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番外編・一緒に暮らそう 4話

「わ〜!今日はグラタンだぁ!!」 お子様料理が大好きな綾人は本日の学食メニューに目を爛々と輝かせた。 「良かったね」 デザートもきっちり付いている学園の食事は一流シェフが手がけている。 なので味は絶対的保証をされていた。 門倉自身、あまりグラタンだのハンバーグだのと子供メニューが好きではないのだが、恋人の綾人が好む事を知っている為に裏で食事の内容を操作して週ニ、三度はこうした食事内容が食堂では催されていた。 二人でトレイにサラダ、スープ、グラタンに盛りだくさんのフルーツとデザートであるプリンを乗せて食卓のテーブルへと着席する。 「美味しい!」 いただきますと、手を合わせて直ぐにメインのグラタンに手をつけた綾人が足をパタパタさせて喜んだ。 可愛くてそんな無邪気な姿が好きなのだが、周りからの天使を見つめる熱視線が門倉はどうも気に食わない。 「綾ちゃん、行儀悪い。ちゃんと前菜から食べなさい。あと、足をパタパタさせない」 行儀作法にも口煩い門倉の注意が飛んできて綾人はシュンとしながら従う。だが、ふと九流の名案が脳裏に蘇った。 ー 門倉の理想 ー 完璧主義者でプライドが高い門倉は名家生まれな事から、ドス黒い本性を持ってはいれど、かなり品行方正なとてもスペックが高い男だ。 相手にもそれを求めているからこうして自分を躾けているのだと綾人は合点がいった。 だったら…… 「今日はデザートのプリンからたーべよ!」 ニコッと笑って門倉の指示に背き、綾人はデザート用のスプーンを手に取ってなめらかなプリンを救うとパクリと頬張った。 「あまーい!美味しい!先輩も食べる?」 無邪気さを装ってスプーンでひと救いしたプリンを門倉へと差し出した。 自分が食べたものを相手に差し出すなど、かなりのマナー違反。 流石の綾人も知ってはいたが、それを愛らしい笑顔で行った。 対する門倉は周りの視線もあることからどうしたものかと思案する。 あまり時間もかけられないこの状況下に口を開こうとした時、柔らかな声が綾人を呼んだ。 「綾!」 視線を向けるとそこにはざくろと九流が立っていて、トレイを持つ二人は嬉々として自分達の座るテーブルへとやってきた。

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