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番外編・綾人の誕生日
7月24日、それは綾人の17歳の誕生日。
やたらと忙しい生徒会業務もひと段落した門倉はこの日の為の計画を立てようとしていた。
隣のソファにてうつ伏せに寝そべる綾人は足をパタパタさせながら漫画を読んでイチゴ味のお菓子を摘みながらマッタリ過ごしている。そんな無防備で可愛い姿に癒された。
誕生日当日は始終笑顔で過ごさせてやりたくて門倉はまず、手始めに綾人へのプレゼントを考えた。だが、悲しきことにいまいち綾人の好みを把握しきれていない門倉は何を贈ればいいのかさっぱりで、ここはひとつ誕生日に向けてのサプライズを兼ねて調査に出る事に決めた。
「綾ちゃ〜ん。明日の土曜日お出かけしよっか?」
「やだ〜」
即答で拒否され、言葉に詰まる門倉はピシッと固まる。
「・・・なんで?」
ツンツンっと綾人のつむじを軽くつつきながら聞くと、少し顔を赤くした天使が漫画本から顔を上げ、上目遣いで告げてきた。
「だって、今日もするんでしょ?体しんどくなるもん」
最後はフイッと視線を逸らされ、ころりと横向きに寝返りを打つ綾人に門倉の心臓がぶち抜かれた。
くぅ・・・。可愛い・・・・
今日はしないって言ってやりたい
言ってやりたいけど・・・
「じゃあ、日曜日に出かけよう?土曜の夜はしないから!」
姑息な歩み寄りの提案を持ち掛けるが、えーっと、乗り気にはなれない不満の声が綾人から返ってきた。
ここは自分が今日、我慢すればいいのだろう。
目に見えた明確な事実に門倉は天を仰いで精神統一に努めた。
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