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第14話
「……リチャード……僕、大丈夫だから。……平気だから挿れて」
レイは涙に濡れた瞳をリチャードに向けて言う。
「……」
リチャードは思わず、ごくりと喉を鳴らす。
――夢見てるのかな、俺……
「……リチャードに挿れて欲しい」
「レイ……本当にいいのか?」
「いいよ」
レイはキスをねだる顔をする。リチャードはキスをしながら、レイの中に指を入れて馴らしてやる。
「あ……」
レイは吐息混じりの声を上げながら、リチャードの背中に腕を回す。しばらく馴らすと、レイは自分から俯せになった。
「……バックでして」
「どうして?」
「……男の体見ながらするより、見えない方がいいだろ? 途中で萎えられたら嫌だもん」
「そんなことないんだけど」
「いいから、僕の言う通りにしてよ」
レイの強い口調にリチャードは黙って従うことにする。リチャードはレイの細い腰を両手で支えると、彼の中に自分自身をゆっくりと挿れる。
「あっ……ううんっ……」
レイは苦しそうに声を上げる。
「平気か? 痛かったら止めるよ?」
「……リ、リチャードっ、馬鹿っ、止めないで続けてよっ!」
――セックスの最中に怒られてしまった……明日の朝は反省会……か?
リチャードの脳裏に一瞬そんな考えが浮かぶ。
「レイ、体の力……抜いて」
そう言ってリチャードは少しだけ動きを止めたが、レイの華奢な白い腰を抱えているうちに、欲情する気持ちを抑えきれず、ゆっくりと腰を動かして彼の中へと突き入れる。
「あっ……」
敏感な部分に触れたのか、レイはびくん、と体を大きく震わせた。白い肌が紅潮している。滑らかな背が薄紅色に染まるのを見て、リチャードは我慢出来なくなり激しく奥へ奥へと挿れた。
レイの両手はぎゅうっとシーツを掴んでいた。細く白い指がきつくリネンに食い込んでるのがリチャードの視界に入る。レイはピローに顔を埋めて我慢していたが、リチャードが腰を動かす度に、耐え切れない苦しそうな喘ぎ声が漏れ聞こえてくる。だがリチャードには、もうレイを思いやれるだけの余裕は微塵もなかった。ただ自分の欲望を満たす欲求だけに、頭も体も支配されていた。
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