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第9話*ともしび*
「あーつかれた」
頭をかきワックスで固めた髪を崩しながらツクモは帰路に着く。
「あれ?電気がついている。アキラたちは今日十夜と仕事なの知っているし」
ガチャ
「あ、おかえりなさい。ツクモさん」
「アオイくん・・?どうしたの?」
「あ、今日お仕事で遅くなるから、できたら家の留守番をしてほしいって泉守先生が」
「そっか、遅くまで待たせてゴメンね。ありがとう」
ツクモは軽くハグして背中をポンポンと叩く。
『うわー抱きしめてえ。てか美鈴ちゃんコロス。俺の鼻血でシネ』
「せっかくだから何か飲んでいきな」
ツクモは手早く支度をし、アオイに甘めのカフェオレを渡す。
「いただきます。あの・・」
「ん?」
「ツクモさんのお仕事って何ですか?」
コーヒーを口にしながらツクモが
「お父さんや美鈴ちゃんから聞いてない?」
「あ、はい。泉守先生からはとても忙しい仕事だって。工事の時に医療器具が運ばれていた
のは見たんですけど、お医者さんではないって」
「うーん。二人からまだちゃんと聞いていないのなら、ヒミツ」
「そうですか・・」
「チューしてくれたら教えてあげるけど」
「えっええっ、何言ってるんですか?俺男ですよ。からかわないでください」
顔を赤くしながらアオイが首を振る。
「あはははは」
『顔赤くしてかわいー。つか、ガチで本気なんですけど?』
ツクモの満たされた少しの時間・・
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