬぅ…」
榊原は、蛇をポィッと捨てた
康太は……榊原の腕からスルッと降りる
「伊織…蛇…触った…」
康太が逃げる…
榊原は、誰の所為ですか!と、怒って康太を追い掛けた
汗をかいた榊原もシャツの釦を外し…前をはだけた
「嫌だぁ…蛇を触った手でオレを触んなぁぁぁ…」
康太を追い掛ける榊原のヘソも光っていた
「康太…掴まえた」
逃げていた康太を抱き止め、持ち上げる
康太は榊原の唇に…キスをした
清四郎は、康太の体のピアスに…息子の執着を見ていた
互いを縛り付け…愛し合う恋人達を見守っていた
「伊織ぃ…オレを綺麗に洗ってくれ‥‥」
蛇を触った手は…やはり嫌なのだ
四宮が一生に近寄り「手を出しなさい」
と、言うから手を出したら…………
蛙を乗せられ…一生は蛙を放った
「聡一郎…てめぇ…あにすんだよ!」
一生は吠えた
四宮は、逃げた…
だが一生が追いかけて行く…
その時…悠太の線香花火を風圧で落として…逃げる…
ブチッ…!!!!!!悠太の堪忍袋が切れた
悠太も一生を追いかけて…
収拾が着かなくなった頃…
笙は連続で打ち上げ花火に火を着けた
パァァァ~ン と夜空に咲く花に、足を止め
見上げる
康太は榊原の腕から降りると、一条の側に行った
「来年の夏も…その次の夏も…
これからの夏は…毎年来ような、隼人。」
一条は、頷いた
「でも康太…オレ様は…蛇は嫌なのだ…」
康太は笑う
「なら一生は、留守番だな」
康太が言うと、一生が康太を羽交い締めにする
「そう言う事を言うのは、この口かぁ」
と、うりうりする
「伊織…助けろ…!」
康太が助けを求めると、榊原は一生の手から康太を救出した
「伊織、腹へったかんな!
続きを食いに行くもんよー」
康太が花火が終わると、再び宴会に戻るぞ!
と家族を家の中に入れる
榊原は水をまき、火の用心に気を付けてから…家の中へ入っていった
「一生、康太を洗って来ます
後宜しく…」と言いその場を離れた
そして康太を、一条の寝ている部屋の浴室に連れ込み、鍵を掛けた
康太の服を脱がし…全裸にして、自分も服を脱いだ
シャワーのコックを捻ると、水に近い温い湯が出た…
そのシャワーの湯を被りながら…
康太を抱き締めたまま…接吻は深くなる
シャワーを止めると榊原は、康太をバスタブに座らせた
ボディソープをふんだんに出し、康太の体を洗う…
泡の滑りのまま榊原の手が…康太の肌を弄る
立ち上がった乳首を指で引っ掻くと…
康太の体が跳ねた
康太の手も悪戯を働き…榊原の素肌を弄る
聳え勃った性器の下に手は滑り落ち…睾丸 の裏をなぞりながら…榊原の性器を擦った
「康太…ぁ…悪戯しないで…」
榊原の声が快感で掠れる
陰嚢を揉みながら…赤黒いグロテスクな榊原の性器を嬲る…
榊原は…康太の腹目掛けて…精液を吐き出した…
榊原の精液は康太の体に撒き散らされ…凄い勢いで飛び散った
たが…榊原の性器は勢いを衰えず聳え勃っていた
「康太…僕は君の中で…イキたかったのに…」
悪戯っ子の康太を体の上に乗せバスオイルを垂らし康太を貫いた
「伊織…ぁぁっ…伊織で一杯になる…」
榊原が康太の中で埋まる瞬間が…康太は一番好きだった
1つに交わる…総てが1つに交わる瞬間が…堪らなく好きだった
「康太…愛してます」
熱い接吻に意識が朦朧となる…
榊原に一番イイ場所を突いてもらい康太は鳴いた…榊原の為だけに…康太は鳴く
康太の奥深くに…吐き出される精液を康太は取り残す事なく飲み込む…
康太の秘肛の入口が搾り取るように纏い着いた
熱に翻弄され…肉体を繋げる歓喜に…絶頂を、迎えるまで互いを貪りあった
榊原は、康太の体を洗い後ろの処理をしてから服を着せた
暑がる康太は半袖Tシャツと短パンと軽装で、隼人を迎えに行った
宴会している部屋に戻り…ご飯を食べる
一生は、肉にかじりついていた…
康太は…蛇…触ってたな…と、ふと思い出す
「一生…お前…手ぇ洗ったのかよ…」
康太が聞くと、一生は「洗うわ!!」と噛みついて怒った
康太は笑った
一生は、康太に近寄ると耳元で何かをゴソゴソ話をし……
次の瞬間には知らん顔して肉を食べていた
康太はほくそ笑み、手応えを感じていた
寿司をパクついていた康太が、榊原に
「伊織、アイスが食いたい…」
と、我が儘を言う
榊原は冷蔵庫に行き、アイスを取りに行った
榊原が離れると…康太は四宮に顔を近付け…何かを話していた
四宮の顔付きも変わっていた…
こう言う状況に出くわしても…榊原は何も言わない
アイスの蓋を取り、康太に渡す
「ありがとう、伊織 」
幸せそうな康太の顔を向けると…榊原も嬉しくなる
「清四郎さん、明日の朝はホテルまで迎えに行くから、厩舎に行きませんか?」
と、康太が清四郎を誘う
清四郎は「喜んでお供しょう」と嬉しそうに返した
「明日の夜、イオリーブラウンは飛鳥井のパドックに運ばれる
オレの伊織への愛を捧げる馬を、清四郎さんも乗って下さい
次に此処へ戻ってくるのは………コースを引退してから…何年後になるか解らない
今しかないので…是非…」
康太の言葉に…清四郎は頷いた
その言葉を聞き、康太は榊原と一条を連れて、部屋に戻って行った
翌日の朝、康太は榊原と、ホテルに行き
清四郎と共に厩舎へ向かった
康太は誇らしげな顔をして馬にすり寄り
笑った
「清四郎さん、この馬が秋にデビューする馬、イオリーブラウンです。
今日の夜、運ばれて調整に入りデビューする
この馬は…先頭を走り続ける…
走り続け…子を残す…。」
康太はそう言い、馬を撫でた
清四郎は、馬に近寄り…体を撫でた
「乗せてもらえるのかな、私はこの背に 」
康太は嬉しそうに微笑んで
「乗って下さい。」
と、乗馬を進めた
清四郎は鞍なしで馬の背に乗ると、軽く流して走った
その姿は時代劇で培った美しさがあった
清四郎は、軽く走ると馬の背から降りた
「良い馬だ!
流石、飛鳥井源右衛門を継いだ人間だけある 」
清四郎は、源右衛門を継いだ…と、言った
「知ってらしたんですか?」
まだ総てではないが…ほぼ康太は源右衛門を継いでいる事を…。
「役者の世界も馬主が多い…
耳に入るのは、戸浪を従えて誕生した源右衛門を継いだ君の事ばかり…
20になったら正式に引き継ぐ…君の進む道もまた…遥かに重い…」
「清四郎さん、オレには伊織がいる
伊織がオレを命をかけて守ってくれる
だから、オレは世界一幸せ者ですよ」
背かから伸びる腕を握りしめ、康太は本当に幸せそうに笑った
後ろの榊原も、優しい顔で笑っていた
榊原は「父さん…僕達は…恵まれた環境で、こうして寄り添って生きていける
否定され軽蔑される事なくいられる両家の家族の愛があればこそ…
父さん、僕は幸せですよ」
…と、父親に語りかけた
昔では想像つかない事だった
顔を合わせれば喧嘩ばかりしていた……
あの頃は…伊織が怖かった
自分に酷似した役者が…自分の上を過ぎて行くのを…認めたくなくて遠ざけた
だか清四郎は今、我が子がいとおしい
「伊織…私が立っていられる間は……
私に甘えれば良い…私は命を懸けてお前達を守る…ずっと側で見守らせてくれ」
清四郎は、榊原をそっと抱き締めた
「父さん…何時か僕は貴方を最大限活かして使える脚本家になります
だから、それまで待っていて下さい」
榊原の想いは…何時か父親を使える位…押しも押されぬ脚本家になる事…
カタチは違えど…役者の道に生きる…父と子だった
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