14 / 17

第14話

「……リチャード……僕、大丈夫だから。……平気だから挿れて」  レイは涙に濡れた瞳をリチャードに向けて言う。 「……」  リチャードは思わず、ごくりと喉を鳴らす。 ――夢見てるのかな、俺…… 「……リチャードに挿れて欲しい」 「レイ……本当にいいのか?」 「いいよ」  レイはキスをねだる顔をする。リチャードはキスをしながら、レイの中に指を入れて馴らしてやる。 「あ……」  レイは吐息混じりの声を上げながら、リチャードの背中に腕を回す。しばらく馴らすと、レイは自分から俯せになった。 「……バックでして」 「どうして?」 「……男の体見ながらするより、見えない方がいいだろ? 途中で萎えられたら嫌だもん」 「そんなことないんだけど」 「いいから、僕の言う通りにしてよ」  レイの強い口調にリチャードは黙って従うことにする。リチャードはレイの細い腰を両手で支えると、彼の中に自分自身をゆっくりと挿れる。 「あっ……ううんっ……」  レイは苦しそうに声を上げる。 「平気か? 痛かったら止めるよ?」 「……リ、リチャードっ、馬鹿っ、止めないで続けてよっ!」 ――セックスの最中に怒られてしまった……明日の朝は反省会……か?  リチャードの脳裏に一瞬そんな考えが浮かぶ。 「レイ、体の力……抜いて」  そう言ってリチャードは少しだけ動きを止めたが、レイの華奢な白い腰を抱えているうちに、欲情する気持ちを抑えきれず、ゆっくりと腰を動かして彼の中へと突き入れる。 「あっ……」  敏感な部分に触れたのか、レイはびくん、と体を大きく震わせた。白い肌が紅潮している。滑らかな背が薄紅色に染まるのを見て、リチャードは我慢出来なくなり激しく奥へ奥へと挿れた。  レイの両手はぎゅうっとシーツを掴んでいた。細く白い指がきつくリネンに食い込んでるのがリチャードの視界に入る。レイはピローに顔を埋めて我慢していたが、リチャードが腰を動かす度に、耐え切れない苦しそうな喘ぎ声が漏れ聞こえてくる。だがリチャードには、もうレイを思いやれるだけの余裕は微塵もなかった。ただ自分の欲望を満たす欲求だけに、頭も体も支配されていた。

ともだちにシェアしよう!