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角度を変えて、触れ合わせて、時々食んで。それだけなのに気持ちよくなってきて夏希をベッドに押し倒す。軽いキスだけだから夏希の意識ははっきりとしていて、でも突っぱねた雰囲気はなくてただ恥ずかしそうに目を伏せた。色気を纏うその姿は、冴えた頭と反応し始めた体とのギャップに困ってるようにも見えた。 「いつものキスと、さっきみたいなキス、どっちが気持ちいい?」 「…………どっちも」 「うん?」 「……どっちもいいから、もう一回……」 珍しく素直に答えちゃって、その上次をせがんでくるくらい良かったらしい。夏希は睫毛を震わせて戸惑ったように俺のシャツを掴む。 我慢できなくなって夏希の唇に食らいつく。唇を甘噛みして舌を入れて、夏希のものと絡めるとなんだか甘い気がした。 「っんん、ふ、……は、あっ、遊佐……」 「びくびくしちゃって、可愛いね」 「可愛くなんか……な、んッ……」 くちゅくちゅと音を立てて舌を絡ませ合い吸ってやると、俺の下で夏希は顔を真っ赤にしながらいちいち反応して体を跳ねさせた。ちゅっと唇に吸い付いてから離れると、閉じていた瞼を開いて上目遣いで俺を見上げてくる。 夏希と視線を絡ませたままそっと手を伸ばし下へ下へと体をなぞっていって、服の上からでも分かるくらい膨らんだソレを撫でた。夏希ははっとして俺を睨んできたけど、眉を下げて頬を赤くして見つめてくる目は潤んでいるから誘ってるとしか思えない。 「っあ、や、め……っ、ああッ!」 衣服越しに先端を強めに擦ってやると夏希は身をよじらせて悶えた。それに気を良くした俺は、ベルトを外したジーンズの中に手を滑らせて下着の上から撫で始める。モノの形を確かめるようになぞってカリのところは軽く引っ掻くと、強くなった刺激から逃げるように夏希は体を震わせて、きつく握りしめた右手を口に当てた。 「声、聞かせてくれないの?」 「っ、ふ、んんッ……」 そう尋ねても吐息を漏らして首を横に振るだけ。感じてるときの声は聞かせたくないらしい。そんなことしたってもう何度も聞いてるんだから、今さら抑えたって意味ないんじゃないかな。 声を漏らすまいと必死になっている夏希が可愛くてつい意地悪したくなる。 「手、退かしてくれないと、キスできないなぁ」 口に当ててる右手を軽く噛んで、俺から手を退かすことはせずに自分の意思で退かすのを待っていると、夏希は睨んできていやいやと首を振った。まだ抵抗する気力はあるみたいだ。脳も体も早く溶かしてしまいたい。 「いっぱいキスしたいんだけど……だめ?」 「……っ!」 甘えた声でわざらしくそう言うと、ついさっきまで睨み付けてきていた夏希の目が、熱に浮かされたようなとろんとした目つきに変わった。 俺の顔と声が好みらしいから効果抜群だったみたいだ。 声を抑えるのを取るか、俺とのキスを取るか。一瞬だけ迷ったあと夏希は両手を俺の首にまわした。 隔てるものが無くなって、俺たちはまたキスに夢中になる。何度も角度を変えて舌を吸って唾液を交換してべとべとになるまで貪った。キスをしながら手探りで夏希の服を全部脱がしていき、それが終わると俺もシャツを脱いだ。 「エアコン寒くない?」 「大丈夫……」 「まあ、すぐ暑くなるしね」 見下ろした夏希の素肌は白くて女みたいになめらかで、でも全体的に丸みはなくてしっかりしているし胸は平らだ。下半身には俺と同じモノも付いてる。正真正銘、男の体だ。どこからどう見ても男だというのに、小さく主張するピンク色の乳首と勃起して蜜を垂らすソレにすごく興奮する。最高の眺めだ。 同性を組み敷いている背徳感や、自分の手で暴いていく優越感がいいスパイスになって気分が高揚していく。女とヤる時も普通に興奮するけど、この特別な感覚は夏希が相手の時にしか味わったことがない。だから沼みたいに深く嵌まっていくんだろうか。 どう足掻いたって、きっともう抜け出せない。

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