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第47話 初めての大人のキス
「えっ……?」
思いもかけなかった冬多の言葉に、進一郎は冬多を凝視してしまった。
冬多は顔を真っ赤にしながらも、うつむいてはおらず進一郎のほうを見ていた。
「……バカ、本気にするぞ」
情けないことに進一郎の声はかすかにうわずってしまっていた。
冬多は進一郎の胸に、小さな頭をコツン、とくっつけてきて、消え入りそうな声で告げてきた。
「僕、誰よりも……佐藤くんが、好き……。だから、もっと佐藤くんのこと知りたい……」
「冬多……」
進一郎は冬多の顔を上げさせると、まずは額にキスを落とし、次に彼の唇へそっと自分の唇を重ねた。
冬多の唇は想像していたよりも、もっともっと柔らかくて……、止まらなかった。
何度も角度を変えて、冬多にキスを繰り返す。
かすかに震えている冬多の体を抱きしめて、触れるだけのキスはやがてついばむようなそれに変わっていく。
「冬多……」
「佐藤、くん……」
いったん唇を離して、冬多を見つめると、大きな瞳は潤み、頬はピンク色に上気していて……、進一郎の雄の欲望をダイレクトに刺激した。
でも、もうこれ以上は……。
「佐藤くん……、僕……佐藤くんを近くに……感じたい……」
恋人にそんなふうに言われて、欲望を抑えられる男などいないだろう。
進一郎はむしゃぶりつくように冬多の唇に自分の唇を重ねた。
噛みつくように口づけ、やがて、無意識に開かれていく冬多の唇のあいだに、舌を差し入れた。
ピクンと冬多の体が小さく跳ねたが、彼は逃げはしなかった。
進一郎は彼を安心させるように、背中を優しく撫でおろしてやりながら、冬多の舌を追いかけて、触れ合わせて、捕まえる。
冬多の体がとろとろにとろけるまで、舌を絡ませ、口内を味わいつくした……。
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