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第33話*熱さにのぼせる*

「はーい。今日はTD-2なので薬液使いまーす。なので小切開がありまーす。 お気をつけて」 検案書片手にツクモが声高に話す。 『くっ。なんでそう、気に障るいい方なのよっ』 友美は眉間に皺を入れつつ手を動かす。 あの日からも友美はツクモの処置室へ通い続けた。 「気をつけてねー。まさかと思うけど血管間違えないでねー」 「頸動脈も頸静脈も薬液も血液排出も間違えません!」 「はーい。よくできましたー」 『くっ!』 ただツクモの作業は相変わらず早く、友美が薬液の配合をしている間に 洗浄、顔そり、体の硬直へのマッサージを流れるように行い、友美は学校では比べ物にならないくらいスムーズに血管に管を挿入することが出来た。 『そうなのよ。知識も技術もけた違いなのよ。悔しいけど播磨さん天才なのよ。 同期がうらやましがるのわかった。だから私はここで盗めるものは盗んでいく!』 「ほーい。お疲れー。器具の消毒抜かりなくしておいて」 「・・わかりました」 ツクモはダストボックスにマスクやグローブを投げ捨てる。 「あー疲れた。めんどくせえ」 ツクモは熱いコーヒーでも飲もうかとキッチンに向かう。すると裏口から人の気配がしてきた。 「あ、ツクモさん。こんにちは」 笑顔で入ってきたアオイにツクモの表情も柔らかくなる。 「こんにちは。アオイくん。あ、ねえ、アオイくん。俺今仕事が終わったばっかりで、 寒いからコーヒー飲もうと思っていたんだけど・・」 そういってツクモは自分の唇に指をあてる。 アオイは見る見る赤くなり、ツクモの唇に自分の唇をそっと重ねた。 「かわいいね。アオイくん」 「・・かわいいだなんて言わないでください」 そういうとツクモはアオイの額にキスをする。アオイは少し照れて目を閉じる。 するとツクモはアオイの口の中に侵入して舌を探して絡めとる。 「んっ・・ふうっ・・」 アオイはツクモの腕に絡みつく。 『熱い・・やっぱり溶けそう・・』 アオイの体が熱を持ち始めた時・・

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