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5 いけない恋のデカダンス④

………俺は、藤弥さんに愛されているの? 「愛しているよ」 兄弟の愛情じゃなくて? 「どちらの愛情が上かなんて計れないが、世界で一番お前を愛している自負がある」 大きな手が髪を撫でた。 (この手が……) 寂しい時も、悲しい時も。 嬉しい時も、ひとりぼっちでいた時も。 あなたの手が撫でてくれた。 悲しい時は慰めてくれて。 寂しい時は、ひとりじゃないよって言ってくれて。 嬉しい時は、がんばったね、偉いぞって褒めてくれて。 いつも一緒にいてくれた手…… 藤弥さんが一緒にいてくれた。 俺を撫でてくれる…… (大好きな藤弥さんの手) 五年前も、十年前も 「五年後も、十年後も……」 手と手を握った。 右手と左手 左手と右手を握り合う。 「これからも」 「ずっと一緒だ」 唇と唇が重なった。 心臓がドキドキして、鼓動まで藤弥さんにさらわれている。 左胸の拍動まで、あなたの手の中に落ちたみたい…… ドキドキ、ドキドキする。 「愛している」 ドクンッ 鼓動が跳ね上がる。 「何十回、何百回言ったら伝わるんだろう」 切なくて 熱くて 藤弥さんに触れられている場所が全部、溶けてしまいそう。 「きっと一生伝わらないんだろうね」 「どうしてっ」 そんなこと言うんだ。 「だって、そうだろう」 「そんなことっ」 ………ない。 って、そう伝えたかった言葉は、儚くも消えていく。 俺の口から、藤弥さんの口の中へ。 舌を絡めとられる。 言葉も想いも、藤弥さんの中へ消えていく。 「あるよ……」 切ない吐息が耳のひだを撫でた。 「好きだと伝える度に、もっとお前を好きになる。もっとお前を愛してしまう。 好きな気持ちが膨らんで、言葉では追いつかないよ」 だから、佑都……… セックスしよう。 「お前を抱きたいよ」

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