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第6話

ガツン。 その場に火花が激しく散ったような痛々しい音が響き渡りました。 「ご、ごめんなさい!つい会えたことが嬉しくて。僕、本当に要領悪いですね」 泣きべそをかきながら痛む額を押さえながら必死で謝罪していた僕ですが、絶対にこれはモグたんから倍返し以上に怒鳴られてしまう案件だと本能が先程から警告しております。ヤバしです。 『……随分派手なご挨拶だな。これは歌のお兄さん云々の前に、社会人としてのビジネスマナーから叩き込まないといけないようだな』 案の定モグたんの中の人は怒って僕へと迫ってきました。ですがタレ目で愛らしいモグたんの顔のまま、低くセクシーな美声が意地悪そうに話すそのギャップに僕は何故かキュンとしてしまったのです。 こ、これは……ギャップ萌え? それとも僕は色々な人に怒られ過ぎてしまったせいで、いよいよM的要素が開発されてしまったのでしょうか。ドキドキが先程から止まりません。 そもそも僕は男で歌のお兄さんで、モグたんは番組の人気マスコットで熊で。 だと言うのに僕、僕……どうして今、着ぐるみ相手にドキドキしているのでしょうか?! 『だいたい、基本モグたんは番組の人気マスコットなんだからカメラが回っているところ以外では喋らないんだ。子どもたちの夢を壊してしまうことくらい、教育番組の出演者だったら暗黙の了解で分かるだろう?やはり歌のお兄さんとしては、まだまだ甘いな』 引き続き意地悪な声でモグたんは告げると、丸いモフモフの手で僕の顎を器用にクイッと上へ持ち上げたのでした。 お仕置きされる?! 思わずそう感じた僕は、ギュッと目を瞑り無意識に全身へ力を入れてしまいました。 『……予想以上に可愛いな』 囁くようにモグたんは呟くと、僕の衣装の裾から素肌へとモフモフの手を侵入させたのでした。 「モ、モグたん先輩?!」 驚いた僕は思わず名前を呼んでしまいました。 ですがモフモフの丸い手は止まることなく、僕の素肌の上を行ったり来たりして何だかむず痒さを感じてしまいました 『まず歌のお兄さんに必要なのは忍耐強さだ。そしてどんな時も笑顔を決して絶やさないこと……このモグたんコーチが、不甲斐ないお前から最高の歌のお兄さんへと短期間で成長させてやろう』 そう言うなりモフモフの丸い手は、僕の胸にある桃色の突起を器用に転がし始めたのでした。 「やぁ……ん」 手の動きだけでなく、モフモフの毛の刺激も相俟ってじんわりと全身に甘く拡がるモグたんからの刺激に、思わず僕は今までに無い破廉恥な声を出してしまいました。 『全く爽やかじゃない声だな。歌のお兄さん、失格だ。何より表情が歌のお兄さんじゃなくて、エッチなお兄さんになっているぞ。それじゃ、子どもたちの前には出られないじゃないか』 楽しそうにそう話すモグたんは手の動きを止めるどころか、ぷっくりと勃ち上がった僕の二つの突起を更にモフモフの手で執拗に攻め立てたのでした。

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