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第27話 きす
俺が理科準備室の扉を開くと俊と金髪の男がキスをしていた。それも深いキスを。
イライラして身体中の血液が沸騰する。こんな感情今まで感じたことがない。
弟みたいな存在で可愛がってるからとかそういう理由じゃない。
俺は俊のことが好きなんだ.......
やっと気づいてしまった。前々から感じていたこの感情の正体を。
ほかの男とキスしてるのなんて絶対許せない。誰にも渡したくない。
こんな状況にならないと気づかないなんて。
俺はどれだけ馬鹿なんだ。
きっと俊は抵抗出来ずにキスされたんだ.......そう分かってるのに自分の魅力に気づかずにちょこちょこと男について行く俊にもイラついた。
「和真さんっ、助けて」
「お前誰だよ.......いまからこいつ犯すから邪魔すんなよ。」
「ふざけんなぶっ殺すぞ!」
俺はそいつを今までにないくらいの力で殴りつけた。
そいつは窓際まで吹っ飛んでしまった。
俺は自分の理性がコントロール出来なくなり、そいつが気絶するまで殴り続けた。
「和真さん怖いよ.......死んじゃうからだめ!」
「.......わりぃ」
俊に腕を掴まれてやっと止まった。俊がいなかったら殺してたかもしれない。こんなに怒ってるのは生まれてから初めてだ。俊を怖がらせた自分に嫌気がさす。
「ごめん。俊嫉妬した。かっこ悪いよな」
「.......嫉妬?」
「うん。俺やっと気づいた。お前のこと.......好きだって。初めてお前と話した時からきっと好きだったんだ.......」
俺がゆっくりとそう告げると俊の目からは涙が溢れていた。
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