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第29話
綾人の部屋は荒れに荒れて、鍵まで壊された事により、門倉は自分の部屋に綾人を運んだ。
部屋に着くなり風呂場へ連れて行かれ、門倉は返り血に染まる制服を脱ぎ捨てていく。
見た目に反した逞しい体躯が露わになって目を奪われた。
「汚れたから風呂に入るけど、綾も入る?」
ジッとこっちを見ていた綾人に聞くと、顔を赤くしてブンブン首を横へ振られた。
「じゃあ、ベッドの上で待ってて」
そう言って門倉は一人、シャワーを浴びに浴室へ入っていった。
残された綾人は混乱してはいたが、とりあえず脱衣所を出た。そして、門倉の部屋を見渡す。
ワンフロアだがとても広くてホテルのようで綺麗だった。
大きなベッドが目の端に止まり、先程のベッドの上で待てと言う言葉に赤面する。
しない!!
そういう事、しないっ!!!
ぶんぶん首を横へ振って綾人はキャラメル色のソファへちょこんと腰掛ける。
シャワーを浴びる音が微かに聞こえてきて心臓がドキドキ鳴った。
さっきの恐怖の音とはまた違ったドキドキに頭の中がめちゃくちゃになる。
そして、心を落ち着かせる為にも大きく深呼吸をした。
心臓はまだドキドキしているが少し安心感が生まれていた。
良い人なんだよね?
あんなに悪態吐いてたのに助けに来てくれたんだもん・・・
溢れんばかりの感謝に綾人は心を満たした。
ちゃんと、お礼言わなきゃ・・・
顔を上げて門倉が早くシャワーから上がって来るのを綾人は少し緊張しながらジッと待った。
この後、門倉に全てを奪われるとも知らずに・・・
「あれ?なんで、ソファにいるの?ベッドで待っててって言ったでしょ?」
全裸で腰にバスタオルを巻いてタオルを首に掛けながらまだ濡れる紅茶色の髪をガシガシ拭き、門倉は綾人に近寄った。
引き締まった腹筋や逞しい二の腕がかっこよくて見惚れてしまう自分に恥じて綾人は門倉から顔を背ける。
「何?俺の体に興味ある?」
意地悪な顔で聞かれ、綾人はカァーっと顔を赤く染めて門倉を睨みつけた。
「そんなのあるわけないでしょっ!馬鹿じゃないんですか!?」
憎まれ口をまた叩いてしまい、ハッとして罪悪感に頭を垂らすと門倉は綾人を片手で肩に担ぐように抱えた。
「ぅ、わあぁ!」
荷物のように抱えられ驚くと次に数歩、歩いた先のベッドへそっと降ろされて目を見開く。
「何、驚いてんの?お前、俺のモンになったんだろ?」
トンっと肩を押され、そのまま後ろへ倒れてしまい綾人は身の危険をこの時、ハッキリとキャッチした。
「ま、待って!やだ!ない、ない、ないっ!!絶対やだっ!!!」
自分へ覆い被さってくる門倉に身を翻し、四つん這いで逃げようとしたら、腰を掴んで引きずり戻され綾人は叫んだ。
「嫌っ!絶対やだっ!!」
暴れて手足をバタバタさせる綾人を門倉は綾人の腕を首にかけていたタオルで後ろ手に縛り上げた。
そして、腰を持ち上げ膝を立たせると綾人のベルトを引き抜いてズボンと下着を引き摺り下ろし、そのまま仰向けに転がした。
青い顔で足をバタつかせまだ諦めない綾人の片足を先程引き抜いたベルトで太ももとふくらはぎを折りたたむ様に縛り上げると片方の足を抱えて大きく足を開かせる。
「こ、怖いっ、やめ・・やめてぇ・・・、助けてくれたのに、なんでぇ・・・・」
涙を浮かべて、また蜂蜜色の瞳に恐怖の色が映し出され門倉は綾人の頬を優しく撫でた。
「うん。可愛い。今日は最後までするからな。俺のモンなんだから文句は言わせない」
優しい声とは真逆の俺様発言に綾人は首を横へ振って誤解を解こうとした。
「なってない!あんたのモンじゃないっ!!」
「俺を選んだだろ?」
「そういう意味で選んだわけじゃない!」
「はぁ?何言ってんの?あいつらに輪姦されたいわけ?」
少し体を離して呆れたように聞かれ、綾人は眉を垂らして泣きそうな顔で門倉を見つめた。
「・・・・その顔、逆効果だから。俄然やる気でるし」
囁くように言うと、再び綾人へ覆い被さり、首筋へ唇を当てた。すると怯えたように綾人は首を竦め、震える声で聞いてきた。
「な、何するの?また写真とるの・・・?」
「え?」
「僕、何秒数えたらいい?大人しくしてたら、ひ、百までで許してくれますか?」
ガタガタ震えながら目をキツく閉じて、涙を流す天使に意味が分からず、門倉は首を傾げた。
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