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第196話
「・・・・っ!!」
深夜の3時過ぎ、綾人はバチッと目が覚めた。
どうやら門倉にあやされるまま爆睡してしまったようだ。
目の前には綺麗な王子様の寝顔がどアップに広がって、度肝を抜かれた。
いつも自分の方が早く寝てしまうし、起きるのもなんだかんだと門倉の方が早くて寝顔を見る機会がなかった。
腕の中にずっと抱いてくれていたのか、腕枕されてることにドキドキ胸が高鳴った。
カッコいい・・・
門倉の美貌にたっぷり見惚れると、今度は喉が渇いたと欲望が出てきた。
甘いカルピスが飲みたくてそっと絡みつく腕の中を抜け出そうとしたとき、強い力で引き戻されて驚く。
「わっ!!」
「どこ行くの?」
眠そうな声が耳元で囁かれ、綾人は顔を赤く染めた。
「お、起こしましたか!?ごめんなさいっ‼︎僕、喉が渇いて・・・」
「・・・ん。カルピス?」
理由を話すとそっと体を離され、綾人はそそくさとベッドを降りた。
冷蔵庫へペタペタ歩いていき、カルピスを取り出すと、ベッドの上の門倉は上体を起こして伸びをしながら欠伸をする。
「綾ちゃん、俺にも水取って」
「はい」
カルピスを飲んで冷蔵庫に直すと、常備されているペットボトルのミネラルウォーターを手に持って門倉の元へと戻った。
「ありがとう」
封を開けてごくごく飲む門倉も喉が渇いていたようだ。
お腹も空いたと思ったが、時間も時間で我儘も言えず寝直すべきかと思ったら門倉がベッドから降りた。
「お腹空いたんじゃない?ご飯、冷えたけど食べる?」
テーブルの上を指差され、目を向けるとハンバーグが用意されていた。
「ハンバーグだぁ!」
嬉しいと、目を輝かせる綾人においでと手を引っ張ると門倉も一緒に席に着いた。
食事は2人分あってまさか、門倉も夕食を食べていないのかと目を向けると、にこりと優しく微笑まれる。
「綾ちゃんと一緒に寝ちゃったんだ。変な時間に起きたけど、これはこれでスッキリするね〜」
ぽんぽんと頭を叩いて笑う門倉に綾人は申し訳なさそうに俯きながら謝った。
「・・・ごめんなさい」
「何が?疲れが溜まってたんでしょ?」
「・・・でも、エッチもしてないし」
金曜日はいつもその為に泊まりに来ているのだ。契約の元、変な気を遣わせて無駄にさせたと気を止んでいると、門倉がハンバーグや野菜の盛られた皿を持って椅子から立ち上がった。
「変なとこ律儀だよね。ハンバーグ、レンジで温めるから待っててね」
カラカラ笑って最新式のレンジで夕食を温め直す門倉を綾人は目で追った。
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