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第129話
「おい、ローション貸せよ」
目の色を変えた男が綾人の白く細い太ももに噛み付くとローションを求めるように手を伸ばす。
「イッたぃ!!」
噛み付かれ、痛みに涙を散らせては身を竦めて悲鳴を上げる綾人に今度はあちこちから手が這わされた。
「この乳首も噛んでやろうか?」
ギュッと、乳首を抓りあげられ痛みと恐怖に体が震える。
「痛いのと気持ちいいのどっちがいいんだよ?お前から強請れ」
ビデオを回して、綾人の中心のものを踏みつけては嬉々として命令してくる宏樹に綾人はキツく目を瞑って身を固くした。
「あれれ〜?痛いのが好きなわけ?」
踏みつける足にググッと力を加えられ、強烈な痛みに綾人が泣き叫んだ。
「いやァアーーーッ・・、い、痛いっ!やだっ!!痛いのヤァ!!」
逃げようと腰を捻って暴れる綾人に男達の興奮が高まっていった。
ローションを双丘の狭間にある蕾へドバドバと掛けられる。
冷たさに身を萎縮させ、閉じた瞳を薄っすら開いたとき、男達が下半身を露わにし始めて頭の中を真っ白にした。
もう、駄目だと目の前を真っ暗にさせ蜂蜜色の瞳から光を失いかけたとき、インターホンが鳴った。
「・・・え?誰だよ?」
これからだという時にと、舌打ちする三人が宏樹を睨む。
「俺も知らねーよ!」
時刻は夜の9時。
両親はいないし、この友人三人以外誰も呼んではいない。
無視をしようかと思ったら、今度はそのインターホンが間髪入れず連続で鳴り始めた。
「うっせぇなっ!!」
宏樹はビデオカメラを机の上へ置くと、誰だとリビングの扉脇に付けられている玄関のカメラモニターに出た。
「はい!」
不機嫌な声を出すと、カメラに映し出されたのは息を呑むほどの美男子に宏樹は目を見開いた。
男は優雅に微笑んでカメラへ向かって名乗る。
「こんばんは。俺、立春高校二年の生徒会長しております。門倉 優一と言います。綾人君居ますか?」
「え!?」
まさかの綾人の客人に宏樹が狼狽える。
リビングの地べたへ無残な姿で押さえつけられている綾人へ目を向けると、モニターから聞こえた門倉の声に綾人を含む三人が驚いていた。
「か、門倉せんぱっんぐぅ!!」
一番早く我に返った綾人が大声を上げようとしたのを一人の男に口を覆われた。
それを見て宏樹は口早に門倉へ対応した。
「すみません。綾人の奴、どっかほっつき歩いていていないんですよ」
「・・・・」
「門倉さんだっけ?あんたが来たことは伝えときますので・・・」
そう言うと、通話ボタンを切ろうとしたときカメラに映っていた門倉がカメラ目掛けて拳を振るった。
ガコンッと、凄まじい音はカメラを通さずも玄関口からも聞こえた。
殴られたインターホンは壊れたのか、門倉の姿を映さずに真っ黒な画面に時折ノイズが走る始末だ。
『十秒待ってやる。扉を開けろ』
機械音が乱れるインターホンから門倉の凄む声が聞こえて、宏樹はゴクリと喉を鳴らし、怒りに顔を赤くした。
「この野郎!人ん家潰しやがって!!」
ドタドタと廊下に出て玄関の鍵を開き、怒鳴り付けようとした瞬間、顔面を石か何か硬いもので思い切り強打された。
「ぐァぁっ!!」
鼻の骨がミシリと音を立てて折れるのを確実に感じたと同時に目の前が白く霞んで、宏樹の意識が飛んだ。
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