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番外編・一緒に暮らそう 8話

「力抜いてね。優しくするから」 チュッと軽く唇にキスを与えられ、綾人は整った顔の王子に見惚れると、言われるがまま体から力を抜いた。 その瞬間を見計らったように門倉は自身にゴムを付けたもので綾人の蕾をゆっくりと散らしていった。 「はっうぅ〜……、あっ、おっきぃ…」 指など比べ物にならない重量感に綾人が顎を反らせて喘ぐと、門倉は細い腰を掴んで一気に自身を推し進め、ゆさゆさと華奢な体を揺さぶる。 「あっ、はぁ、んんっ……、も、っと…せんぱっ……奥に欲しいっ…」 優し過ぎる腰つきに物足りないと綾人が自ら腰を振った。 だが、門倉はそんな痴態に応えることもなく一律の動きで綾人を攻めていく。 「はぁ……イ、いくぅ…」 前立腺を永遠突き上げられ、綾人は門倉の腰に足を巻きつけると気持ちがいいと欲望を爆ぜた。 荒い呼吸のなか、動きを止めて抱き締めてくれる門倉はまだ満足していなくて中でドクドク脈打つ大きな感触を残していた。 第2ラウンドが始まると、息を詰めた時、門倉は綾人から身を引くと、中のものも一緒にズルりと引き抜いてしまった。 「えっ!?な、何?」 一体どうしたのかと綾人が慌てて門倉を見つめると、門倉はまだ怒張している自身を数回自ら扱いてゴムの中で果てた。 「か、門倉先輩!?」 状況が全く把握出来ずに綾人がまじまじ門倉を見やると、門倉は後処理をしながら答えてくれた。 「ん?どうかした?」 「どうかって……」 「え?これがノーマルセックスだろ?何?腰振る回数とかも、もしかて決まってたりすんの?」 「……」 あくまでもノーマルセックスを意識していた門倉は綾人の不満そうな顔にそれなら悪いことしたなと、吐息を漏らした。 「いや、そういう訳じゃなく……。満足してませんよね?」 いつもは2度、3度と求めてくる門倉が服を着ては、自分にまでパジャマを着せてくる始末に綾人は面食らった。 「まぁ……。ノーマルって事自体で満足しないし、その辺は綾は気にしなくていいよ。綾の可愛い姿見れて気持ちは満たされてるから」 よしよしと頭を優しく撫でつけると、門倉は綾人を抱き締めてベッドへ横になった。 「だいたい、週一ぐらいが目安だよね?」 こんな感じでいい?と、優しく聞いてくる門倉に綾人は心の中にモヤモヤを感じたが、気が付けば頷いてしまっていた。 「綾も一緒に暮らすようになって俺に合わせてくれてる事あるもんね。俺も合わせれるようにするよ」 嬉しい決意表明の筈なのに綾人は門倉のその言動に何故か胸の奥がチクチクと痛んだ。

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