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番外編・第5話

「門倉先輩が最近、憎くて仕方ない・・・」 月曜日の昼下がり、門倉と九流に昼食を誘われた綾人とざくろだったが、どうしても嫌だと綾人が駄々を捏ねた為に今日はざくろと二人のみでお昼のランチを取っていた。 「喧嘩でもしたの?」 ざくろが働くパン屋でもらったサンドイッチを仲良く食べながら、不穏な空気を漂わせる綾人にざくろが聞く。 「喧嘩じゃないけど、凄いやだ。一緒にいたくない」 それは、嫌いということだよね? と、流石にざくろも口に出来ず綾人を盗み見るように視線を向ける。 「何か嫌なことされた?」 「毎週されてる。あの人とは本当に性癖が合わないみたい」 あっ!そっちか!! と、合点がいったざくろは胸を撫で下ろした。 「門倉先輩も上手そうだもんね」 にこやかに笑う親友は恐らく綾人が訴えている事を察せてはいないだろう。そんなざくろに大きな目を半分閉じて、じとりと睨みつけた。 「ざくろはエッチ好きなの?」 「えぇ‼︎?」 ストレートかつ大胆な質問に赤面し、硬直すると綾人が嫌そうに顔を歪めて呟いた。 「僕は嫌い。別にエッチなんてしなくていい。それに、門倉先輩は僕のこと苛めるのが好きなだけだから苦痛しかないもん」 「そうかな?門倉先輩、綾のこと好き過ぎて仕方ないって想うけど?」 「演技だよ。本当に好きならあんな死にそうなことしないもん」 ムーッと眉を寄せて不機嫌さを増す綾人にざくろがこれは拗れてるなと冷や汗を流した。 「それじゃあ、今週はエッチしないって言ってみたら?」 「・・・・それはダメ。契約違反だもん」 下を向いて元気をなくし、ポツリと答える綾人にざくろはどうしたものかと頭を悩ませた。 「さっいじょ〜君!」 放課後、親衛隊によって攫われるように帰っていった綾人を見送ったざくろは一人で寮へ帰宅をしていた。 その時、目の前ににこやかな笑顔を浮かべる門倉が現れ、手招きをされる。 何だろうかとトコトコ近付いて行くと、がらんっとした寮の中の食堂へと連れてこられた。 「何飲む?」 自販機を指差され、ざくろはお礼を言いながらレモンティーをお願いした。 門倉はレモンティーと自分用のブラックコーヒーを買うと近くの椅子へと腰掛ける。 ざくろも倣って会釈すると、門倉とテーブルを挟んだ目の前の席へと腰掛けた。

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