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第4話

「や、止めろ!馬鹿っ!離せってば!!」 一人に羽交い締めされ、二人に制服を脱がされていき、綾人は出来る限りの抵抗を見せた。 大声で叫んで足を蹴るように暴れさせる。 それを鬱陶しそうに躱しながら三人は手慣れたように綾人の体へと触れてきた。 「はいはい。今にヒイヒイ善がらせてやるからさ」 ズボンのベルトを引き抜かれ、真っ青になる。 「どうせ、処女じゃねーんだろ?勿体振んなよ」 耳元で囁かれ、首筋に舌を這わされて綾人は気持ち悪さに体を身震いさせた。 「怯えて可愛いな〜。すぐ気持ちよくしてやるよ」 そういって、ズボンのボタンを外された時、綾人の絶叫が轟いた。 「だ、誰かぁぁあーーーーっ!!!誰か!た、助けっんぐぅ!!!」 うるさいと、複数の掌で口を封じられ絶体絶命に追い込まれた綾人は目尻に浮かべた涙を一筋流したとき、この場にそぐわない楽天的で飄々とした男三人を軽〜く去なす言葉が上から降ってきた。 「ちょいと、ちょいと、お兄さん方〜」 綾人を含む四人が空を見上げた。すると、建物の窓を開けて自分達を見下ろすように一人の男がひらひら手を振って笑顔を見せた。 「「「げっ!!門倉 優一!!!」」」 綾人からは陽射しが邪魔をしてその人物の顔をちゃんと見ることは不可能だったが、三人の男達は彼の声も手伝ってか、その男の名前を叫んで顔を青くさせた。 「先輩方〜。新入生、虐めちゃダメですよ〜」 窓の縁で頬杖を付いて困ったなと笑う男は何かを思い付いたらしく、スッと姿を消した。 しかし、直ぐにまた窓から姿を見せると手には大きなダンボールが担がれていて、それを窓からヒョイっと投げ捨てる。 「「「うわぁっ!!!」」」 四人の丁度、真横にドスンっと大きな音を立ててダンボールが地面に着地する。 なかなかの重みを感じさせた音に綾人は新たな恐怖に駆られて身を固めた。 三人の男達はこぞって逃げように綾人から手を引いて立ち上がる。 「丁度、三箱あるんですよ〜。メインホールまで持っていかなきゃ駄目で、先輩達手伝ってくれますよね?」 有無を言わせない優美な笑顔と圧をかけてくる声色に、門倉 優一と呼ばれた男は残り2つのダンボールをボンボンっと、窓から放り投げてきた。 それをワーワー騒ぎながら当たらないように避けて、三人は一人一つずつ箱を持つと一目散に走っていってしまった。 そんな三人の姿を唖然としながら綾人は見送ったあと、もう一度真上にいる男を見るべく顔を上げた。

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