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第57話*突然の知らせ*

「こうですか?」 「うんうん。きれいにまとめてあるよ。まあ脱線して、こう言うとちょっとフランクな感じになるんだ」 「へー。面白いですね」 「はは。さ、今日はここまでにしようね」 「はい。ありがとうございました」  アオイの英語の補習は受験も控えているため至って真面目に進めていた。 ハグをして、キスをして、笑顔でアオイは帰って行った。 「あー。幸せってこういう事かねー」  ツクモはソファに沈み込んでコーヒーを飲んでいた。 ピーポーピーポー サイレンと赤色灯の回転が近づいてくる。 「珍しいな。こんな住宅地に救急車じゃなくてパトカーか?」 パトカーの音が止まる。 ツクモは飛び起きてドアから飛び出す。パトカーが止まっていたのは隣家。アオイの家だ。 「アオイくん!!」  ツクモは壁面のフックからジャケットを取り駆け出した。玄関には警察官がいて案の定止められた。 「関係者です!!」  大声で叫び家の中へ飛び込んだ。 「ツクモさあん・・」  泣きはらしてまぶたを腫らし、頬をまっ赤にしたアオイが飛び込んできた。 「ア、 アオイくん」  思わず抱きしめる。 「や、山切先生。これは・・」  目をやると床に白い人型のテープ痕。 ツクモは自分のジャケットをアオイにかけ、 「アオイくん、俺ちょっとお父さんと話がしたいから部屋のベッドで横になっておいで。あとでちゃんと迎えに行くからね」 アオイは小さくうなずくと自室へ向かっていった。

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