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第43話*保護者の鉄拳*
アオイはツクモのガウンを借りてソファに横たわっていた。
「はは。すこしのぼせちゃったかな?気持ちよくて」
楽しそうな顔でツクモが訊ねる。
アオイは照れながらも少しふくれてツクモに反論する。
「誰かさんが止めてくれないからですよ」
「だってアオイくんの声がかわいくてさ」
「もう!知りません!」
「あはは。お水飲む?」
そう言ってツクモはアオイに近づいて水を差しだしながら優しくキスをする。
そしてガウンの隙間に手を入れる。
「あっ・・」
「約束忘れないでね?」
アオイは顔を赤らめて頷く。
「ツークーモーいるー?」
みすずのパンプスの音が聞こえてくる。
ツクモは一瞬で血の気を失った。
リビングに入ってきたみすずも一瞬で血の気を失った。
上半身裸のツクモ。ガウン姿でソファに横になっているアオイ。
カツカツカツカツ・・。何も言わずみすずはアオイのガウンに手を伸ばし少し広げる。
「あっ」
アオイが慌ててガウンを戻す。
カツカツカツカツ・・。みすずは片方のパンプスを脱ぎ
パッカーンとツクモのこめかみにパンプスのかかとを打ちつけた。
「いっってぇぇぇぇー!!」
「ツクモ!あんた未成年に何しているのよ!」
「その未成年のガウンをはぐなよ。服が濡れちゃっただけだっつーの。
風呂洗い頼んだだけなの」
みすずの視線がアオイに向けられる。アオイも無言で何度もうなずく。
ビクビクしながらツクモが問いただす。
「ねえ、みすずちゃん。俺をぶん殴るためにきた訳じゃないでしょ?」
みすずは不満げな顔でバックから紙をツクモに渡す。
「んー。検案書ねー・・。ん、みすずちゃんさ。もしかして」
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