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第7話

・・・・・え? な、なに・・・ 一体なにが起こってるわけ? 自分の腹へ跨り、楽しそうに目を細めて嗤う男に綾人は頭の中を真っ白にした。 「俺の可愛いおもちゃになってよ。そしたら三年間俺がお前を守ってやるよ。俺が卒業した後もキッチリと」 「・・・・・」 言われた意味が理解できなくて無言でいたら、長くしなやかな指に輪郭を撫でられ、親指の腹で下唇をやらしく撫でられた。 「俺が卒業するまでの慰みものになるか、不特定多数のおもちゃにされるか選びな」 ニヤリと不敵に笑う門倉に綾人は青ざめた。 まさか、自分を助けてくれた人が今度は自分を襲うだなんて予想外な出来事にパニックになる。 「む、無理っ!」 身を捻って逃げようとしたとき、体重差が違い過ぎてビクともせず、綾人は唯一自由な足をバタつかせた。 そんな些細な抵抗も門倉は綺麗に無視すると、近くに転がるボトルへ手を伸ばした。 それは先程、自分を襲おうとした男達が落としていったローションだった。 「や、やめて!他のことなら何でもするから!!パシリでも何でもする!殴って蹴っても構わない!!だから・・・」 涙声で叫ぶ綾人に門倉は蓋を開けて掌にローションを垂らすと、それを見せつけるかのように、ベトリと綾人の頬へなすりつけた。 「君にそんな要望する馬鹿って存在するわけ?」 クスリと馬鹿にするように笑われて綾人は目の前が真っ暗になった。 いつも何かと貞操の危機が訪れてはいたが、なんだかんだと逃げ切ってきた。 それをこの男を前にして逃げられる気がしないのだ。 ガタガタ無意識に震える綾人の体に門倉が気付いたとき、上品で優美な笑顔とは不釣り合いな言葉が無情にも囁かれた。 「それじゃあ、綾ちゃん。体の相性試そっか」

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