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シャワーを浴び終えさっぱりした気分でいるうちに、夏希に『明日も、今日と同じ時間に公園に来て』とメッセージを送った。その日じゃなくて次の日の約束をするなんて初めてだ。しかも探りを入れるって理由で。誰かを呼び出す時はいつもヤリ目だから、逆にこんなことで呼び出してもいいのだろうかと思ってしまう。 モヤモヤを抱えたまま夕飯のパンを食べ、珍しく甘いものが食べたい気分だったからカナのプリンをこっそり貰って部屋に戻った。後で同じやつを買っておけば大丈夫だろう。 十時まで夏休みの課題を片付けて、それが終わったら溜まってたメッセージに返信をする。普段と何ら変わりない過ごし方。ただひとつ違うとしたらカナがまだ帰ってないということだ。『今日は泊まらないと思う』って言ってたのに、結局お泊まりコースなのか。 そんなことを考えていると、タイミングよくカナからメッセージがきた。 『今日もお泊まりします。明日の朝ご飯作れなくてごめんね』 ……二日連続で外泊なんて、どうしちゃったんだろうか。…………本当に友達と勉強会なのか?あの真面目なカナでも、泊まり掛けで勉強会なんてさすがに怪しい。今までだってカナは友達とお泊まり会なんてやったことなかったし、まじで、彼女でもできたんじゃないの。 「また?本当に彼女じゃないの?」 『ちゃんと男友達だよ』 そのメッセージと共に写真が送られてきた。カナと友達のものらしいペンケースと広げられたノートとワークが写っている。いやいや、そんなんじゃ友達とか男とか分からないだろ。……でも、ちゃんと勉強会はしてるみたいだ。 「こんな暑いのに、むさくるしい勉強会なんてお疲れ様です」 『可愛いにゃんこもいるよ』 ……はぁ?猫? そう思っていると猫の写真が送られてきた。カナの膝の上にいるらしい。愛玩動物として普通に可愛いとは思うけど、特に猫が好きなわけでもない。それを知ってるのにわざわざ送ってくるなんて。まあ、カナは猫好きだから癒されるんだろうけど。というか、こんな毛玉を膝に乗せて暑くないんだろうか。 とりあえずカナにはテキトーに「猫、可愛いね」と返信しておいて、夏希とのトークを開いた。 既読はついてるけど返信はない。いつもならすぐ返信が来るのに忙しいんだろうか。別に探りを入れるのは明日じゃなくてもいいんだけど、俺の気が変わらないうちに聞いておきたい。カナと夏希に面識がないならそれでいい。……だけど、もし面識があったら? もちろんカナや夏希の交友関係を制限する権利は俺にはないし、するつもりもない。でも夏希を簡単に諦められるかといえば、答えは否だ。他のセフレが見つかっても俺はきっとあいつを手放せない。カナの恋愛対象に男も入っているのかは分からないけど、嫌でも分かってしまうことってある。双子の勘ってやつだ。カナは確実に夏希に興味を示すだろう。それも、俺の望んでない形で。 「あぁ、くそ……なんなの……」 だからこの胸騒ぎというか、変な勘のようなものが俺をイラつかせていた。

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