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第10話*MRSA*

ピッ 「んーみすずちゃん?どしたの、珍しいじゃん。ほーい。すぐ行くわ」 「STAFF ONRY」  ボカーン!思いきり足が飛んでくる。 「おまたせーみすずちゃん」 「ツクモ、ドアは手で開けて。壊れたら請求するわよ」 美鈴はあきれ顔だ。 「それよりこれ、見て欲しいの」 美鈴は書類をツクモに渡す。 「んー、どれどれ。MRSA?院内感染か」 「ええ、そして粘膜感染ではなく飛沫感染。おそらく結核やインフルエンザじゃないかしら」 「で、これは依頼なの?」 ツクモは書類をひらひらさせる。 「そうね。どうもあちらがノリ気ではないのよ。もうすぐ死体検案書のコピーと エンバーミング依頼書が届くわ」 少しあきれ顔で美鈴が言う。 「MRSAを面倒くさがるエンバーマーなんて使い物にならないわ!」 「飛沫感染か、空調の向き変えておこう」 エンバーミングの基本 ① 復元    体の欠損した部分などをワックスで復元。 ② 感染症予防 体の洗浄、消毒を行い直接触れることが出来るようにする。 ③ 防腐    体内の防腐処理をして一週間から十日ほど安置できる。腐敗も悪臭もない。 「52歳男性、肺結核か。若いな、病院がちゃんとしてりゃあMRSAなんて 起こさなかっただろうにな」 術台に乗せて洗浄、消毒、顔の産毛を剃る。皮膚が薄くなってしまっているので 慎重に刃を当てる。そして薬液の準備・・。 「体はきれいだな。そんなに時間はかからないか」 ☆粘膜感染・接触感染ともいう。相手の傷などから感染。肝炎、ノロウイルスなど。 ☆飛沫感染・咳やくしゃみなどの「しぶき」から感染。肺炎、インフルエンザなど。

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