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第65話 大切な人②

医者は…そうなるのを見越していたみたいで、直ぐに来てくれ、康太に注射を打った 嫌がる康太を押さえつけ…強引に…あの医者は注射を打って行った 眠りに落ちてく康太の体を…真矢は抱き止めて榊原のベットに寝かせた 「伊織…お前が倒れたら…康太もタダでは済まないと思って健康管理をせねばなりません お前が死んだら飛鳥井の家は葬儀を幾つも出さねばならなくなる… それ位の覚悟で…日々の健康管理をしなさい」 真矢は榊原に敢えて厳しい言葉を投げ掛けた 「解っています…母さん その台詞は一生に言われたばかりです…」 「お前の後を確実に康太は追う…それを考えたら…誰も帰れはしません… 瑛太さんは…目の前で…康太も伊織も失うかも知れない恐怖で…帰れる筈などありません あの方は…康太の後を追う… 一生や聡一郎や隼人も…ですよ あの子達は運命を共にしている… お前は、その総ての命と引き換えに…康太と人生を共にしているのです。」 「母さん…解っています… それが僕の選んだ道ですから… 総てのモノを引き換えにして…僕は康太を選んだ 飛鳥井の家は…そんな康太の思いを組んで僕を受け入れて下さった… 今回は本当に…申し訳ないと思っています…。」 真矢は…ならば…良いです…と、微笑んだ 息子の生きる道は険しい だけどその道しか通らぬと…言えば親は折れるしかない 折れて…息子を見守るしかないのだ…… 「母さん…僕も人間ですから…倒れる時もあります…」 榊原は敢えて言葉にした 「……昔の御前ならば…サイボーグじゃなかったの…と言えたのですがね…」 と、しれっと返され、榊原はお手上げをした 笙は、笑いを堪えるのに大変で… 清四郎も笑ってはいかん…と思いつつも…笑っていた それ位…昔の榊原は、感情も表情もなかったから仕方がないのだが… 一生と四宮が食事から戻ると、榊原の家族が来ていて遠慮しょうか…迷った そんな二人を清四郎は、招き入れた 「一生、聡一郎、ちゃんと食事をしてして来ましたか…?」 「………珈琲を飲んで来ました 康太の様子がおかしかったので…伊織に任せました…」 この2人もまた心配で離れられないのは…解っていた 「ならば、これを食べなさい」 清四郎は差し入れの食事を一生と四宮の前に出した そしてベットの上の榊原にも渡している時に…悠太が病室を訪れた 「母が榊原の方々にくれぐれも申し訳ないと申しておりました」と、悠太は頭を下げた そして榊原に向き直ると 「伊織君、PC壊れたみたいだから、って瑛兄から連絡が来たから、様子を見にきた 仕事は1週間…休みを取っても余裕で仕上がるスケジュールになってるから、体を治す事に専念して はい、予定表 直しといたし、向こうに多少の融通を、通させたから気にしないで、体を治してね 後、これ、伊織君の着替え 後、3日は入院だから…その日数分ね」 悠太はてきぱき用事を片付けた そんな悠太に清四郎は、休んで食事をしなさい…と、進めた 悠太は清四郎に弁当をもらい…箸を着けた 「伊織君、康兄…眠らせたの?」 康太が榊原を置いて眠る筈は絶対にないと 確信を持った人間しか吐けない言葉だった 榊原は、悠太の果てにある想いを知っていた… だから、悠太には誠実に答える義務があった 「康太はもう限界だった… 僕にしがみついて離れなかったから…眠らせないと倒れてしまう…と、父が医者に頼んだのです… こうしないと康太を眠らせられないから…」 悠太は、榊原の苦悩を垣間見た 「仕方がないよ…伊織君は、康兄の命そのものなんだから…」 清四郎は、まだ中学3年の悠太の吐いた台詞に驚愕の瞳をした 悠太は、中学3年には見えない体躯で、瑛太に酷似した容姿を持っていた だが…中学3年なのだ…悠太は 「悠太、すまなかったね 飛鳥井の家の方々に申し訳ないと…伝えておいて下さい」と、榊原は謝った 「伊織君は、背負い過ぎなんだよ 康兄は止まらないから…引き受ける方は命懸けなのは解るが… 休める時は休まないと…体が続かないよ 飛鳥井康太を支えるって…そう言う事だから…我が家は康兄の為なら命位喜んで差し出すよ。……俺も然り だから、伊織君の肩の重圧は…分散させれば良い、皆が支えるからね」 榊原は、微笑んだ 「悠太は、一回り大きくなりましたね」 榊原は、嬉しそうに言った 「康兄は、また幼い顔になった…俺と並んだら…絶対に弟に見間違えられる…。」 「さっきも…オレはちぃさいから拾われたんだ…と、泣いて宥めるのが大変でした…」 悠太は、絶句した 「飛鳥井で、康兄の様なちぃさいのいないからな… 飛鳥井で身長の話しは禁句だ 昔…瑛兄が拾って来た発言したらしく…康兄は、本気で拾われたんだ…って悩んで入院した…」 榊原と、家族は…ぎょっとなった 「俺は飛鳥井康太に育てられたんだ 飛鳥井の家の中で一番締め付けられなく生活してるのは俺だけだ それは康兄が俺をある程度自由に手綱を緩めてくれてるからだ… でなければ…俺はプレッシャーで壊れる その分…康兄の背負うのは大きい… ………と、言う事です 顔はガキの様だけど…背負う量は半端ない」 全員が悠太の吐き出す言葉に…しんみりと…なった だが一生は笑い飛ばした 「だが悠太、おめぇは手を掛ける分だけ器がデカくなる 康太の愛で育てられてんだから、もっとデカくなれ! だけど巨乳は…もう止めとけ…」 悠太は、嫌な顔をした 「あれ以来…巨乳はもう受け付けません もう苛めないでよ…一生君」 四宮は「悠太は…器を見る目を養わなければいけないんですよ…。 見た目の乳などに惑わされおって…」 熾烈な言葉を投げ掛けた 「聡一郎君…俺って君に嫌われてます?」 悠太が問うと… 「その反対だ。聡一郎は悠太がお気に入りなんだよ」………と、康太が起き上がって答えた 「聡一郎は、一人っ子だから、弟が欲しかったんだよ だから悠太は聡一郎の弟みたいなもんだろ? だから厳しく聡一郎は言うんだよ どうでも良いなら膝枕して寝させねぇよ聡一郎は」 寝ている康太の声だった 「あぁ…よく寝た…」 と、首をコキコキ動かし、康太は榊原のベットを降りた 康太は清四郎の所まで行くと、深々と頭を下げた 「清四郎さん、伊織を飛鳥井に住まわせてくれているのに…倒れさせてしまった 総てはオレが至らぬ所為で…本当に申し訳ない」…と、康太は謝った 清四郎は「まだ眠っていて良いですよ…」と、優しく康太に言った 「オレは子供の頃から軽い毒を飲まされて育ったから…薬は効かねぇんだよ…」と、康太は悲しげに答えた 清四郎は、毒…と驚愕した 「飛鳥井の先祖は平安京まで遡る… 真贋を持つ子供が薬殺されたら…家系は終わる…その名残だ 多分…受け継がれる…業の深い儀式だ」 康太はもう自分の足で立っていた 清四郎は、康太に「お弁当を持って来ました。食べますか?」と、声をかけた すると笑顔で…腹減ってんだ!と清四郎の横に座った 見事にガツガツ食べる康太を…全員が見守っていた 「康太、瑛太さんがプリンを買ってきてくれましたよ。食べるなら剥いてあげます」 榊原が声をかける 弁当を食べ終えた康太は冷蔵庫からプリンを取り出し、榊原の所へ持っていった スプーンを、食わえて待つ姿は、誰よりも愛らしく… ついつい榊原は、康太にプリンを食べさせてしまうのだ… はい、どうぞ。と、手渡しで貰うと、康太は榊原のベットに腰掛け足をブラブラさせながらプリンを食べていた 嬉しそうに食べる顔は…目の前の悠太より幼く見えた 「美味しかった!」 康太が食べ終わると…榊原に抱き着いた プリンの臭いのする美味しそうな唇が榊原の胸に収まる その時…ドアがノックされた 一生がドアを明けると…そこには兵藤貴史と、清家静流が立っていた 「伊織、兵藤と清家だ。」 一生は、一声かけて2人を部屋に招き入れた 兵藤は病室に入ると、榊原の両親に深々と頭を下げ、榊原の方へ歩いて行った 「しかし…康太が退院したら、次はお前か…入院か、病院の好きなカップルだな 」 兵藤は、笑って榊原に声をかけた 榊原は、康太を抱き締めたまま苦笑した 康太は榊原から体を離すと 「貴史、嫌味を言いに来た訳ではねぇんだろ…」と、言い放った 康太はベットから降り「何があった?」と兵藤の所まで行った 「桜林中高合同祭を実行すれば… 必ず死者が出る…と、言う学園の七不思議があるんだとか… 俺は知らねぇが…生徒の間では、噂が流れて…ちょっとした騒ぎになっている」 兵藤が康太に病室を訪ねた理由を話す 「噂…?聡一郎、お前そんな噂を拾った事あるか?」 「そんな噂…拾ってないですね… 何時頃から出てるんですか?その噂って…」 四宮は兵藤に問い掛ける 「俺も知らねぇが役員が生徒の噂を拾って来た… 今まで桜林祭の中高合同が無かったのは… 死者が出て中止になっていたからとか…なんとかって言ってた…」 康太は…何故そんな噂が出るのか…疑問だった 「兵藤貴史、オレの絵図は書いた瞬間に軌道に乗る 手直しは有り得ない 手直しが必要なら…人を操り回りを軌道に乗せれば良い」 康太はさらっと言い捨てた 「一生、噂の出所を探れ 聡一郎、噂を操作しろ 悠太、オレのPCを家から持って来い!」 康太が言うと悠太は、自分の鞄をごそごそ探り 康太のPCとタブレットと、携帯を康太に手渡したら 「康兄の武器だから持って来た」 康太は悠太の頭を撫で、唇の端を吊り上げ嗤った 康太はタブレットを一生に渡し、PCを四宮に渡した 「掴めたらオレに替われ! オレが追跡する」 康太は指示をして、兵藤に向き直った 「貴史、人を操るのは人に非ず! ネット社会のさ迷える子羊達は… 何が真実か見極める目もなく…噂に飛び付く 何時の世も噂が形になると、人は暴動に駆り立てられる 噂を手中に納めた人間こそ、明日を掴める礎になれる…政治家は情報戦術が命。覚えとけ」 兵藤は、康太の姿を愛しげに見て笑った 「中、高合同桜林祭をやると、死者が出るなんて…聞いた事もねぇかんな… 今まであったんかな…そんな話し…。う~ん」 康太は唸った… 唸った後にスマホを取り出し、素早くメールを打つと佐野春彦に送信した 暫くすると…電話が鳴った 電話は佐野春彦からだった 佐野は、康太の聞きたい事を…要点を摘まんで話してくれた 康太は…ほほう…と、頷き電話を切った 「兵藤、オレが肋骨を折った頃から…拡散して…広まった噂で、確証も根拠もないデマだそうだ」 兵藤は、何故デマなど…と、呟いた 「噂は走り出したら…化けるかんな… オレにも予想は着かねぇ…追跡して本人に聞くしかねぇもんよー」 康太は嗤った。 嗤って果てを見た 四宮が康太にPCを渡した 「此処までは追跡出来たが…後を追って下さい」と。 康太は悠太に手を出し無線LANを要求する すると、悠太は胸ポケットからLANを渡した 康太はLANを差し込むと、目にも止まらぬ早さでPCを駆使した 清家は康太がPCを触る所を見たのは初めてだった 「貴史、桜林の生徒会に役員は残ってるのか?」 康太が兵藤に問い掛ける すると清家が「役員はまだ大半残っております」と、答えた 「噂の出所は、なんと桜林のPCルームだ そこから発信されて、幾つか回線を飛ばして追跡出来なくしているが、今踏み込めば…捕まえられる 佐野に知らせといた 人を集めて捕獲に駆り出せ 絶対に逃がすなよ! 出入り口を押さえて逃走経路も押さえろ 一人残らず捕まえろ!」 清家は役員に指示の電話を入れた 「聡一郎、一生、オレの変わりに貴史と共に行け! 行って問い詰めて来い オレは伊織の側を離れる気はねぇから、二人を貸し出す」 康太は…兵藤に、動かない…宣言して…二人を貸し出すと言う 兵藤は、それを飲むしかなかった 「一生、力哉を呼んでおいた 来たら学校へ向かえ オレが出なきゃ収集が着かなくなったら…力哉を寄越せ、そしたらオレは出る」 だが…そうでなかったら出る気はない……と 康太は暗に解るように言った 暫くすると力哉が迎えに来た 「貴史、清家、オレの秘書だ! 彼が乗せていく。力哉、頼むな」 力哉は、解ってます…と答え踵を返した 「さぁ行きますよ!」 力哉が、兵藤と清家、一生と四宮を待ち受ける 力哉は、急かすと一礼してドアを閉めた 兵藤達がいなくなると、康太は清四郎に 「騒がしくしてすみませんでした」と頭を下げた 笙は、さっきの会話を聞いていて口を開いた 「桜林祭の中高合同をやるんだ 学校側は良い顔しなかったでしょ?」 と、康太に話し掛けた 「えっ…学校側が良い顔しない? 知らない…どう言う事なんだ?」 康太は首を傾げた 榊原は、康太…と、呼んだ 側においで…と榊原は康太を呼び寄せた 康太は榊原のベットに座ると、榊原の腕が康太を抱き締めた 「伊織、学園側から…合同祭の反対ってされた?」 康太は、背中の榊原を見上げる 「いいえ…反対なんてされてません…が。 反対する理由なんてないでしょう?」 榊原も思案する…が、康太が見上げる姿が可愛くって、康太の唇にチュッとキスをした 清四郎は、そろそろ帰りますね…と、二人に告げ、立ち上がった 今回…息子が倒れて飛鳥井の家の方には迷惑をかけた… 清四郎は謝りに行くつもりだった 「悠太、飛鳥井の家まで送りましょう。 私も飛鳥井の方に挨拶してから帰りますから一緒に行きましょう」 と、悠太も促し立ち上がった 「何かあったら連絡して下さいね」と、念を押し、榊原の家族は帰って行った 「伊織、寝た方が良いぞ また無理して倒れたら…オレは死にたくなる…」 榊原は後ろから抱き締めた康太の首筋に…顔を埋めた 「僕も、康太の匂いがしないと眠れません 康太を腕に抱き締めていないと…不安になる 康太を愛してるんですよ 康太に触れば…火が点いて止まらなくなる…」 昨夜の愛の告白の応酬か… 榊原の口からは熾烈な愛の言葉が紡ぎ出され…康太はドキドキとなった 「伊織…」 「今回は不覚にも倒れてしまいましたが…次は気を付けます こんなに康太を不安にさせるなんて…僕は恋人失格ですね…」 榊原の言葉に康太は慌てる 「違う…オレが伊織に心配ばかりさせるから…伊織の異変にも気付けなかったし…」 康太は榊原に向き直り、榊原の首に腕を回し 「伊織…意地悪すんな…」 抱き着いた 「康太が恋人失格なら、恋人の目の前で倒れる僕も恋人失格ですよ 康太を泣かせ不安がらせた… だから、離れるなんて言わないでね」 と、康太の口にキスを落とす 康太はうん…と、頷いた 「伊織…痛い…?」 いえ…痛くは…と言いかけて、榊原は 「……痛いんで…撫でて下さい」と康太に甘えた 「どこ…ここ…?」 右脇腹をさすさす撫でると… 「も…少し下…」 と、囁かれ… 「……ここ…?」 と、聞くと…随分下に… 「いっ…伊織…此処は…盲腸じゃない…」 康太の手は… 榊原の堅くなった股間の上に… 「でも…そこが痛いんです…」 なんて…しれっと言われたら…手を引っ込める訳にもいかないし… 「ぃぉ…り…此処…病院…」 手の中の榊原がびくんっと大きくなった 「解ってます…が、押さえられない日もあります…」 病室に鍵はかえない… 誰が入ってくるか解らない部屋で… どうしょう…と、康太は困っていた 「…て…手で…」 と、言う康太の耳の穴に舌を入れ 「康太の…中…が良い…」 なんて囁いた 「…ぁ…ダメ…」 康太は涙目で榊原を見た 「だから言ったでしょ? 康太を触れば我慢出来なくなるって…」 康太は頷いた 「ねっ…伊織…どうしょう…」 榊原の凄い事になってしまった股間に… 康太は成す術もなかった 榊原は、くすっと笑って… 「トイレに行きますよ。」と言った 「ぅ…ごめん伊織…」 「もう、僕は歩けますし、本当は退院したいんですが…主治医は許可しないですからね…耐えます」 榊原の唇が楽しげに吊り上がる 「でも退院したら…康太を好きにさせてもらいます。多分起きれない位に…」 ……それはそれで…怖いかも… 「康太には、まだまだ僕の愛が足らないんですね だから離れようなんて考えてしまうんです 軽く縛って調教でもしてみましょうか? それとも…一日中バイブ入れてみる?」 耳元で囁かれ…ぞわぞわする 康太は榊原に縋り着いた 「伊織…ごめん…だからやらないでぇ… お願いだから…やらないでぇ…」 「じゃあ二度と…」 榊原は康太の顔を上げ…唇に触った 「二度と離れるなんて言わないで… この唇から…そんな悲しい言葉を…言わないで…」 榊原の指が康太の唇をなぞる… そして康太の唇は…榊原の指を舐めた 「もう二度と言わない…」 なら…良いです…。と榊原は康太の唇を舐め …舌を差し入れた 息も出来ない貪り合う接吻に、どちらの身体も引き返せなくなる… 「伊織…病院だって…」 「解ってはいるんですが…止まりません」 榊原の指が康太の乳首を弄る 「……ゃ…伊織…イッちゃうから…」 やめてぇ…と康太が頼む 不意にドアがノックされ…ドアが開いた 病室に入って来たのは力哉だった 力哉は、病室の中の淫靡な空気に気付くと ポケットからコンドームを取り出し、榊原に渡した 「15分で終らせて下さい 一生から頼まれてますから…お願いします 康太の変わりに悠太を置いておきます では15分間足止めします」 力哉は事務的に済ませ、病室を出て行った 「15分しかないので康太…」 後は言葉にならなかった 康太のズボンを脱がし… 滾る榊原の性器の上に康太を抱き上げた ゴムの滑りを借り…挿入すると、後は本能の赴くまま…腰を揺すった 「ぁ…ぁぁ…イクぅ…伊織…あっ…」 榊原は、一滴残らす康太の中に…嫌…ゴムの中に出し…引き抜いた まだ元気だが…15分では一回が限度だ 荒い息を調え、精液のたまったゴムを外した 結びディッシュで包み捨てた後に、康太の支度をした 体を綺麗に拭いて、下着とズボンを履かせ 香水を振りかけた 榊原の香水、カルバン・クラインのエタニティ…を。 康太の香水はブルガリ ブルー の ブルー・オムを使っている ブルー・オムとエタニティは、交わると…二人だけしか嗅げない匂いのコラボが楽しめる 榊原は、自分の香水を康太に振り掛け 「たまには良いでしょ?」と康太を抱き締めた 康太は「…ん…」と言い榊原に抱き着いた そして体を離すと病室のドアを開けた ドアの前には力哉と悠太が立っていた 「悠太、伊織を頼む…」 康太はそう言うと、力哉と歩き出した 悠太は、そんな兄を見送った 見えなくなるまで…見送り、悠太は病室のドアを閉めた 康太は車に乗り込むと、力哉に「すまん…」と謝った 力哉は、前を見たまま 「気にしないで下さい 僕はそう言う所も引っくるめて秘書なんですから! 康太から伊織は切り離せない… ならば…こちらは折り合いを着ければ良いのです」と、笑った もう完璧に秘書だった 康太は…準備万端な力哉に…疑問を投げ掛けた 「力哉…あのゴムは…?」 康太が問うと力哉は、一生が渡してくれました… 僕が持ってると思いますか?……と、笑い飛ばした 「力哉…好きな人は…?」 力哉は首をふった… 「力哉…一生は…ダメだぞ…」 力哉は、解ってます…と呟き…アクセルを踏んだ

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