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1 事後報告は恋のはじまり!?⑤

……「そんな事、言わないでください」 ぎゅっ 温もりが包む。 強く、強く 離さないと言っている。 (ねぇ、どうして?) いつも どうして? あなたの温もりは、俺の気持ちが分かるの? 「私がこうしたいんですよ」 背中越し。 薄いレンズの向こうの瞳が揺れる。 「触れたい。キスしたい。 あなたの口を塞いだら、次は私の名前を呼ばせたい。 私の名前以外、呼ばせたくない。 あなたを私だけのものにしたい。体の奥まで」 今すぐ、ここで犯したい。 「皆の前で組み敷いて、抱いて、犯して、淫らな声で鳴くあなたを見せつけて、私のものだと証明したい。 まだ足りない。 あなたの全身に痕をつけて、私にしか見えない所に痕をつけて、私の唇が触れていない場所はどこにもない体にしてしまいたい」 それでも足りない。 「乾く間もないくらい、白いいかがわしいミルクで、ヌチョヌチョ、ジュプジュプ淫猥な水音を奏でて、一晩中辱しめたい」 「佐伯ッ」 「あなたの前では、ひとりの雄です」 包む手にきゅっと…… 力がこもる。 雄だから 「私とあなた以外の雄が、絶滅してしまえばいいのに……と思います」 流し見る闇色の双眸に囚われる。 熱で動けなくなる。 「これでも我慢しているんです」 不意に温もりは、握った手を撫でるように。 柔らかく包む。 「あなたに嫌われたくないので」 けれど、もう嫌われてもいいのかも知れない。 微かに、唇ににじませた呟きは誰に届く事なく消えていく。 「佑都様」 男は佐伯の顔で俺の名を呼んだ。 「今夜限りで、お兄様には会えなくなります」

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