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2 孕ませたいくらい愛している!②
勝手に俺を抱きしめて、勝手に俺にキスして、勝手に俺への愛を囁いて。
とにかく、めちゃくちゃ。
俺の兄はめちゃくちゃで。
(めちゃくちゃ俺を愛してくる……)
めちゃくちゃなくせに………
あなたの手………
(ずっと俺を撫でてくれてる)
大きな手の平の温もりが、俺の髪を撫でる。
さっきも、そう。
まどろみの中で、あなたの温もりを感じていた。
傍若無人
唯我独尊
めちゃくちゃなのに、あなたの手はいつも優しい……
どうして?
いつも勝手で、勝手に愛人宣言までするくせに。
(………あれ?)
俺があなたの愛人?
それとも、あなたが俺の愛人?
(ブンブンブンっ)
どっちだっていい!
俺は愛人要らないし、愛人になんてならないんだから!
こんなめちゃくちゃな人★
好きになんてなるものかーっ!!
「お前……今、なんて言ったんだ?」
冷えた声が額に降りた。
髪を撫でていた手が額でヒタリと止まっている。
「私を好きにならない……とは本心か?」
声音が藤弥さんじゃない。
心臓が凍る。
凍った心臓が砕けてしまいそう。
(声に出てた?)
「大きな寝言だな」
藤弥さんの目……
裏社会の頂点に立つ男の顔になっている。
この顔は……
「組長……」
「違うね、社長だ」
逸らせない。
あなたの目から
あなたの顔から
視線が逸らせない。
「お前が独占しているんだ」
裏社会の頂に君臨する、この顔を。
独占しているのは、今……
(俺だけ)
(お前だけ)
チュッ
額に唇が降りてきた。
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