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第24話
くそぉぉぉおーーーーー!!!
嫌い、嫌い、嫌いっ
あの余裕な顔が嫌い
あの無駄にかっこいい笑顔も嫌い
世の中、全てが自分のものと思ってるあの雰囲気がすっごい嫌いっ!!!
綾人は廊下で偶然、門倉と会ってからずっとあの不敵に笑う無駄に整った顔が頭から離れず始終苛立ち、不機嫌に顔を顰めていた。
周りの親衛隊達はそれはそれで天使の不機嫌っぷりに目をハートに輝かせていた。
本日の授業が終わって寮へ帰ろうとすると、またクラスメイト達は綾人を取り囲んだ。
「変な奴らが来たら困るだろ?」
「白木のこと、守るよ!」
「俺らを頼れよな」
勘違いしまくりの男達に辟易しながらも綾人は笑顔を絶やさない。
早く部屋に帰って一人になりたい
綾人の本音が渦巻く中、それを阻止するように親衛隊の一人が綾人へ言った。
「白木、今日寮へ戻ったらゲームしないか?お前の部屋に遊びに行くよ」
「えぇ!!」
強引な遊びのお誘いに綾人は無理無理と首を横へ振るも、周りの男達も興奮し始め、俺も俺もと挙手しだした。
「無理だってばっ!その・・・、宿題もあるし・・」
青い顔で今日出た宿題を盾に断ろうとすると、眼鏡を掛けた秀才的存在がビシッと手を挙げる。
「俺が教えます!なんなら、白木君のプリント仕上げます!」
眼鏡君の台詞に周りの男達は決まりだと勝手に盛り上がって綾人の腕を引っ張って教室を出て行った。
ど、どうしよ・・・
まずい、こんな奴ら部屋に入れたら絶対危ない
腕を引かれ、背中を押されて逃げないように周りに壁を作るよう囲われた綾人はどんどん青ざめていった。
ー 守ってやるよ ー
大ピンチの中、綾人の脳裏にそう笑う門倉の姿が浮かぶ。
やだ!
あんな奴なんか、頼らないっ!
拳を握り締め、綾人は自分を奮い立たせるように歯を噛み締める。
こいつら全員、手玉に取って懐柔してやる
ピンチをチャンスに変える精神論で綾人はこの難局に無謀にも立ち向かった。
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