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第64話

「待って!待って!!待って!!!あんなの卑怯だ!無効ですっ!!」 放課後、生徒会室にて箱の中身を門倉と共に集計したのだが、無残なことに「白木 綾人」の票は一枚も見当たらなかった。 門倉 優一の圧勝にて幕を閉じたこの勝負に、綾人は納得いかないと、自分の部屋へ襲いに来た門倉から逃げ回りながら抗議の声を叫び続けていた。 「綾ちゃん、往生際が悪いよ〜」 寮長という職権乱用にてスペアキーを使用し、綾人の部屋の鍵を開けて入ると、ニヤニヤ笑いながらガチャリと再び鍵を閉める。 そして、ズカズカと部屋へと入っては我がもの顏で門倉はソファへと偉そうに座った。 「さてと!外、結構ギャラリー来てたし始めちゃう?それともお風呂入る?」 シレッとお茶にでも誘うような口振りで言ってくる門倉に顔を真っ赤にして綾人は怒鳴った。 「するわけないだろ!?このド変態!!帰れ、馬鹿っ!!」 「ひっど!!それが負けた人間の言うセリフ?」 紅茶色の瞳を細めて仕方ないな〜と、呆れる門倉は部屋の隅っこで固まる綾人を見つめた。 「そんな悪い子にはお仕置き必要かな〜?今日は面白いの持ってきたんだよね〜」 ふふっと楽しそうに笑う門倉に綾人が青ざめていると、ポケットからピンク色のたまご型の物体を取り出した。 「これ、な〜んだ?って、天使には分かんないかな?」 クククッと楽しさを抑えきれないと言わんばかりの笑みを浮かべ、門倉は立ち上がった。 本当にそのピンク色のたまご型の正体がなんなのか分からない綾人は眉間に皺を寄せて首を傾げる。 そんな無知な顔をこれから乱れ狂う姿へ変わることを想像するだけで、門倉の下半身はうずうずとした。

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