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第97話
「はぁ、あっ・・、ンンゥっ・・・」
ビクビク体を跳ねさせて、縋るもの欲しさに綾人は自分の枕を抱きしめては門倉から与えられる愛撫に耐えていた。
「ここ、気持ちいい?」
自分の唾液で潤した後孔へ指を三本入れると、門倉はぷっくり膨らむ前立腺をゆるゆる撫で上げる。
「アアッ・・・んっぅ、やっやっ・・そこ、やぁあ・・・」
涙を流し、上へ逃げようとする綾人を門倉が許すはずもなく、腰に腕を巻きつけて下へと引き戻すとガッチリ固定して、その前立腺を三本の指で抉った。
「ひぃっ・・・んんっアァーーーッ、はっ、アァ・・・、や、やめてぇ・・や、優しくっ優しくしてぇ・・」
いきなりの強烈な刺激に体をガクガク震わせて、綾人は門倉の腕を掴み、爪を立てて哀願する。
「優しくじっくりされるのがいいの?」
ニヤリと口元を歪めて聞くと、綾人は壊れた人形のようにこくこく首を縦に振った。
「じゃあ、久々だけどここで一回出してみて?」
前は弄らず、後ろのみで達しろと言ってくる門倉に綾人は無理だと瞳を潤ませた。
「大丈夫、俺がちゃんとイかせてあげるから。ね?」
楽しそうに微笑む門倉は綾人が暴れないように腰をもう一度抱え直し、三本の指を前立腺目掛けて何度も突き上げた。
「あっひぃっ、はぁふぅ・・・っん、んぁ・・・、ら、らめっ、はげしっ・・・」
全身をビクンビクンッと、魚のように跳ねさせ、綾人は体を反らせて、涙と涎を溢れさせた。
「ァアーーーッ、イ、イくぅっ・・・、イっちゃっ・・・アッァ、アァーーーーッ・・・」
どれだけ暴れても逃げようとベッドを蹴っても、門倉からは離してくれないのだと綾人は分かると、抵抗する手を離して気がおかしくなりそうだと、自分の頭を両手で抱えて泣き喘いだ。
「イ、イくぅっ・・・、か、かどく、らせんぱっ・・・出るぅ・・」
「ん〜。もう、出てるよ。ほら・・・、こんなにいっぱい」
どうやら、気が付かない内に既に達していたのか、綾人の腹の上には自身がぶち撒けた精液が飛び散っていた。
それを門倉は長い指で掬い上げると、見せつけるように舐めながら綾人へ教えてやった。
「濃いね。あれからしてないの?」
卑猥な質問に綾人は顔を赤くして顔を伏せると、門倉は勝手に答えを見出す。
「3回ぐらいしたって感じだね」
「1回ですっ!!」
回数が多く、誤解されたくない思いから咄嗟に叫ぶと門倉は目を丸くして綾人を見た。
しまったと、赤い顔を更に朱に染めていくその様が可笑しくて、門倉は吹き出してしまう。
「くくくっ・・・、綾ちゃん可愛過ぎっ!気持ちいいこと、一人でしたんだね」
嫌な言い方をしてくる門倉が憎くて睨み付けると、怖い怖いと肩を竦めて抱き締められた。
「その時、後ろも弄った?」
「そんなことするわけないでしょ!!」
ふざけるなと叫ぶと、それは残念だと門倉が笑った。
「あ〜。本当、可愛いな・・・。ねぇ、どうしてそんなに可愛いわけ?」
馬鹿げたことを聞いてくる割にキスをしては答えさせない門倉に綾人は絡めてくる舌に必死についていった。
「っん・・・、はぁ・・ぅ・・・」
甘いキスに意識が朦朧とする。
体の芯は再び熱も持ち、熱くなっていった。
腰を太ももへ擦り寄せてくる門倉のものも衣服越しでも硬くて熱を感じた。
こんな綺麗な顔をしていつも余裕たっぷりの澄ました男も欲情するのだと思うと、綾人はなんだか少し嬉しい気持ちになった。
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