168 / 309
第168話
「「ダブルデート‼︎?」」
昼休み、四人でご飯を食べようとざくろは九流へメールをして屋上へと呼び出した。
綾人と二人で食事を楽しみたかったのか門倉はあまり乗り気ではなさそうだったが、嬉しそうに笑って昼食をとる綾人の姿に心を和ませる。
そんなとき、ざくろから次の土曜日に一緒にデートしようと提案され、門倉と九流が眉間に皺を寄せて声を被らせた後、口々に文句を言い始めた。
「・・・えー。綾と二人ならまだしも、お前らが一緒だとな〜」
「それはこっちのセリフだっつーの。なんでこいつら誘うんだよ。二人でデートしたらいいだろ?」
いがみ合う二人を前にざくろはお弁当を突つく手を止めて、頬を膨らませた。
「そんなこと言いますけど、二人共、俺と綾が二人で外出するの許してくれませんよね!?このままじゃ、パンケーキ食べに行く約束が果たせないんですけど!」
付いてこないというなら、二人で出掛けさせろと安易に意思表示するざくろに門倉と九流は口籠る。
「なに?パンケーキ食べたらそれでいいわけ?」
門倉が仕方ないと溜息を吐くと同時に折れ始め、綾人は目を輝かせた。
それを見たざくろが水族館へ誘う。
「その後、水族館行きませんか?妹から無料チケットを4枚貰ったんです!」
嬉々として差し出すチケットを九流が受け取った。
「水族館ねぇ〜」
あまり興味はないようだったが、まあいいだろうと頷く九流にざくろは綾人に良かったねと頭を撫でた。
嬉しいと笑ってざくろに抱きつく綾人を見て門倉がムッとする。綾人の首根っこを引っ張ってはざくろから引き剥がすと、耳元で意地悪な言葉を囁いた。
「金曜日、手加減はしないからね」
「っ!!」
その言葉に顔を真っ赤にしては門倉の胸元を腕を突っ張って押し返すと、綾人は逃げるようにざくろの後ろへと隠れた。
ともだちにシェアしよう!