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第51話

side 綾人 無理・・・ ほんと、やだ。 死んじゃう・・・ 門倉が風呂場へ行ったのを機に綾人は重だるい体を一生懸命、起き上がらせた。 体の節々が痛んで苦しい。 連日、非現実的なことが立て続けに己の身に降り注ぎ、気が狂いそうだった。 頭痛はするし、吐き気もある。 普通は風邪を思い浮かべるのが一般的なのだろうが、綾人はそうは思わなかった。 それは己の持つ闇の部分に支障をきたし、キャパオーバーになると心身共に警告ランプがこのように鳴るからだ。 薬・・・ 自分のアイデンティティーが崩れる そうなると厄介だと体を起こすも、先日飲んだ薬が最後の一粒だったのを思い出した。 「・・・・先生」 薬が無いと思うと不安が大きく膨れ上がった。 いつも薬を処方してくれる医師を助けを求めるように呼んだ。 目の前が霞む。 本音はこのまま意識を手放したかった。 だけど、門倉が帰ってくる前に何としてでも逃げなければと綾人は震える足でベッドを降りた。 脱ぎ散らかされて、床に散乱する自分の服を拾って身につけていく。 その時、昨日今日と縛られた腕に赤い痣が残っていて恐怖を感じた。 嫌だと泣き叫んでも解放されることはなく、オモチャで遊ぶように自分の反応を見て楽しむ門倉が怖かった。 どれだけ頼んでも許されない激しい情事は確実に綾人の身と心を支配した。 オモチャ・・・ そう 「恋人なんかじゃない・・・」 門倉 優一はオモチャが欲しかったんだ 二年間、好き勝手してすぐに処分できる そんなオモチャを所望していた 「それが、僕なんだ・・・」 この瞬間、はっきりとその意図を汲み取った綾人はグッと奥歯を噛み締め、急いでこの豪華で美しい部屋を出て行った。 side 綾人 終わり

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