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第56話*ほろ酔いみすずちゃん*

「ちょっとー聞いてるの十夜―?」 「泉守、今日はちょっと酒が深い。そろそろやめておけ」 「だってさー。あのバカが指輪手放してさー。いつも二人で着けていて腰に手をまわした時指輪が光ると愛情が輝いているみたいで、見ているこっちも幸せだったのよー!」 「あの夜」指輪を外したツクモなんて見ていられなかったわ。それなのにアオイくんに好きに処分しろなんて!今までのあの指輪の重みは何だったのようー」 「飲みすぎだ泉守」 十夜はみすずからグラスを取り上げ、ウーロン茶をオーダーした。 「なあ泉守」 「なによ・・」 「なんでツクモはアオイくんに指輪を渡したんだ?」 「そりゃもちろん・・」 「えっ?」 「えっ?」 「ちょっと待って。まさか・・」 「指輪を手放せるくらい大切なものが出来たんじゃないのか?」 「えっ?は?!あたし達がいまー。で、アオイくんは高二だからー・・」 「ちょっと十歳も離れているんだけどっ!」 「アイツはそんなことに縛られるようなヤツじゃないだろ?」 「ち・ち・ちょっと山切先生に顔向けできないんだけど・・」 「まあ話を聞いていると合意だな」 「年齢差が合意じゃないわよ!」 みすずの酔いは一気にさめた。

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