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4 そんなの、ほんとうに!!③
「というわけで脱ぐぞ」
………
………
………
「は?」
『というわけ』はどこに繋がってるんだ?
俺、いまだに航空券の説明してもらっていない。
「キツイんだ」
「知らん!」
「股間がキツイ」
「だから知らん!」
パッツパツを選んだあなたが悪い。
………
………
………
じぃー
否応なく目に付いてしまう。
………
………
………
(ほんと、おっきいな)
なに食べたら、こんなに大きくなれるんだ?
「ムクムク♪」
「口で言うなー!」
効果音いらん★
「お前に見られて大きくなってしまったよ。ムクムク♪」
えっ、これって……
「まだ成長するの?」
「もちろんだ!」
でんっ
「ウギャ」
膝立ちになって、馬乗りで身をかがめている。
狭い車内。
俺の上に藤弥さんが居て、優雅に微笑んだ。
窮地の俺など、素知らぬ微笑で……
「こここッ、これーッ」
「私の性器だよ」
ギャアァァァァァーッ♠♠♠
藤弥さん
組長
社長
お兄様……
有能秘書・佐伯……
どの呼び方が正しいんだ。
否。
呼び方なんて、どうでもいい!
「勃ってるーッ★」
パッツパツ 黒ブーメランの中!
凶悪なブツがぁぁぁーッ!
突きつけられたソレは、今にも俺の鼻頭にくっつきそうじゃないか★
パッツパツ黒ブーメランから飛び出しそうじゃないか★
「出していいかい?」
「ダメ!!」
「なぜ?」
「公衆猥褻罪だ」
「兄弟水入らずのスキンシップだ」
都合いい時だけ兄弟に戻るな。
「いや、違うな」
やっと己が間違いに気づいたか、藤弥さん。
「スキンは付けない。スキンシップにはならないね」
(………………スキン)
はてな?
「コンドームの事だよ」
「ウギャアァァーッ!!」
ニュポム
「出てるーッ」
出てるんだ!
「先っぽ」
黒ブーメランから、はみ出てる!!
卑猥なヤツ
ヌメヌメ、テカテカ
一層膨らんだ、おっきいの
クビレくっきり……
「カリ高だ」
「ムギャアァァーッ♠♠」
そんな解説いらん。
「見れば分かる!」
「そうだね」
………………なぜ、あなたは優雅な笑みを浮かべているんだ?
ゾワゾワゾワ~~~
悪寒が背筋を駆けた。
「どちらが早く脱げるか、競争だ!」
スポーンっ
太股がスースーする。
さっきまで俺の脚を覆っていた布地がない!
なんたる神業!
大事なズボンがない。
脱がされたー★
「さぁ!私がお前のおパンツを脱がせるのが早いかな?」
それとも……
「お前が、私のおパンツを脱がせるのが早いかな?」
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