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第135話
「・・・・んっ、ンンッ・・」
後ろから抱きすくめるような形で一緒に湯船に浸かる綾人は門倉の仕掛ける悪戯な指先に悩まし気な声をあげていた。
「はぁ・・・、お湯っ・・は、はいるぅ・・・っ・・」
バシャバシャと逃げようと身体を浮かせる綾人の腰を腕に巻きつけて引き寄せると門倉は首筋へと舌を這わせる。
「ローションなかなか、取れないね」
ベッドでのカミングアウト後、永遠抱きしめ続けてはキスを繰り返してくる門倉に綾人は徐々に落ち着きを取り戻すと、体が気持ち悪いとお風呂に入りたいと言った。
直ぐに湯を沸かし、何処かへ電話をした門倉は綾人を抱きかかえて一緒にお風呂場へ連れてきたのだが、どういう訳か自分の体を洗うと頑なに譲らない門倉と先程から一緒に湯船へと浸かっていた。
宣言通り、男達にかけられたローションを洗い流すようにさっきから臀部にてヌルヌルしている滑りを指で擦られてヤラシイ気持ちになってくる。
「せ、石鹸・・・、石鹸で洗うっ・・」
体が完全に反応する前にと、顔を赤くして門倉から逃げようと腕を引き剥がすと、綾人は浴槽から出た。後を追うように一緒に出てくる門倉だったが、その下半身のものは大きく育ち、興奮を示す反応をしていて、綾人は目のやり場に困って顔を伏せた。
「おいで。洗ったげるから」
膝の上へ横抱きに座らされ、また逃げ道を奪われる。
「あ、あのっ!僕、自分で洗っんぅ・・・」
顔を上げて断ろうとした時、唇を奪われ、そのままぬるりと舌を差し込まれて口内を蹂躙される。
「ぁ・・・ふっ・・ンッ・・・」
息苦しくてビクビクと体が跳ねると、門倉の石鹸で泡立てた掌が綾人の体を這った。
「あっ、んぅ・・・」
背中から胸、乳首とゆるゆる刺激を加えて触れてくる手にキスの合間から甘い声が漏れる。
それが自分のものかと思うと恥ずかしさに気が触れそうだった。
「や、やめてっ・・・、なんかヤダッ・・」
声が反響していつも以上に煽られる自分に嫌気がさし、同時に従兄弟に罵られた言葉を思い出した。
『男好きの淫乱な体』
違うと首を横へ振るものの、門倉の愛撫に体が蕩けていく。
そう思うと、自分は本当に男好きの淫乱な体へなってしまったのではと涙が滲んだ。
「今日、あいつらに何された?」
太ももの噛み跡を見つけた門倉の声に険が篭る。
はあはあと荒い呼吸で張り詰める自信を両手で隠して綾人は唇を結んだ。
「キスされた?」
耳を甘噛みされながら聞かれ、綾人が身を竦める。
「ンぅ・・・」
「答えて」
厳しい口調で尋問してくる門倉に綾人はふるふる首を横へ振った。
「ちゃんと言葉で答えて」
曖昧な態度の綾人を責めるように追い詰めると、綾人は泣きそうな声で答えた。
「さ、されてない・・・っ・・」
その返答に自分でも驚くほど安堵した門倉はギュっと、キツく綾人を抱きしめた。
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