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Ⅵ
「んっ、蓮…。」
顔が火照りながらとても幸せそうにニヤつく晴は、深い口づけで熱い口内を掻き乱される。回す腕を目一杯伸ばして、引き寄せる。
(もっと、もっと深く…。)
息が持たなくなって必死に酸素を取り込もうとするも、蓮からのキスが止まる事は無い。
「っん…ぅふ…っぅん…。」
苦しくて、晴は彼の制服のシャツをギュッと握る。蓮の手が二人の間に入ってくると、晴の首元に付いているネクタイを解いた。
スルリと一本のそれは足元に落ちていく。
蓮の指先の動きは止まらず、シャツのボタンを一つずつ外していく。晴の期待は膨らむばかりだ。
「んんぅ、れ、ん…っふ。」
口から涎が垂れる。シャツのボタンが全部取れれば、口と口は離れて一気に酸素が入ってくる。
半開きの口にぼーっとした顔で連を見つめる。
「はい。後は自分で脱ぎな。ズボンとシャツ出すから着ろよ。」
「っちぇ、期待したのにな…。」
不貞腐れながらも理解した晴は脱衣し始める。白い肌が現れると、蓮は出来るだけ見ないように視線を外した。
(襲いたい。あのまま齧り付きたい。)
今は抑えたい欲望が剥き出しになりそうになる。けど、駄目だと葛藤する蓮を他所に与えられた服を身に纏って大好きな人の匂いに包まれ、これはこれで幸せ。と笑う晴がいた。
「今日はいっぱいシよう。ね?」
自ら抱きつきに行って、子犬が尾を振るように蓮へ期待の視線を送ると、蓮はちゅ。と前髪越しの額に口づけをした後、掌で頭をポンと叩いた。
「はいはい。」
呆れたような、嬉しそうな、冷たく聞こえる返事でもそこに愛情を感じる晴はまた幸せに笑った。床に残された制服を蓮は丁寧にハンガーに掛け、着替え終わった二人は部屋を後にした。
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