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番外編・一緒に暮らそう 2話

「ムカつくーーーっ!あの男、僕のこと何だと思ってるわけ!?」 あまりの横暴さに綾人はこれ見よがしにキチンと掃除をして部屋を綺麗にしてから親友のざくろの元へと走っては門倉の愚痴を吐き出していた。 ざくろは今、恋人の九流の部屋で共に暮らしている。 なのでこの部屋には勿論、門倉の親友であり、幼馴染みの九流もいるのだが…… 「あいつと一週間も同じ部屋で過ごすってお前、凄いな」 と、お怒りを受けるどころか感心と賛賞を貰って綾人は微妙な気持ちになった。 「門倉先輩ってもしかして潔癖ですか?」 自分より遥かに門倉との付き合いが長い九流に綾人が聞いてみた。 その質問に九流は腕を組んで曖昧に答える。 「潔癖なのかな?でも、ゴキブリがいても全然気にせず寝られる感性の持ち主だしな。変に完璧主義者なんだよな〜。あいつ、自分ルールっての持ってるから……」 「自分ルール?」 ゴミでも虫でも鬼でも確かにその辺はなんでも来いタイプな門倉だとは思っていたが、『自分ルール』という初耳の単語に綾人は反応した。 「物でも人に対してもこうしたいとかこうして欲しいっていう想いが生まれたら、それに向かって実行する奴なんだ。だから、周りが付いてこれなきゃ付いて来れるように教育してきたり、切り捨てたりするんだよ」 「それって僕、今教育されてるってことですか?」 「そういうことだな……」 とにかく、自分の理想を相手に押し付けてその理想に当て嵌めさせるのが門倉流らしかった。 今思えば確かに門倉にはそんな節がある。 というより、考え方が王様なのだ。 『自分の命令は絶対!』 これが門倉の根っこにはびこっているのだと綾人は溜息を漏らす。 家柄も良ければ、能力スキルも高い男ならそうなってもおかしくないのかもしれない。 周りは門倉を一目置いているし、家でもそのような素振りで注意を受けることもないと聞いた事があった。 だけど…… 「僕には苦痛以外の何ものでもないじゃんっ!!」 ふざけんなっ!と、机を両拳で叩いては怒鳴る綾人にざくろが宥めていたら、その隣にいた九流が人の悪い笑みを浮かべて提案した。 「門倉の理想、全部に反抗してみれば?」

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