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第151話

ー ピンポンパンポーン ー 『1年A組。白木 綾人・・・』 校内に響く放送に綾人は顔を上げると、その声の主に笑顔になった。 「門倉先輩だ!」 自分との約束を守ろうとしてくれていることに嬉しさを感じ、綾人は屋上にて身を隠していたのだが、急いで扉を開いて放送された一階の体育館小ホールへと向かった。 パタパタと走るその姿にすれ違う男達の視線を奪っていく天使の頭の中は門倉でいっぱいになる。 野次のように呼び止められてはナンパを受けるが、全てスルーして一目散に放送された小ホールへと走って行った。 体育館小ホールでは「花の間」というイベントが催されていた。 そっと、扉を開くとその空間は春から冬の代表的な花が敷き詰められていて、ホールは女性客に絶大な人気を誇っている。 高い天井は青空を思わせる壁紙へ替えられていて上からはヒラヒラと天使の羽に見立てた紙吹雪が舞い落ちる。 天国があるのなら、このような場所なのかもしれないと錯覚を思わせる不思議な時間を過ごせそうだと綾人は感嘆の声を上げた。 「凄い・・・、綺麗・・・・」 惚けては花畑の中央へ移動し、空を見上げていたら出入り口の扉が開き、複数の黄色い声がホールを響かせた。 「門倉くーん!」 「この後、一緒にメインホールで踊ってぇ〜」 「私よ!私と是非、一曲お相手してっ!!」 「ダメよ!ダメ!!門倉さんはわたしのモノよ!」 門倉の両腕に絡みついては必死に自分達をアピールし、ライバルに牽制するのは、容姿に優れた美女ばかりだった。見るからに品も良さそうな彼女達はおそらく何処かの令嬢なのだろう。 そんな彼女達へ困った顔をするものの、優しい笑顔を保っては女の子達に接する門倉に綾人は眉を垂らして、後ろを向いた。 ・・・やっぱり今日は無理そうだ 女の子達と楽しく過ごさせてあげるに越したことはないと、花畑を横切り通行口である裏口からホールをあとにしようとしたとき、一人の男とぶつかった。

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