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番外編・一緒に暮らそう 6話

「またね〜!おやすみ〜!!」 消灯時間である10時ギリギリまでクラスメイト達と談話室で遊んだ綾人は小走りで門倉の部屋へと戻った。 「たっだいまー!」 元気いっぱいに帰ってきては満足気な綾人をよそに門倉のテンションは明らかに低い。 「門倉先輩?」 「おかえり。お風呂、入れば」 短く告げられた口調はとても不機嫌な様子で、綾人は口答えしない方が良いと思い、そのまま風呂場へと直行した。 衣類を脱ぎ捨て、張られたお湯に浸かって一日の疲れを癒した。 体を洗い終わると、ルンルン気分でリビングへと戻り、冷蔵庫に冷やしていたカルピスをグラスに注いで飲んだ。 「美味しい〜」 甘くて口当たりの良いカルピスが大好物の綾人はまだグラスに入ったカルピスを持って門倉の座るソファへと腰掛けた。 淡い水色のパジャマに着替えて、髪が半乾きの天使はまだ不機嫌そうな王様に擦り寄る。 「仕事ですか?」 ノートパソコンを睨みつける門倉に綾人が質問した。その時、門倉がにっこり笑ってノートパソコンを綾人へ向けて提案した。 「どっちのオモチャが綾は好き?」 向けられたパソコンの画面はアブノーマル専用の大人の玩具を販売するサイトで、綾人は固まった。 門倉が提示する二択がまた落差が激し過ぎて怖い。 一つは良く聞く電気マッサージ器。 そして、もう一つは拷問紛いの浣腸タイプの玩具だ。 どっちも嫌だ。 だけど、拷問紛いの商品は絶対嫌だった。 「……」 「もしかして、どっちも試したい?」 答えない綾人にとんでもない台詞を吐いて、両方購入しようとマウスを弄る門倉に絶叫した。 「うわぁぁあーーー!やだやだやだやだっ!!どっちもヤダッ!」 「どうして?どっち選んでも絶対気持ちよくしてやるよ?」 「そんなの要りません!っていうか、良い加減玩具使うの止めてくれません!?」 「どうして?」 いつも気持ち良さそうにしてるくせにと詰め寄られ、綾人は顔を真っ赤にして言葉を失う。 門倉が言うように確かに玩具は気持ちがいい。 いつも分からなくなる程、快楽に落とされてはいるがその実、喜んでいるわけではなかった。 一人、体を弄ばれて寂しさを感じる時もあるし、無機質なモノでイかされた時は悲しくもなる。 もっと門倉自身にちゃんと抱いて欲しいと綾人は常々願っていた。 「この際だから言います!僕、玩具嫌いです。門倉先輩のアブノーマルさにはついていけません。もし、今後も玩具を使うなら別れたいっ!!」 前から溜めていた不満を爆発させ、綾人が言うと門倉は目を瞬かせて息を呑んだ。 その姿に綾人は我に返り、心の中でガッツポーズをとる。 門倉の理想を壊すにはコレが一番効くと思ったからだ。 アブノーマルな性癖を持つ門倉。 なんだかんだと流されるまま付き合ってきたが、今回のこの一件でその性癖を回避できるな 儲けものだと踏んだ。 だが、門倉から返ってきた返答はまさかのもので……

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