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第183話

門倉家執事がボードゲームやらテレビゲームやらと沢山のおもちゃを運んできて、二人は朝方までギャアギャア騒ぎながら遊んだ。 最後はどちらが先に寝たのか分からないぐらいで、ソファの上で抱きしめ合って二人して眠りについた。 そんな二人も昼過ぎには目を覚ます。 それは部屋をノックする音が目覚ましになったのだが、まだボンヤリしては寝起き姿の綾人をソファへ座らせて門倉は欠伸をしながら扉へと向かった。 「はいはい。どちらさま〜?」 扉を開くとそこには九流とざくろが立っていた。 昨日、一緒に出かけたのに途中はぐれて申し訳ないとざくろが謝りに来たのだ。 「なんだ?今、起きたのか?」 九流の質問にまた欠伸をする門倉が頷くと、ソファに座る綾人へ二人は目をやった。 とても眠そうで目を擦る姿が愛らしい。 「昨日は綾ちゃんがなかなか寝かせてくれなくて」 部屋へ入るなら入れと門倉が背を向けると、九流がズカズカと入室する。その後ろを恐縮するように続いて入ったざくろは扉を閉めた。 「・・・ゲーム?」 机の上に散乱した沢山のテレビゲームやらボードゲームを前にざくろが首を傾げた。 「昨日、門倉先輩と勝負してたんだ。この人、大人気ないからムカついたけど、楽しかったよ!ざくろもする?」 にっこり笑ってゲームを指差す綾人にざくろと九流はなんとも色気のない寝不足事情だと笑った。 「仲良しで良かった・・・」 また喧嘩してるのではないかと、心配して様子を見にきたのだが仲良く遊んでいたならとざくろは胸を撫で下ろした。 そんな風に自分の事を心配してくれていたのかと知った綾人はざくろへ感激すると、ガバっと抱きついた。 「ざくろ、好きー!ねぇ、今日は一緒に遊ぼう?」 猫のように懐いては甘えてくる綾人が可愛くて、いいよと笑うとざくろはソファへと腰掛けた。 そんな二人を見て、九流と門倉は各々甘い時間を過ごしたかったものの、仕方ないかと頭を掻いた。

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